2017年4月14日公開 中国=アメリカ 103分
金と名声のため、強力な武器を求めて世界中を旅して万里の長城へ辿り着いた、傭兵ウィリアム(マット・デイモン)は、そこで巨大な地響きとともに圧倒的な数で迫りくる謎の生物に遭遇する。それは、饕餮と呼ばれる、人間の欲深さを罰するため60年に一度現れる伝説の怪物で、万里の長城が築かれた最大の要因だった。饕餮が長城を超えて都に迫れば、国の滅亡はおろか、人類すべてが食いつくされてしまう。それを阻止すべく中国の戦士たちが長城に集結していた。ウィリアムは彼らの戦いを目の当たりにし、その気高い自己犠牲の精神に心動かされ、自分の目的のためでなく世界を守るために戦うことを決意するが・・・。
チャン・イーモウ監督のアクション大作です。
舞台は長城。60年に一度現れ、幾度となく中国を襲ってきた伝説の怪物・饕餮(とうてつ)の大襲来を食い止めるべく築かれたという設定です。中国軍は、強さと工学知識を兼ね備えた猛虎軍団“虎軍”、鷲のごとく鋭い矢を放つ射手隊 “鷲軍”、歩兵と騎兵の混合部隊で機動力自慢の“鹿軍”、接近戦を得意とする“熊軍”、鶴のように舞い華麗に敵を駆逐する“鶴軍”からなる五軍で構成され、鮮やかな色分けがされていて、オリンピックの開会式の華やかさを彷彿とさせます 完璧に統率された戦闘スタイルは芸術的です。特に鶴軍の華麗な舞は圧巻でした
馬賊に追われ逃げ込んだ長城でウィリアムと相棒のトバール(ペドロ・パスカル)はバラード(ウィレム・デフォー)という男と出会い、火薬(武器)を手に入れて一緒に逃げようと誘われます。
初めは賛成したウィリアムですが、シャオ将軍(チャン・ハンユー)やリン司令官(ジン・ティエン)ら兵士たちが、揺るぎない信頼関係で結ばれ、命がけで国を守り戦おうとする姿に接し、自らの戦う意義を見出していきます。
相棒のトバールは他所の国のことより、自分たちの成功を優先させようと考え、一度はウィリアムと袂を分かつのですが、結局友情が勝って共に戦うことになるのもでした。逆にあくまで自分の利益に拘ったバラードは自業自得な最期でした
ウィリアムとリンはより戦士としての友情で結ばれているのでラブの入る要素は少なかったかな
敵役となる饕餮はグロテスクではあるけれど、どこか愛嬌のある姿をしていますとはいえ、人間を蹴散らし食らう姿はやっぱりグロかった
(しかし、普段はどこに潜んでいるんだろ?
地下?)彼らの弱点は磁石で、近づけると動きが止まるってのが?だけど、ま、い~んじゃない
女王を頂点とした生態は蜂を連想させますね。
多大な犠牲を出して捕まえた饕餮を都に運ぶ帝の特使の奢りや、平和ボケした宮廷の高官たちの様は、人間の普遍的な弱さの投影に見えました。