1978年8月8日、亜鉛や鉛の融点より熱い、地球より100倍密度の濃い大気を持つ惑星金星を調査するために、パイオニア金星マルチプローブ宇宙船が打上げられた。パイオニア金星マルチプローブは、主となる宇宙船、大きな探査機、北(North)、昼(Day)、夜(Night)と呼ばれる三つの同一の小さな探査機の、五つの要素から成っていた。カリフォルニアのヒューズ(Hughes)社によって造られ、アトラス-ケンタウルス・ロケットでフロリダのケープ・カナベラル空軍基地から始まったこのプローブ・プロジェクトは、カリフォルニアのシリコン・バレーのNASAのエイムス研究センターによって管理された。七つの実験装置を運び、大気にパラシュートでゆっくりと降下させ、これらの大きな探査機は金星の大気と雲の組成を調査した。この大きな探査機は、更に赤外線と太陽の輻射の分布を測定した。三つの小さな探査機はパラシュートなしで設計され、それぞれが六つの実験装置を運んだ。それぞれの探査機は金星の異なる部分を目標にした。北は北の高緯度に、夜は夜の側の中央南の緯度に、昼は昼の側の中央南の緯度に目標を定めた。主宇宙船は、金星の超高層大気を調査するために設計された更に二つの実験装置を運んでいた。これらの五つの探査機は、大気の組成、循環、エネルギー・バランスについて詳細な情報を集めた。
<出典>: 「NASAの歴史(NASA History)」
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