
和博(中1):DO NOT OPEN / 夏海(中1):未来 / 菜々子(高2):今に見てろ
下段左から ひなた(中3):あせり / 旭(高2)一平(高1)優海(中3)共同作品:ゴミラ
どうも幸介です!今までも何度か市美術展に応募した作品をご紹介しておりましたが、本日は佐藤さん・松尾さんに続き学生クラスで入賞した作品たちをご紹介したいと思います!!
こうして入選した作品を並べてみると、なんだか学生の受賞の傾向が分かってくる気がしませんか!?どの作品も「若さゆえの、隠そうにも隠しきれない溢れ出てしまう悶々とした気持ち」みたいな感情を作品にぶつけると受賞しやすいのかもしれませんね。
ひとつづつ作品を講評していきます。まず上段左端の作品ですが、凄惨な場面を描いた作品ですね。10代などの若い時代はグロテスクであったりエロチシズムであったり、大人が子どもに隠したいと思って隠しているものに興味を持ちますよね。隠す大人も間違っていると思うし、そもそも興味を持つこともいたって正常な成長過程だと思います。臭い物に蓋をしても、やっぱり若者はその蓋を開けます。タブーにしたってどうせ目にしてしまうんです。この作品はそういったものをあえて描くタブーな感じ、若さなどを評価されたのではないでしょうか。
上段真ん中の真っ黒な作品。描いた本人はあっけらかんとしてるかもしれません。気だるく重い気持ちを抱えて、どんよりしてるのかもしれません。その両方を、いったりきたりで大変なのかもしれませんね。全く同じでなくても、大人の皆さんもそんなふうに悩んだりした時期があったのではないでしょうか。そんな誰もが共感できる気持ちを思い出させてくれる、見たくないようで見たい作品。そんな怖いもの見たさ、みたいな部分が評価に繋がったのではないでしょうか。作者は数年後にこの作品を見て、赤面するんじゃないかな。
上段右の作品は、これでもかという前に出てくるエネルギーを感じますね!!見事に優秀賞を受賞!!!最近脂っこいものを胃が受け付けなくなってきた大人には、少々胃もたれする作品ですね。擦れてなくて活気があって負けん気もある。なんだか圧力すら感じます。この作品を見た瞬間「熱血」とか「ド根性」とか「松岡修造」みたいな言葉が頭をよぎりました。『ザ・学生』的な、直球ど真ん中な面が評価されたんだと思います。
下段左の作品。個人的に一番好きですねこの作品。受験生の生徒の作品ですが、タイトルが「あせり」でこの絵ですよ!?あっちこっちに心が移動しながら、やらなきゃいけない重大案件『受験』に追われる状況。あせり、ですね。やっぱタイトルって大事です。地に足がついてなさすぎる印象を受けます。だがそこが良いんですね。上段の三作品とはまた違ったアプローチですが、やはり若さを感じます。タイトルと作品のワンツーコンボで入選です。
最後に下段右の立体作品。制作途中がアトリエの階段下に展示してあったので皆様もご存じですね。この作品を応募する為、市美術展に「グループでの応募は無いんですか!?」と小原先生が数年にもわたって電話しつづけた甲斐がありました!!狙っていたのは最優秀ですが、優秀賞ということで及第点でしょうか。製作期間が長かったのに、台座や尻尾の先などの細部の詰めが甘かったのが最優秀ではない原因ですね。美は細部に宿るんです。そこらへんの詰めだったり他人に見せる事への気遣いだったり、そいういった外見にもっと気が向くようになってほしいですね。彼らには。外見は内面の一番外側、とも言いますし。…ちょっと三人とも、僕にとって生徒の中でも特に密接な関係なので、ついつい叱咤するばかりになってしまいますね…。優秀賞受賞したのに。とにかく今後も気を抜かずに細部まで全力で挑め、と言ってやりたいです!!
ということで、学生の皆には今回の入選・落選を活かして、来年は全員入選!を狙っていきたいと思います!!
田中幸介