松岡 水彩
水曜朝クラスの山下です。
夏と思えない雨の連日かと思いきや、また暑さが戻ってきましたね。
今日ご紹介するのは、水彩画です。
作者の松岡さんは、水墨画も習われていて、都美術館にて開催された現水展で受賞した事のある程の腕前です。
私も、初めて作品を目にした時からその実力の高さに圧倒されました。
その描写力の高さは、作品を観る人を納得させる強さがあります。
同時に、松岡さんの作品は現実に存在しているようで、どこか異世界のような幻想的な魅力を感じます。
筆跡のない絵の具の表情、淡く広がる色…そんな表現のこだわりが夢の中のような世界観を見せてくれているようです。
画面上部から降り注ぐ花の鮮やかな色が華やかさを演出すると共に、落ち着いた雰囲気に鞭を打つような強さがあります。
画面には光を感じる白がありますが、こちらは白絵の具ではなく紙の白。
紙の白色は白絵の具より、何よりも明るい色なんです。
紙の色を完全に潰さず、画面が絵の具で密閉されていないので観ていてとても心地良いですね。
透明水彩というのは、水で薄く溶いた絵の具を何層にも重ねて重圧的な表情を創る、お手軽だけど修正の難しい画材です。
その為どのように描き進めるか、計画的な創作が重要となりますが、松岡さんはどこにどの位の暗さをつくるか、絵の具の鮮やかさはどの程度にするか等、常に思考を巡らせながら制作を進められていました。
こちらの作品も何ヶ月もかけて制作されていましたが、そんな1つの作品に対するまっすぐで熱心な姿勢、私も見習わなくてはなと思います!