アントンKが今注目している指揮者カーチュン・ウォンがマーラーを振るというので、勢いに任せて兵庫まで足を運んできた。管弦楽は、兵庫芸術文化センター管弦楽団といって、この文化センターのホール開設に合わせて出来たオーケストラで、アントンKも過去東京遠征公演に出向き鑑賞した覚えがある。
さて、今回は定期演奏会ではマーラー第6交響曲一曲のみが演奏され、3日間連続しての演奏スケジュールだった。(2024-11-8~9~10)アントンKは、スケジュールの都合から最終日を選び鑑賞したが、結論から言ってしまえば、新進気鋭の若手中心のオケではあるものの、やはりこの大曲を3日間続けることの厳しさは聞き手に伝わってきてしまった。90分にわたるドラマは、全体的には指揮者の意図が明確にオケに届いていたと思われるが、時に緊張がほぐれる場面、力づくになってしまう場面に遭遇したのである。特に第4楽章でのパフォーマンスは、この楽曲の鑑賞においては避けて通れない訳だが、fffが汚く音楽的でないため耳にうるさく感じてしまった。もちろんハンマーを打ち鳴らすポイントでは、舞台奥にひな壇を作り、豪快に鳴らしていたが、それに負けじと金管楽器郡がこれでもかと轟音を掻き立てていたのである。座席による差があるかもしれないが(2F正面)、結構響きはデットで残響が短く感じ、オケの鳴りは必要以上に思えたのである。
指揮者カーチュン・ウォンにとって、今回の第6交響曲は初めてとのこと、譜面こそ置いていたが堂々と自信に満ちた表現は、聴衆を圧倒し楽曲の確信に触れていたように思うが、今回の演奏で云々いうことはせず、前日や初日の演奏の方がさらに理想的だったに違いないと思いたい。昨年の第5に続けて3回目の兵庫芸術文化センター管の定期演奏会だったらしいが、日フィルとの音作りがあまりにも良かったため、少し落胆を隠せないでいる。今後はさらに新たな演奏を聴かせてくれると信じて新幹線に乗った。
思えば、マーラーを聴きに関西まで行くなんて今までになかったことで、時代は移りつつあることを実感した次第。関西と言えば、ブルックナーというくらい、アントンKには根付いてしまっているが、生誕200年の年に新たな気持ちになるのも何かの縁を感じている。
第155回 兵庫芸術文化センター管弦楽団定期演奏会
マーラー 交響曲第6番 イ短調 「悲劇的」
指揮 カーチュン・ウォン
2024-11-10 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
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