はるみのちょっとTea-time

日々の暮らしのなかで感じたこと、市民運動のことなどわたしのことばで、つづります。

裁判員制度がはじまるけれど・・・

2009-05-19 | ニュースから

2009年5月19日(火曜日)
21日からはじまる裁判員制度・・・
そもそも違憲?
一般国民が裁判官と同等の評決権を持つことは、
憲法ではみとめられていない・・・
そして思想信条を理由とする辞退を認めず、
市民の基本的人権を否定する制度・・・

裁判の中でいろいろな問題が起きていても、
それが守秘義務などによって表には
出てこないようになっているのも、大問題。
なんせ、裁判員には出頭の義務と
守秘義務が課せられているから・・・

裁判員制度の意義は
『裁判に対する国民の理解が深まり、
裁判が身近に感じられるようになって、
司法への信頼が高まることが期待されています』
なんだそうです。

でも選ばれた国民の裁判員は
年間5000人に一人の割合・・・
しかも守秘義務があるから他の人に
裁判の内容は話せない。
それのどこに裁判に対する
国民の理解が深まる根拠がある?

全国各地で行われた模擬裁判でも、
裁判員になった市民からは戸惑いの声や
進め方などに強い不安・不満が多かったという。

しかも裁判員に選ばれたことで
仕事に不利益を生じたり、
量刑を決めたりしたことでの精神的苦痛などは
誰も救ってはくれないのだ。

そりゃなかには、喜びいさんで裁判員を
受ける人もいるかもしれないけれど・・・
(それはそれで、ちょっと怖いかも・・・)

さて、そのなかでも
性暴力犯罪事件においても、他の事件と同様に、
それぞれの事件で100人にも及ぶ裁判員候補者に対し
事件の概要と被害者の氏名が知らされるといことが
明らかになりました。

自分自身があるいは娘や孫が当事者だったらと
思うと、いてもたってもいられぬ気持になります。

このまま裁判員制度がスタートすれば、
性暴力の被害にあっても黙って泣き寝入りする
被害者を増やすだけでなく、
ますます性暴力犯罪がはびこることは目に見えています。

こちらは5月6日の読売新聞の記事と
アジア女性センターからの緊急要請への
賛同の呼びかけです。

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20090506-OYS1T00229.htm

性犯罪被害者名も裁判員候補に開示、
            情報流出懸念の声
 
21日に始まる裁判員制度で、強盗強姦など
制度の対象となる性犯罪事件を巡り、
裁判所が被害者保護と裁判員選任手続きの両立に
頭を悩ませている。
裁判員は事件と無関係でなければならず、
数十人から約100人の候補者に被害者の氏名などを
伝えることになる。
選任されなかったほとんどの人は、
裁判員法が定める守秘義務を負う必要がない。
被害の経験者からは「制度が始まると、
ますます被害を訴えにくくなる」との声も上がっている。

性犯罪のうち裁判員制度対象の重大事件は強姦致死傷、
強盗強姦、強制わいせつ致死傷、集団強姦致死傷事件。
2008年の全国の対象事件2324件のうち約2割を占める。

被害者のほとんどが、
被害を他人に知られたくないと強く願っている。
そこで刑事訴訟法は被害者の申し出があれば、
氏名や住所などを法廷で伏せるよう定めている。

ところが裁判員の選任手続きでは、
候補者に事件との関係の有無を確認する。
そのため被害者の氏名や事件の概要を知らせることは
避けられないという。
また、裁判員に課せられる守秘義務も候補者には及ばず、
情報を他人に教えても罰せられることはない。

最高裁も「情報流出による二次被害の恐れが考えられる」と
懸念するが、対策の指針は示さない予定で、
最終的には各地裁で対応を判断することになりそうだという。

全国の都道府県の中でも性犯罪の発生率が高い福岡県。
福岡地裁が08年に受理した裁判員制度対象の
性犯罪事件は30件で、全体(156件)の19・2%だ。
同地裁の関係者は、被害者情報が流出した場合
「候補者に対し、被害者が損害賠償を請求するという
手段は考えられる」と話す。

一方で「忙しい中、選任手続きに来た人たちに
『情報を外部に明かせば訴えられる』なんて
言うのは失礼かもしれない。
最終的には誠心誠意お願いするしかない」と
苦しい胸の内を明かす。

性犯罪の被害に遭った体験を昨年本にした東京都の
小林美佳さん(33)は
「被害を届け出ない女性は今でも多いのに、
対策もないまま制度が始まるなんて」と憤る。

性犯罪のうち、被害者がけがを負ったりPTSD
(心的外傷後ストレス障害)などにかかったりする
「致傷」事件になると、裁判員裁判の対象になる。
「そうなることを嫌がる被害者が、
心や体の傷を負っても申告しない事態が起きる恐れもある。
重罰を求める気持ちが強くても、かなわなくなる」
と小林さんは心配する。(2009年5月6日  読売新聞)

【緊急署名】
裁判員制度における被害者のプライバシー確保を
求める要請にご協力ください
2009-05-17 アジア女性資料センター

裁判員選任手続きにおける性暴力被害者の安全と
プライバシーの確保を求める緊急要請にご賛同ください

5月6日付読売新聞九州版で報じられたように、
21日に開始される裁判員制度の裁判員選任手続きにおいて、
性暴力事件被害者の氏名が裁判員候補者に
開示されてしまうことが明らかになりました。
しかし最高裁はこの問題について対策指針を出していません。
被害者保護の手段を講じることなく
制度を開始してしまわないよう、
緊急の要請を行うことにしました。
21日まで時間がありませんが、できるだけ多くの
団体・個人の声を届けたいと思いますので、
どうぞご協力をお願いいたします。
なお最高裁への申し入れを19日に予定しています。

●賛同するには●
以下のフォームを利用して
ajwrc.shomei@gmail.comにお送りください。
------------------------------------
裁判員制度における被害者のプライバシー確保を
求める要請に賛同します。

●団体賛同の方
団体名:
●個人賛同の方
氏名:
肩書き(あれば):
------------------------------------

要請書
///////////////////////////////////////
裁判員選任手続きにおける性暴力被害者の
安全とプライバシーの確保を求めます
///////////////////////////////////////

最高裁判所長官 竹崎博允 様

私たちは、性暴力被害者の権利回復の観点から、
5月21日より開始される裁判員制度における
性暴力犯罪の取り扱い、とりわけ被害者の
プライバシー保護について、重大な懸念を抱くものです。

裁判員が参加する刑事裁判が対象とする事件には、
性暴力犯罪である強姦致死傷、強盗強姦、
強制わいせつ致死傷、集団強姦致死傷が含まれますが、
これらは対象事件の2割以上を占めると予想されています。
にもかかわらず、報道によれば、
性暴力犯罪事件においても、他の事件と同様に、
それぞれの事件で100人にも及ぶ裁判員候補者に対し
事件の概要と被害者の氏名が知らされるとのことです。

裁判員候補者が事件の情報を漏洩することは
「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」の
秘密漏示罪の対象とはならず、漏洩を防止する
確実な手段は整備されていません。
しかし最高裁判所はこの問題に対する対策の指針を出さず、
各地方裁判所に解決をゆだねる方針であると
報じられています。
これでは、地裁によってまちまちな解決策となり、
被害者のプライバシー保護が公平に保障されない
可能性が否めません。
現在刑事裁判において被害者のプライバシーが
保障されていることとも大きく矛盾します。

性暴力犯罪は他の犯罪と異なり、性・ジェンダーに
関わる社会的偏見ゆえに、しばしば被害者の側に
責任が転嫁されたり、スティグマが付与されてきました。
適切な配慮が行われなければ、
裁判プロセスそのものが二次被害を及ぼす場となる
危険性があります。
こうした性暴力犯罪の特殊な性質が考慮されることなく、
他の刑事事件と同様の選任手続きが行われれば、
被害者に二次被害発生の不安を
呼び起こすだけでなく、二次被害を避けるために、
被害にあっても被害届を出さないといった傾向を
助長することにもなりかねません。

一般市民が参加する裁判員制度で性暴力犯罪を
取り扱う上では、性・ジェンダー偏見を排除するために
十分な配慮を払い、被害者のプライバシーと安全を
確保することが必要不可欠です。
事件情報の漏洩を確実に防止する措置を講じることなく、
拙速に裁判員制度を開始すれば、この制度そのものが、
被害者にさらなる加害を招き、
性暴力犯罪の訴追と被害者の救済を
阻害する原因となりかねません。
被害当事者および支援者との協議のうえ確実な
安全保護の措置が講じられるまで、
裁判員制度の開始を延期するか、それが困難な場合は、
性犯罪に関連する事件について裁判員選任手続きを
開始しないよう要請いたします。

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「よそごとながらなぜか気になる河村名古屋市長・・・」を拝読して (磯野カツオ)
2009-05-21 01:34:07
こんにちは^^
いつも貴ブログを拝見し勉強させていただいております。

名古屋市長の政策は、確かに市民受けをねらったパフォーマンスかもしれません。公用車等は一概に無駄と切り捨てるのではなく、移動中に仕事を行う執務室の側面もあると思いますので、有効活用してほしいと思います。
(むか~し、どこかの市長さんが黒塗り公用車であちこち乗りつける姿はあまりいい感じには見えませんでしたが・・)

減税に関しても、多くの意見があると思います。

ただ私個人として思うのですが、天下りを一部是正した事に関しては大きく評価されるべきと考えます。

ものの例えではなく、決裁文書にただ一日ハンコを押して、その案件にまったく責任を持たない、それどころか理解すらしていない職に対し、補助金・委託金からありえない俸給がでている現実があるかと思います。

人間霞を食べて生きていくわけにはまいりませんが、自らの賃金が税金からまかなわれていることを忘れてしまった方々が作り出した無用の職は廃されるべきです。

そしてそれを行うのは選挙によって選ばれた政治家の責務と考えます。

個人的な意見で申し訳ありませんが、税金の社会への再配分は政治家の仕事であって、役人の仕事ではないと信じております。

名古屋市長の市政がパフォーマンスか否か、これからだと思いますが、ちょっと期待してます。

勝手なことを書き込み申し訳ないです。

お体を大切にして無理をなさらずにご活躍ください。
返信する
まさにそのとおり! (はるみ)
2009-05-22 23:39:30
磯野カツオさま
コメント、ありがとうございます。

あなたのおっしゃるとおり、税金の社会への再配分こそが、大切なんですが、
河村名古屋市長は減税後の
再配分について、市民にしっかりと説明する責任が
あります。

その部分があいまいなままでは、ちょっと???
だなぁと思っています。

わたしも期待しつつ、今後の成り行きをみまもっています。
返信する

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