杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

信長協奏曲 ネタばれあり

2016年01月29日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2016年1月23日公開 126分

安土城の完成と天下統一を目前にしたサブロー(小栗旬)は、ある日松永弾正(古田新太)から信長が間もなく死ぬ運命にあると知らされる。その運命に戸惑い苦悩するサブローだったが、帰蝶(柴咲コウ)や家臣(向井理他)の支えもあり、運命に抗い、この時代で生き抜くことを誓う。そして、サブローは本能寺で帰蝶との結婚式を計画するが、嫉妬心を抱く光秀や暗殺の機をうかがう秀吉(山田孝之)らによる不穏な企てが動き出そうとしていた。果たしてサブローは織田信長の歴史を変え、彼の望む平和な国を築くことができるのか?


石井あゆみ原作の同名コミックを小栗旬主演で実写化したテレビドラマの劇場版です。
歴史が大嫌いな高校生のサブローが、ひょんなことから戦国時代にタイムスリップしてしまい、そこで自分にそっくりな織田信長と出会います。病弱な信長に頼まれて身代わりを引き受けたサブローは、裏切りや陰謀が渦巻く戦国時代を生き抜いていくうちに人々の支持を得て天下統一を目指し始めた、というのがテレビ版の展開でした。映画はその続編というか完結編にあたるようです。キャストはテレビ版と同じ。

TVドラマの方は途中から見始めたのと、特にキャストに思い入れがなかったため、劇場鑑賞の予定はなかったのですが、「良かった、感動した」という一足先に観た複数の友人が薦めていたので急遽予定に入れてしまったのだけど個人的には今一つ盛り上がれなかったのが残念決して悪くはない出来です。史実(とされている)をほぼ変えずにきちんと収束させているし、ある意味ハッピーエンドだしでも、泣くほどの感動は正直貰えなかったかな、と天邪鬼な性格故、他人が良いというと素直に追随できない私こういうのはやはり、キャストや原作、TVドラマ版に思い入れがある人の方が作品を満喫できるのだと思います。

光秀(本物の信長)は人望厚いサブローへの嫉妬心を秀吉に利用されましたが、彼自身もサブローの人柄に魅入られていきます。サブローの暗殺を一度は遂行しようとしますが、逆に助けられたことも大きいでしょう。本能寺ではサブローを逃がして自ら秀吉に討たれます。そもそも、秀吉の信長への憎しみは、信長の初陣の際、無意味な殺生を命じ、そのため秀吉の両親を含む村人たちが惨殺されたことにありました。そのため、秀吉は信長本人だけでなく、帰蝶やお市をも殺そうと企んでいたのです。帰蝶を人質に取られて秀吉に従ったように見えた光秀でしたが、本能寺でサブローを逃がし自ら秀吉に討たれます。この展開は予想通り。本当は光秀だって帰蝶を愛していたのよね~。逃げた二人は落ちのびてめでたしなのかと思っていたのですが、ここでもうひと波乱あったのね

信長が光秀に討たれたと偽り、光秀討伐に動く秀吉。(ショートカットなサブローと髪を結った信長、顔は同じでも格好振る舞いで別人だってわかりそうなもんだけどなぁ。)サブローの正体を知っている帰蝶と池田恒興は最後まで彼の味方ですが、歴史が変わらないなら自らその礎になろうと決意したサブローは最後の戦いに赴きます。秀吉に向かって憎しみからは何も生まれないと説き、自分の代わりに戦いのない平和な世を作って欲しいと言い残して討たれるサブローですが、次の瞬間、現代に戻っています。
彼がタイムスリップしてからかなりの年月が経っていて、本能寺の変の時には立派な中年だった筈なのですが、年相応には見えないのがちょっと気になりました。消えたサブローの現代でのその後については一切描かれてないのですが、時間的な矛盾は生じていなかったのかしらん?それとも失踪した彼が戻ってきた的な騒動があったのかしらん?と余計なことが気になる自分。

大人になった彼のおそらくは独り暮らしの部屋には背広がかかり、出勤?前のあわただしさの中、一通の手紙が届きます。中から出てきたのは帰蝶の手紙と動画の入ったメモリー。これも一種のハッピーエンドってことですかね。届けてくれたのは同じくタイムスリップして捉えられていたウィリアム・アダムスでした。帰蝶に助けられ家康に仕えて生涯を終えた彼もまた現代に戻ってきたらしいそういえば秀吉に斬られた弾正さんも現代に戻ってヤクザ続けてましたなあらら~~死なないと戻れないんだ

TV版同様、家康(濱田岳)の軽くて女好きで天ぷら好きなキャラが脱力系で面白かったです。一人二役の小栗さんも、勝気だけど可愛い帰蝶を演じた柴咲さんも、裏表のある秀吉役の山田さんも皆でした。


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