今日何気にテレビをつけたら
「ジブリ 創作のヒミツ 宮崎駿と新人監督 葛藤の４００日」
という番組を放送していました。
公開早々にまゆっちと観にいった「借りぐらしのアリエッティ」の裏側に・・・
こんなドラマがあったなんて・・・。
宮崎駿さん、69歳
後継者がなかなか育たない・・・という悩みを抱えられていたのでした。
そんな中、今からちょうど一年前アニメーターである通称「マロさん」を新人監督として
大抜擢されるのでした。
突然の大抜擢にとまどいをかくせない、「マロさん」
宮崎駿さんは今回ある決意をされていたのでした。
それは映画が完成するまで決して口出しをしない・・・ということ・・・。
マロさんはアニメーターとしては世界でも通用するほどの腕の持ち主であると
宮崎さんも・・・そして仲間も断言されていました。
しかしマロさんは次第に「監督」という名の重圧に日々押し潰されるようになっていくのでした。
ジブリの映画が始まって以来の作業の遅れ・・・
事態はかなり深刻・・・
痛恨のミス・・・
監督が全ての指示をだし、決定していかなければいけない中、
自分の感覚を信じきれない場面も・・・
あまりの重圧と多忙な作業にマロさんはストレスから「手足口病」になってしまうのでした。
目の前でもがき苦しむ弟子・・・窮地に立っている弟子・・・
しかし・・・宮崎駿さんは、ただただそんなマロさんを少し離れた距離からそっと見守ります。
一切の口だしをされません。
その宮崎駿さんの姿を見て・・・てんてんは涙を抑え切れませんでした。
監督の仕事の辛さを一番理解されているのは誰よりも宮崎駿さん自身なのです。
そして・・・もうひとつ・・・てんてんが知らなかったことがありました。
宮崎駿さんが何故・・・今回決して口出ししない・・手助けしない・・・と決められたか・・・。
それは今から17年ほど前、宮崎さんと共に作品作りをされていた後輩の「コンちゃん」と
いう方がいらっしゃいました。
そのコンちゃんもまたアニメーターとしてズバ抜けたセンスと腕の持ち主でした。
宮崎さんは「いつかコンちゃんが監督の作品をつくろうな」と約束されていたのでした。
その作品が・・・まゆっちがジブリ作品の中で１位、2位を争うほどに素晴らしい～と絶賛する
「耳をすませば」でした。
しかし・・・宮崎さんはコンちゃんを監督して抜擢したものの
宮崎さん自身の強いこだわりからたくさんの口出しをしてしまい
相手を追い詰めてしまうことしばしばもあったそうです。
果てに結局は宮崎さん自身が「監督」という立場を乗っ取ってしまう形になったそうです。
「耳をすませば」の公開が終わり、日頃から身体の弱かったコンちゃんは
病魔に侵され47歳という若さで亡くなってしまわれたのでした。
その出来事は宮崎駿さんの心の中に・・今も傷として残っているようでした。
アニメ界の巨匠と呼ばれる宮崎さんの過去にもこんなことがあったんだ・・・
胸が熱くなりました。
話はアリエッティに戻ります。
「36歳」という若さで突然「監督」として大抜擢されたマロさん・・・。
宮崎さんの手助け一切なしで・・・圧倒的な重圧の中、自分の感覚を信じて作り上げた
「借り暮らしのアリエッティ」がとうとう完成しました。
スタッフ達だけの間で行われた完成試写会での様子・・・。
試写が始まる前も、宮崎さんはマロさんに視線させへあわそうとしません。
緊張されるマロさん・・・。
試写の席ではマロさんの真後ろの席に宮崎さんが座ります。
そして・・・映画がはじまりました。
しばらくして・・・宮崎駿さんの右目から・・一粒の涙がゆっくりと頬を伝っていました。
試写会が終わって、宮崎さんが満面の笑みでマロさんに
「よかった・・・」と握手されるシーンはほんとにたまりませんでした。
この一年数々の試練にブチあたりながらもアリエッティを作り上げたマロさん・・・
きっとこれから先・・・・アニメーターとしても・・・監督としても・・・素晴らしい作品を
作り上げていかれるのでしょうね。
ひとつひとつのシーンにこめられたマロさんの想い・・・。
そしてそのマロさんを影ながらそっと見守り・・支え続けた宮崎駿さんの愛・・・。
そんな素晴らしいお２人のプロ魂が・・・愛が・・・
アリエッティの１コマ１コマに宿っているのですね。
まゆっちがアリエッティを観終わった後すぐに言った言葉です。
「まゆかのハートをわしづかみにされた・・。」
一番感動したのが
「絵の描き方」だと・・・。
まゆっちは「なにか」・・を感じていたのですね・・・。
もう一度・・・「借りぐらしのアリエッティ」観たくなってしまいました。
