2016年7月1日公開 アメリカ 123分
滅びゆく故郷を捨てて安住の地を求めるオークの戦士たちが、平和な王国アゼロスに侵攻を開始した。人間たちは自分たちの国を守るため、オークとの全面戦争を決意。一方、人間との戦いに疑問を抱く1人のオークが、戦争を阻止するためある決断を下す。
PCゲーム「ウォークラフト」シリーズの実写映画で監督はダンカン・ジョーンズです。この手の剣や魔法のファンタジー作品ではついつい「ロード・オブ・ザ・リング」と比べてしまうのですが、元がゲームということを知らずに観てもなかなか楽しめる作品でした。映像的にも超大作と遜色なかったです。
舞台はレイン王(ドミニク・クーパー)が治めるアゼロス王国。王妃の兄であるローサー(トラビス・フィメル)は王の側近で軍司令官です。
オークたちは荒廃した故郷を捨て新たな土地を求めていました。彼らを率いるグルタン(ダニエル・ウー)はフェルと呼ばれる邪悪な魔法の力で人間界へのゲートを開き侵攻を始めます。族長のデュロタン(トビー・ケベル)は身重の妻と共にその先兵となって人間界へやってきます。(フェルに操られているオークは緑色をしていて、その魔力に侵されていないオークは泥色をしています。)
彼らの侵略にいち早く気付いたのが見習い魔法使いのカドガー(ベン・シュネッツァー)。ローサ―と共に守護者メディヴ(ベン・フォスター)の元を訪れ異変を知らせるの。この時カドガ-は謎の存在に導かれてある本を手にします。王の命で森を探索した彼らはそこでフェルの痕跡を見つけますが、潜んでいたオークの襲撃を受けます。メディヴの魔法で危機を逃れた彼らはこのときガローナ(ポーラ・パットン)というオークを捕えますが彼女は肌の色と牙を除けば人間と同じ容姿をしていました。(オークと人間のハーフなんですね)
オークたちは人間の村を次々と襲いゲートを開くための生贄として彼らを生け捕りにします。グルタンのやり方に疑問を持つデュロタンは、氏族を守るために人間と手を組もうとしますが、仲間の裏切りに遭い計画は失敗してしまうの。グルタンに決闘を申し込んだデュロタンは卑怯な手を使われて殺されてしまうのです。オークの決闘は神聖なものとして位置づけられていますが、フェルに歪められているグルタンはそれを穢してしまうのです。
実はグルタンを操っていたのはフェルの力に取り込まれたメディヴだったのです。彼は国を守ろうとして逆に邪悪な魔法に溺れてしまったのでした。それを知ったカドガーはローサ―と共にメディヴを倒します。最後に正気に戻ったメディヴは力を振り絞って人間のためにゲートを開けます。
しかしメディヴの死でゲートが閉ざされてしまい、戦いの場に留まっていた王は窮地に追い込まれ、ガローナに自分を殺して手柄を取りオークとして両種族の橋渡し役になるよう命じます。そのようなこととは知らず王の元へ向かったローサ―は王の亡骸に刺さった剣(王妃がガローナに与えた信頼の証)を見つけ彼女が裏切ったと思ってしまうの。息子を殺したオークに決闘を申し込まれたローサ―は彼を殺して王の亡骸と共にその場を後にするのでした。この時もグルタンはローサ―を殺そうとしますが、さすがに神聖な決闘をこれ以上穢すことはオークたちが許しませんでした。
敵役として描かれるオークですが、彼らの中にも勇者の心を持つものがいたり、人間やエルフ族やドワーフ族が必ずしも一枚岩ではなかったりするのが面白いところです。邪悪な魔力に取り込まれるメディヴはサルマンに重なって見えちゃいますが、カドガーが成長して守護者の役割を果たしていきそうなあたりはガンダルフとも言えそう
ローサ―とガローナの間に生まれた愛の行方や、デュロタンの息子の行く末も気になります。
ちゃんと続編が出来ますように!絶対観るから(たぶんDVDだけど)