
9月を迎え涼しく感じる日も増えてきた気がしている。8月まではオーケストラの面々も夏休みの感が強く定期演奏会などはお休みとなる。そして9月を迎えるといよいよ来年に向けての新シーズンに突入となる。今シーズンも新日本フィルハーモニー交響楽団の定演に足を運ぶつもりでいるが、鑑賞のメインはやはり音楽監督の上岡敏之氏の演奏解釈ということになるだろうか。そしてそれに加えて今回は、オーケストラとの更なる意志疎通も聴きどころだと思っている。崔文珠氏をはじめとしたオケとのスリリングな新たな発見や音色を感じられればこの上なく幸せだ。今月は大好きなベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番とマーラーの第5で幕開けだ。そんなことを考え出すとどんな印象を持てるか今からワクワクが止まらない。今後指揮者上岡氏の演奏会は全て鑑賞するつもりだから、ここでまた感想を書き留められればと思っている。
演奏会の予定のないこの時期、これから始まるシーズンを静かに待っていればいいのだが、なかなかそうも出来ずに毎年過ごしているアントンK。暑い夏の時期に買い溜まったCD/DVDで気持ちを繋いでいるといった日常だった。数年前に所有しているレコードをかなり処分して将来に備えて整理したが、毎年こうやって新たなCDが増えてしまい、置き場所にも困る状況となり、またもや振出しに戻りそうな様相に成りつつある。昔と違いかなり厳選してCDも購入しているが、それでも元に戻りそうとはどうしたものか。ケジメのないアントンKなのである。
そんな中から最近気になったCDを3種ほど挙げておく。いずれもセット物だが、一つは「GREAT Conductors」という古いライブ音源を集めた廉価盤。フルトヴェングラーからサヴァリッシュまでと多岐に渡った内容だが、アントンKの目的は、謎の指揮者デルマンによるブルックナーの第9番が含まれており、演奏を確認することだった。思いのほか録音状態は良かったが、オケの乱れも多くCDとしては何とも言えず、敢えてこの演奏を採る意味が見い出せないでいる。マニアのコレクション的とは言えるが、他の指揮者の演奏がそれなりに楽しめること、価格が安価であることから所有していても損した気分にはならなかった。
もう一つは、Profilから出ている「BRUCKNER Collection」というこれまたセット物。全23枚のセットとなっていて、ブルックナーの作品の全てが網羅されている。交響曲はもちろん、習作のものや、はたまた最新のキャラガン稿を含む全11曲、ミサ曲やモテット集、独奏曲まで含まれている。宗教曲を聴くことが多いアントンKには、とても便利にまとめられていて重宝しているセットだ。それまでに所有している同一演奏も多く含まれてしまっているが、シャラーを中心とした構成はどれもよい演奏で今のところ気に入っている。
最後は、これまたブルックナーの交響曲全集だが、韓国交響楽団の演奏で、ブルックナーやマーラーの権威とされるイム・ホンジョンが指揮している。ネット上では、かなりの評判が上がり、朝比奈隆の再来とかという文面が目に留まったため、直ちに購入、何回か聴き返している。が、どこが朝比奈の演奏なのか?まったくアントンKにはわからなかった。全体を通してインテンポの演奏ではあるものの、薄っぺらな弦の上に荒れ狂う管楽器といったような作風でどれも馴染めなかった。DECCAというメジャーレーベルだから、録音状態は良いのだろうと安心していたが裏切られた感じ。音源が遠くバランスを欠きどこか歯がゆさが残ってしまうのだ。昨今は、CD録音では心が動かなくなったアントンKではあるが、実演奏とはあまりに違いすぎる。いずれ処分対象になってしまうだろうが、朝比奈隆と比較される演奏では断じて無いことだけははっきりしておきたい。
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