
左から 大希(2枚組作品) / 康平 / 理貴 ・ 中3 ・ 油彩
この3人、普段はラグビーに命を賭けているので、当然(いや、たぶん)美術なんてあんまり興味がないはずなのに、何を血迷ったか突然中学生活最後の文化祭に自画像を油絵で出品したくなってしまったという…。
しかもサイズもF15号とかなり大きいのに(ダイキに至っては2枚のキャンバスを組み作品として)、夏休みだけのチケット制でたった12日間で仕上げるという荒業を希望。
オマケに、「できれば賞を取りたい☆」などとほざく始末。
「こりゃ大変なの引き受けちゃったわー!」と最初から覚悟を決めて取り掛かりましたが、本音は「時間も限られているのに、油絵の特質や絵の具の混ぜ方を1から教えなきゃいけないなんて無謀過ぎた!しかも初めての油絵で賞取りたいなんて、こいつら図々しいにも程がある!」でした、ホント。(オバラ心の叫びであって、幸介先生は違ったかもしれません。)
そんな気持ちでスタートした彼らとの付き合いでしたが、元々アトリエ・ミオスは体育会系のノリなので、あっという間に3人の事が大好きに!またこの子達、賢くて瞬発力があるのでなかなか勘も冴えていて、鍛えるのが楽しくなって来ました。
そんなこんなで出来上がった作品。光と影は少々曖昧ですが、一番表現したかったたくましい筋肉・躍動感を、微妙に違う肌の色を何色も作り立体的に塗り重ねることによって強調し、迫力を増す事に成功しました。
中でも顔の表情筋はしつこくねちっこく追い、何度もやり直しましたので、試合中の緊張感がこちらに伝わってくるようです。
得意でなかったものを「やりとげた!」という満足感・充実感は、きっとこれからの彼らの人生にプラスになるでしょう。
ガタイのいい暑苦しい中学生男子3人がチョロチョロ色々なクラスに紛れ込みまして、大人クラスの皆様には鬱陶しい思いをさせたかと思います。いつも社会人の方々から言われる「普段触れ合わない年齢の子と一緒に描くのは刺激になっていい」という言葉に甘えさせて頂き、申し訳ありません。お陰様でこんないい絵になりました。ありがとうございました! オバラ