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8月21日: 火星のダストの嵐(2)

2018年08月21日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

ヨーロッパ宇宙機関のマーズ・エクスプレスの高解像度ステレオカメラは、今年4月に、火星の北極の極冠近くで、フレームの右半分に見られるダストの雲のこの前面を捕えた。それは、特に激しいダストの嵐のシーズンに耐えている赤い惑星の、ここ数ヵ月間に観測された、いくつかのローカルな小規模のダストの嵐の一つであった。5月末には更に大きな嵐が南西に現れ、数週間内に、広域な、惑星を囲むダストの嵐に発達した。これは、太陽からごく僅かな光しか火星の地表に届かないことを意味し、15年を経たNASAのオポチュニティ・ローバーは十分にバッテリを充電して地球を呼ぶことができず、6月中旬から冬眠モードに入った。火星のダストの嵐は、惑星がその楕円軌道に沿って太陽に近づいたときの、南の夏の季節の間に定期的に起きる。この強められた太陽の照明が強い温度のコントラストを生じさせ、結果として生じる空気の動きが大きさ約 0.01 mm 以下のダストの粒を地表から持ち上げる。このイメージに見られるように、火星のダストの嵐は、その激しさと珍しい広域な出来事として非常に印象的であるが、それらは地球上のハリケーンと比較して一般的には弱い。火星の地表は地球の気圧の100分の一未満の非常に低い気圧を持ち、火星の嵐は地球のハリケーンの典型的な風速の半分以下である。現在の嵐はヨーロッパ宇宙機関とNASAの五つの軌道船によって監視されており、NASAのキュリオシティ・ローバーは、その原子力で動くバッテリのおかげで、地上からそれを観測している。このように広域な嵐の理解は、火星への将来の太陽電力のミッションにとって重要になるだろう。

<出典>: 「Space in Images;ヨーロッパ宇宙機関」

<大判>: イメージをクリック。

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