麻場 油彩
皆さんお元気ですか岩田です。
今週は、土曜日午前クラス在籍の麻場さんの作品をご紹介致します。
以前から度々麻場さんの作品をご紹介していますが、実に丁寧に毎回工夫をしながら着々と腕をあげています。 麻場さんの前回の作品はこちら
今回はお孫さんを主役におき、水と森のある風景を題材に選んだことで、ご自身の思い入れもさぞ深かっただろうと推測されますが、深みのある色彩に加え奥へと続く歩道も実験的なマチエールを駆使し表現されています。又、そこに投影された陰影の美しさは印象派を起想させるがごとくで、ペールトーン域に統一された表現は、無数の色を対比させることで陰の中の光を感じさせます。
水面に投影された光の反射も、暗部から徐々に明るいパートへと移行する色同士が美しく重なり合っているのが分かるでしょう。
画面の中に駄色といったものが見当たらないのは、惰性で筆をおいていないという証でもあります。
良い絵というのは、絵を見ている鑑賞者が画面の中の世界にどんどん引き込まれ、時間感覚すら無くしてしまうような作品を言うのでしょう。描かれている場所とは違う次元にいるはずなのに、時空を超えその場の空気感や匂いといったものを感じ取れる。今回の麻場さんの作品はまさにそうした作品でありました。