モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

広がる情景

2016-09-09 22:11:36 | 大人 油絵・アクリル

 

木村 油彩

大竹です。自然や田んぼとはほぼ無縁の幼少期を過ごしてきましたが、この作品を観ているとなんだか懐かしいような気持ちになってきます。緑の山と茅葺屋根の風景を見て心が落ちくのは日本人の性質なのでしょうか。

こちらは日曜日クラスの木村さんの作品です。場所は岐阜県の白川郷という合掌造りの集落で、世界遺産にも登録されています。調べてみると青空と大自然の緑のコントラストが美しく、また雪が降った時には同じ場所とは思えないほど幻想的な景色に変化するようです。写真を見ながら製作されていましたが、元の写真よりも水面を暗く描かれています。それによって1番見せたい合掌造りの民家とそれが水面に映った姿がすぐ目に入ってきますね。1番気を使って描かれていただけあって、前回よりも描写力がグッと上がっています!最初は思うように色が乗せられず苦労されていた空も明るく仕上がりましたね。画面の多くを占める緑や茶色の中で、民家の窓や茅葺きの屋根の薄い黄土色がアクセントとなっていて魅力的です。遠近感を出したいとおっしゃっていましたが、その為の工夫が随所から見受けられます。水田のパースが手前から奥へとスッと向かっていく構図や、奥の山は空気遠近法を使い青みがかった色での描写、手前の山はふもとに行くにつれ明るくなるようグラデーションを作り、奥の民家の彩度を落としたり…と探せばもっともっとありそうですね。

過去の油彩の作品と比べて見てみますと、今回の作品は画面全体で色がバランスよくまとまっていってますね!色のピースがピタリと合わさったような印象を受けます。過去に書かれた日本画もお上手でしたが、油彩の方もズンズンと上達されていってますね!お忙しいでしょうが、もしお時間がありましたら画材屋さんで新しい色を増やしてみてはいかがでしょうか?セットで販売されている絵の具の他に、自分が一目見て気に入った色を足してみると新たな発見があったり、また色の幅も広がっていくと思います。

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