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<今日のテーマ>: アルテミス1の放射線測定でオリオンの安全性を検証する
NASAのオリオン宇宙船は、宇宙飛行士達を深宇宙で安全に保ち、地球から遠く離れた過酷な環境から宇宙飛行士達を保護するように設計されている。先の無人のアルテミスⅠミッションでは、NASAの研究者達と数人の協力者が、宇宙飛行士への潜在的な放射線被曝を測定するために、オリオンに搭載物(注:人型)を飛行させた。
<図の解説>: 左図はアルテミスⅠミッションで撮られたオリオン居住棟(右側)。右上に月と地球が見える。
オリオンが月を周回する 25.5 日間のミッションの中で、放射線の測定は、オリオン内部で、 5,600 個のパッシブセンサーと34個のアクティブ放射線検出器によって行われ、地球のバン・アレン放射線帯内の被曝に関する重要なデータを提供した。これらの詳細な調査結果は、NASAの宇宙放射線分析グループ、ドイツ宇宙センター(DLR)、欧州宇宙機関の共同研究を通して、最近の科学論文に掲載された。この測定結果では、放射線被曝は、オリオン内の場所によって異なるが、探査機は月面ミッション中に潜在的に危険な放射線レベルから乗組員を保護できることを示している。
宇宙放射線は、長期間の有人宇宙飛行に大きなリスクをもたらす可能性があり、アルテミスⅠミッションの結果は、地球低軌道を超えて月、そして最終的には火星への将来の有人探査に向けた重要な一歩を表している。
NASAの HERA(Hybrid Electronic Radiation Assessor)と Crew Active Dosimeter は、以前に国際宇宙ステーションでテストされたほか、ヨーロッパ宇宙機関の Active Dosimeter もオリオン内部の放射線を測定するために使われた機器の一つである。 HERA の放射線センサーは、太陽フレアなどの放射線の出来事が発生した場合に、クルーが避難する必要があることを警告できる。 Crew Active Dosimeter は、宇宙飛行士の放射線量データをリアルタイムで収集し、地球に送り返して監視することができる。放射線の測定は、宇宙船のさまざまな領域で行われ、それぞれが異なるレベルの遮蔽を提供した。
<図の解説>: この高解像度画像は、アルテミスⅠミッションの初日の飛行中のオリオンクルーモジュールの内部を捉えている。左はムーニキン・カンポス司令官で、科学者達やエンジニア達が、将来のアルテミスミッションのために深宇宙の環境を理解するのに役立つデータを収集するセンサーを装備した、目的を持った乗客(人形)である。
研究者達は、オリオンの設計が月面ミッション中で潜在的に危険な放射線レベルからクルーを保護できることを確認した。宇宙船の放射線遮蔽は効果的だが、特定の環境での宇宙船の向きによっては被ばく範囲は大きく異なる。オリオンが暫定極低温推進ステージのエンジン燃焼中に向きを変えたとき、バン・アレンベルトの放射線の指向性が高いために、放射線レベルはほぼ半分に低下した。
これらの放射線測定は、オリオン宇宙船の放射線リスクを管理するための効果的な戦略を持っていることを示しているが、特に長期の宇宙飛行や宇宙遊泳中の宇宙飛行士の保護については、重要な課題が残っている。
NASAの宇宙放射線リスクを軽減するための長期的な取組みと研究は進行中であり、将来のミッションでの放射線測定は、宇宙船の遮蔽、軌道、および太陽活動に大きく依存する。アルテミスⅠで飛行したのと同じ放射線測定ハードウェアは、オリオン内部で見られる放射線被曝をよりよく理解し、月とその先への宇宙飛行士の安全を確保するために、月を周回する最初の有人アルテミスミッションであるアルテミスⅡをサポートする。
<ひとこと>: 大判はそれぞれのイメージのリンクから。
<出典>: Laura Sorto(著者名です)