畠中恵 著 新潮社 出版
江戸有数の大店の若だんな・一太郎は、摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいたが、日本橋を焼き尽くす大火に巻かれ、とうとう三途の川縁を彷徨う羽目に…。
「しゃばけ」シリーズ第6弾。
・鬼と子鬼
江戸の大火の煙に巻かれ三途の川にやってきた若だんな。
一緒に鳴家も袖の中。でも前に来た時に歩いた道筋をすっとばして急に立ってた三途の川べり。何かおかしい・・。
年端のいかない子供たちが賽の河原で積む石の供養塔の意味や、鬼たちの本当の目的など、仏教的教えを踏まえた展開が嫌味なく心に沁みます。
死んでも?ふんわり優しい若だんなを救ったのは苦い苦いお薬でしたとさ(笑)
・ちんぷんかん
秋英は貧乏武家の末っ子。9歳で広徳寺に預けられてすぐに何故か妖退治の高僧・寛朝に気に入られ弟子となったのだが、師匠は一向に妖退治の修行などしてくれない。13年が経ち、師の片腕として雑用を一手に引き受けるある日、妖絡みの客の相談相手をすることになり・・・。
若だんなが広徳寺にやってきたある日の出来事を秋英の目から書いています。
何故寛朝に気に入られたか、これまでのシリーズを読んできた者なら冒頭の狛犬の件ではは~~ん!と察しが付くでしょうが、本人が自覚してないところに面白さがあるのです。
・男ぶり
若だんなのおっかさん・おたえの若き日の恋物語です。
好きになった辰二郎のために、その叔父の水口屋で起こった奇妙な「卵事件」を解こうとするおたえとその恋路の末を書いています。さすが、若だんなの母だけあって、彼女に協力する鳴家や守狐が出てきます。
失恋したおたえの目に映る手代の藤吉(後の藤兵衛)のほっとする優しさ、温かさは褒め言葉よりも心を掴んだのでしょう。
・今昔
兄・松之助に来た縁談はちょっとばかり混線模様。玉乃屋の妹娘と恋仲なのに縁談の相手は姉娘。しかも若だんなを狙う陰陽師の式神まで出てきて・・・。
貧乏神の金次再登場(笑)
この物語に登場する陰陽師は己の力を誇示したがためだけに式神を操り人に害をなす悪人なので、結末にはクスリとさせられます。
・はるがいくよ
松之助の縁談がまとまって、分家することになり、若だんなは寂しさを隠しきれない。そんな時に庭に植え替えて命拾いした桜の古木から花びらの子の贈り物が・・・。
桜の花びらが人となり、赤子から妙齢の乙女にとどんどん成長するなかで、若だんなはやがてくる別れ=死を阻止しようと躍起になります。避けて通れない人の定めを物語に重ねて、若だんなの成長がまたここでも見られます。
シリーズ6作ともなれば、いつまでも病弱なだけの若だんなというわけではなく、彼は彼なりに悩み苦しみながらも少しずつ大人になっていくのでありました。
それでも、若だんなを取り巻く人(妖)たちは砂糖衣のように甘く甘く・・・若だんなは相変わらずとびきりの病弱です(^^;
江戸有数の大店の若だんな・一太郎は、摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいたが、日本橋を焼き尽くす大火に巻かれ、とうとう三途の川縁を彷徨う羽目に…。
「しゃばけ」シリーズ第6弾。
・鬼と子鬼
江戸の大火の煙に巻かれ三途の川にやってきた若だんな。
一緒に鳴家も袖の中。でも前に来た時に歩いた道筋をすっとばして急に立ってた三途の川べり。何かおかしい・・。
年端のいかない子供たちが賽の河原で積む石の供養塔の意味や、鬼たちの本当の目的など、仏教的教えを踏まえた展開が嫌味なく心に沁みます。
死んでも?ふんわり優しい若だんなを救ったのは苦い苦いお薬でしたとさ(笑)
・ちんぷんかん
秋英は貧乏武家の末っ子。9歳で広徳寺に預けられてすぐに何故か妖退治の高僧・寛朝に気に入られ弟子となったのだが、師匠は一向に妖退治の修行などしてくれない。13年が経ち、師の片腕として雑用を一手に引き受けるある日、妖絡みの客の相談相手をすることになり・・・。
若だんなが広徳寺にやってきたある日の出来事を秋英の目から書いています。
何故寛朝に気に入られたか、これまでのシリーズを読んできた者なら冒頭の狛犬の件ではは~~ん!と察しが付くでしょうが、本人が自覚してないところに面白さがあるのです。
・男ぶり
若だんなのおっかさん・おたえの若き日の恋物語です。
好きになった辰二郎のために、その叔父の水口屋で起こった奇妙な「卵事件」を解こうとするおたえとその恋路の末を書いています。さすが、若だんなの母だけあって、彼女に協力する鳴家や守狐が出てきます。
失恋したおたえの目に映る手代の藤吉(後の藤兵衛)のほっとする優しさ、温かさは褒め言葉よりも心を掴んだのでしょう。
・今昔
兄・松之助に来た縁談はちょっとばかり混線模様。玉乃屋の妹娘と恋仲なのに縁談の相手は姉娘。しかも若だんなを狙う陰陽師の式神まで出てきて・・・。
貧乏神の金次再登場(笑)
この物語に登場する陰陽師は己の力を誇示したがためだけに式神を操り人に害をなす悪人なので、結末にはクスリとさせられます。
・はるがいくよ
松之助の縁談がまとまって、分家することになり、若だんなは寂しさを隠しきれない。そんな時に庭に植え替えて命拾いした桜の古木から花びらの子の贈り物が・・・。
桜の花びらが人となり、赤子から妙齢の乙女にとどんどん成長するなかで、若だんなはやがてくる別れ=死を阻止しようと躍起になります。避けて通れない人の定めを物語に重ねて、若だんなの成長がまたここでも見られます。
シリーズ6作ともなれば、いつまでも病弱なだけの若だんなというわけではなく、彼は彼なりに悩み苦しみながらも少しずつ大人になっていくのでありました。
それでも、若だんなを取り巻く人(妖)たちは砂糖衣のように甘く甘く・・・若だんなは相変わらずとびきりの病弱です(^^;