置田 油彩
休みの日はいつにも増して布団から出られないマユカです!
本日は置田さんの作品をご紹介していきたいと思います。
前回1枚目の油絵からの成長が著しい2枚目の作品は、力強いまなざしをこちらに向ける男女。レコードジャケット?を見ながら描きましたが、そのままではなく、省いた部分やトリミングした場所(本当は二人の顔がきちんと入っていました)も多々あります。男性を思い切って見切ったことより、女性の顔が際立ち、強い光(白やペールトーンの色)を描かずとも影の濃さで、西洋の凹凸の多い顔が立体的に表現されました。女性のキッと見据えるような鋭い視線に、視線が吸い込まれていくようです。奥にいる男性も、身体が影で覆われるほど顔だけに強い光が当たっているように描かれているため、ホリの深さや鋭く力強いまなざしが強調されて見えてきます。
背景は黒のみではなく青緑をほのかに感じる色が混ざっており、単色には見えないところが素晴らしいですね。単色の背景はポスターのようになって圧迫感が出ることも多いのですが、置田さんの乗せた黒は手を差し込んで奥へ伸ばせそうな奥行きを感じます。シンプル故にメインの人物が引き立てられるような背景で、厚塗りによるリアルなタッチが際立ち、作品の魅力を更に増しているように思います。
写真と絵では、構図の作り方は似ているものの、色味や雰囲気といったものは、写真そのままに描き写すことがかなり難しく、色味や形にちょっとした差が必ず生まれてしまうものです。その差が温かみや奥行きを感じる深みのある雰囲気に繋がるのですが、全く同じような色を使うだけでは表現しきれないのが絵の難しい所ですね。意図して鮮やかな色を入れたり、反射光を作るなどすることで雰囲気を統一したり、ごちゃっとして見せないようにあえて省いたりと、全体の写真から絵に描きおこす為に、よりカッコいい・美しい・見栄えがする構成の絵作りが必要になってくるのです。