久々の更新は、10数年前に乗った「はやぶさ」のスナップから掲載しておく。
廃止まで50日を切ったこの日、アントンKにとっては憧れの諸先輩方からのお誘いを受け、オハネ25の寝台に横たわった。スタートとなる東京駅での落ち着かない心の高揚感は、今思い出してもワクワクしてくる。定刻、滑るように列車が動くと、懐かしいオルゴールが鳴り、どこか心休まる車掌のアナウンスが始まった。流れる夜景を背後に、諸先輩方との思い出話に夢中になっていた。思えば、アントンKにとってここまで鉄道撮影を継続できたのは、東海道線を走るブルートレインの存在が大きいのである。ゴハチ・ゴーナナに始まり、「あけぼの」だ、「北斗星」だと飛び火していったものの、やはりその根底には、幼少期に見た東海道線を走るブルートレインが常にあったのだと思い返している。あれだけの本数を誇った東海道ブルトレも、年々数を減らし併結を繰り返しながら残った正に最後の第1列車~第2列車には、特別な想いがあったと言っていい。
掲載写真は、この日お世話になるロクロク47号機がホームに入線してきたところをスナップしたもの。巷でもブルトレ廃止が知れていたのか、となりに停車中の東海道線の窓から覗いているサラリーマンが印象的。画面に映り込んでいる折り畳み式携帯電話も今となったは懐かしく感じてしまう。夜行列車衰退期に入っていたとはいえ、春の改正後も東北・上信越にはブルートレインは存在していたが、やはり歴史ある名列車廃止は、アントンKにとって大きな節目だったことには変わりない。
2009-01-31 東京駅にて