畠中 恵 著 角川書店 出版
「やれ、しかたがない、今日も貸されてやるとしようかね。」
お江戸の片隅、お紅と清次の姉弟二人で切り盛りする、小さなお店「出雲屋」。 鍋、釜、布団にふんどしまで、何でも貸し出す出雲屋ですが、よそにはないような、ちょっと妙な品も混じっているようで……。彼らは、生まれて百年を経て、つくもがみという妖怪に化した古道具。 気位も高く、いたずら好きでおせっかいな妖怪たちは、今日もせっせと、出雲屋を引っ掻き回すのでありました。(本紹介より)
この物語には若だんなは出てこないけれど、ふんわり温かいテイストは変わりません。お紅と清次は本当の姉弟ではないことがポイントの一つ。
蘇芳という名の香炉がもう一つのポイントです。
お紅が執着する蘇芳という香炉にまつわる姉弟の過去が見え隠れしながら進む物語の結末にほっと胸を撫で下ろしながら、意外にお節介で、妖ながら妙に人間臭い彼ら付喪神たちが愛しくなってきました。
「やれ、しかたがない、今日も貸されてやるとしようかね。」
お江戸の片隅、お紅と清次の姉弟二人で切り盛りする、小さなお店「出雲屋」。 鍋、釜、布団にふんどしまで、何でも貸し出す出雲屋ですが、よそにはないような、ちょっと妙な品も混じっているようで……。彼らは、生まれて百年を経て、つくもがみという妖怪に化した古道具。 気位も高く、いたずら好きでおせっかいな妖怪たちは、今日もせっせと、出雲屋を引っ掻き回すのでありました。(本紹介より)
この物語には若だんなは出てこないけれど、ふんわり温かいテイストは変わりません。お紅と清次は本当の姉弟ではないことがポイントの一つ。
蘇芳という名の香炉がもう一つのポイントです。
お紅が執着する蘇芳という香炉にまつわる姉弟の過去が見え隠れしながら進む物語の結末にほっと胸を撫で下ろしながら、意外にお節介で、妖ながら妙に人間臭い彼ら付喪神たちが愛しくなってきました。