田中悟の片道旅団

大阪で芝居と弾き語りをしています。

キッズ・リターン

2013年10月10日 | 日記
 初舞台は25歳。遅いほうだと自分では思ってます。

なんて書き出しで始まった先日のFacebookの文章。
ですが、思い出しました。本番前に誕生日を迎えていたので26歳でした。

最近はブログ更新の度にコピペだけじゃなく文章も添えているんです。
何気に書いたのですが懐かしくもあり、大切なことでもあると思えたので、
ブログにも転載しようと思いました。

以下がその文章です。どうぞお読み下さい。(※転載というか、かなり加筆してます(^^;)


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初舞台は25歳、いや26歳。遅いほうだと自分では思ってます。

憧れの先輩方と同じ舞台に立ちたくて、事務所内オーディションを受け、
愚直に稽古して、やっとの思いで本番の日までたどり着きました。
そして公演初日、開演前のミーティングで演出家から、

「チケットを買って観に来て下さるお客様に対して、責任を持って演じなさい」

と言われたんです。

まったく仰るとおりだと当時の僕は思いました。
が、正直なところ、それはあくまで常識的な理屈として。

その時初めて自覚したんです、自分の中に「お客様」という観念がなかったことに。
全てが自分の為。オーディションを受けたのも自分の夢や目標を叶える為でした。

「お客様?俺、自分が芝居したいだけやし…自分の為に稽古頑張ってただけやし」

物凄く悩みました。このタイミングで都合良く意識を変えられない。

「俺はプロに向いてない。この舞台が終わったらこの世界を辞めよう」

というのが本番寸前に出した結論でした。(この公演だけは集中してやりきるという条件付きで)
何とも不器用で、ある意味身勝手な考えでもありますね。


そんな初舞台を終え「これからどうしよう…」なんて思いながら、
梅田の街をブラブラしていた時、ふと目についたのが『北野武 ビートたけし展』でした。

何気に立ち寄ると、映画『キッズ・リターン』のメイキングビデオが流れてました。
主演の二人はまだ若い青年二人。僕より幾分若そうに見えたけど同世代の役者達。

「凄え!この子ら、北野武の前で演じてるやん!ダメだしされたり、演出されたりしてるやん!」

心底羨ましかったです。物凄く嫉妬もしました。
だからって彼らが憎い訳ではないんです。尊敬しましたし、彼らを見てて物凄くわくわくしたんです。

そしてその足で『キッズ・リターン』を観ました。
夢のような時間が過ぎて映画観を出る頃には、
役者を続ける決意と、本を書きたいという希望で胸がいっぱいでした。単純ですね。



『キッズ・リターン』が上映されたのは1996年のこと。
以来「何のために舞台に立ってるんや?」という葛藤とともに歩んだ芝居人生です。

長い時間が掛かりましたが、今ではお客様LOVEです。
お客様に喜んで貰うことが、芝居をする上で自分の最大の喜びになっています。
僕に愛を教えてくれたのはお客様です。
笑顔や涙が眩しいのです、客席のあなたや、あなたや、あなたが!


ライブも芝居みたいに出来たらいいなって思ってます。



【次回ライブ】
10/12(土)道頓堀かつおの遊び場 http://kattyandayo.wix.com/catooo#!home/mainPage
19:00オープン 19:40スタート
田中悟 「悠」 サカイアキラ 半田悦久 ※田中悟は19:40~出演します。(30分間)
1,500円(1ドリンク+500円投げ銭コイン付き)



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コメント
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