オバラです。ジャーン!日本画の岩絵具です。綺麗でしょ!?なんと、これでも1/3の岩絵具なんです。つまり写真に写っていない砂状の岩絵具が、まだ3倍もアトリエにはあります。
岩絵具は宝石のような石を細かく砕いているものもある為、1両目(15g)で1,000円もする高価なものもあります。アトリエにあるだけで10万円分以上はあるでしょうね。
子ども達に「え!そんなに高いの!ノリ先生お金持ちなの?」と言われました。「みんなのお父さんとお母さんから材料費でもらっていまーす!」といつもなら返答するのですが、今回は25周年記念お月謝・材料費無料期間にやってしまったので、4号パネルと和紙だけで700円もしてしまい足が出まくり。小学生は95人在籍しているので、筆も200本買いました。絵皿も30枚買い足しました。ノリ先生太っ腹!
では、日本画制作の様子をご紹介。
① パネルに和紙を水貼りする(エッジは水貼りテープではなく、ヤマト糊で貼る)
② 赤の水干(泥絵具)を乳鉢で砕き、ウサギのおしっこのような匂いのする鹿膠を温め溶かしたものを注ぎ、指で混ぜたら塗る
③ すぐに黒い絵の具を塗りたいので、ドライヤーで乾かす
④ 黒の水干を(以下省略)
⑤ 黒を乾かしている間に、別の紙に下描きをする(今回のテーマは夜空の花鳥風月)
⑥ 念紙という、日本画用の水色のカーボン紙で下絵を写す
⑦ 黒い下塗りなので、水色の線が見辛い子は、鉛筆でもう一度描き起こす
⑧ 月の部分を黄色、月明りは好きな色で塗る(下の絵の月明りの美しい事!君たちには月の光がこう見えているんだね!?なんて素敵なんだろう!)
⑨ 月が乾いたら、月の黄色の部分だけ、もう一度膠を糊代わりに塗る
⑩ 膠が乾かぬ内に、金箔か銀箔を貼る(金箔はこれまた高いので、息をすることを禁じて、吹き飛ばさぬよう慎重に割り箸で作業する)
金箔がはがれてしまった部分は、パールゴールドという粒子の細かい岩絵具で埋めていく
⑪ 使いたい岩絵具に膠を混ぜては描き、色がなくなっては作る(基本的に混色は不可能。その為に何百色もの岩絵具が存在する)
⑫ 岩絵具は石なので、濡れている時と乾いている時で色が大違い(乾くと予想よりはるかに白っぽくなる)時々ドライヤーで乾かし、イメージ通りに色が塗れているか確かめる
という手順で出来上がります。
チューブから色が出て来る水彩絵具や油絵具の楽な事と言ったら!色を作る(膠で溶く)のがとても面倒な日本画。金箔も薄くてすぐに吹き飛んでしまって、わざとじゃないのに「無駄遣いすんな!」と激怒され、筆を洗っては「まだ岩絵具ついてる筆は洗うな!使い切れ!」とドケチ発言で困惑、もの凄く大変だったよね。
良い絵ができれば結果オーライ!持って帰った絵は、あまりに素晴らしくて家族みんなに驚かれたでしょ?だからノリ先生が怒鳴りまくったり、往復ビンタしてたことは、お母さんには絶対内緒だよ!