璃久 / 愛菜 共に中2 油彩
ナツメです。昨日に引き続き、木曜学生クラスから2人の油絵をご紹介します!
璃久は北海道旅行での猛吹雪、先に歩く白いスキーウエアーの弟がだんだん見えなくなっていく様子の写真を見ながら制作しました。夜の雪ということで色味が少なくモノクロに近い画面ですが、雪の影一つをとっても水色や茶色など変化をつけて色を置きました。地面と街路樹、そして雪かきで集められた雪の山と、厚みや密度の違う雪の積もり方が一目瞭然です。所々に使われた街灯や看板の暖色も、アクセントとして画面の中の寒さを強調しています。また、手前の街頭は暗くはっきりと、奥に行くに従いぼんやりとさせることで吹雪の視界の悪さの中の奥行きまで感じられますね。実際に歩いた時の空気感を追いかけ、見事に表現できています。
歴女(城マニア)の愛菜は、王道の富士山。神秘的で、荘厳で、繊細で、静かです。夜明けのなんとも言えない空の色の移り変わりも非常によく描けていますね。画面中央に堂々と大きく富士山を配置しながらもその周囲に時間をかけたのは、この富士山を取り巻く景色の方に魅力を感じたためでしょう。富士山がほとんど白とコバルトブルーの2色で塗っているのに対して、空や水面の反射は思わず近寄って見たくなるほど色彩豊かに描かれています。また、空を点描で描き、水鏡の反射は絵の具を伸ばして置くことで色だけではなく質感の差からもアプローチをすることで実像から虚像(映り込み)への視線誘導もバッチリです。
どちらの絵も何を魅力に感じたのか、何を表現したいののか意図をもって描いたのがよく伝わってきます!絵はフィクションなので右から左へと写真を描きおこすのではなく、伝いたい点や完成形をイメージすることで、より魅力的な作品になったのでしょう。