浜辺祐一『救命センターからの手紙』集英社文庫、2001.
突発的な事故や病気で命の危険にさらされた人間を救うべく登場した救命救急センター。だが、収容された患者の死亡率が、3割を超えるという厳しい現実がある。医療の最前線であるために、人生の表も裏もきれいごとも本音も、鮮やかに浮かび上がらせる病院。24時間態勢の救急医療の現場で医者と患者が織りなす生と死のドラマ。(解説・小林和男)
今回は、『こちら救命センター』に続く第2弾。『こちら救命センター』では、看護師さん向けの月刊誌をまとめたものだったけど、今回は新米医師や研修医とのやりとりを軸にして読者への手紙風に綴られている。
身勝手とも思われる患者やその家族と正面から向き合うこと、医療の進歩によって生み出される新たな葛藤、、、日々、生死の狭間を彷徨う患者が運び込まれてくる戦場のような現場で「医者は病気やケガを治せばそれでよい」という割り切り方ができればラクだけど、そんな簡単ではないということがヒシヒシと伝わってくる。
まさに、医者としての葛藤が綴られている本。
医者は神様じゃない、だからこそ「本当に正しいこととは何か?」を日々悩み続けていることがホントに伝わってくるね~