植松 油彩
目まぐるしい寒暖差に風邪をひきそうです、ナツメです。今回は日曜大人クラスの植松さんの作品を二つご紹介します!
まずは左の作品から。広大な草原には辺り一面に雪が積もっており、厚い雲が空に立ち込めています。草原にぽつんと一軒屋が佇む光景はまるで絵本のワンシーンのようにも感じられます。無彩色の白と灰色をメインに使い、葉の緑と木々の茶色以外には有彩色をほとんど使用せず画面全体の色数を絞ることで冬の閑散とした雰囲気が伝わってきます。遠景なので木々の一つ一つは小さく写っていますが、遠くの枝などの細部まで丁寧に描かれているため、しっかり見応えもあります。雲の表現も素晴らしいですね!明暗の差で強い遠近感を出すだけでなく、無彩色で濃淡の他に所々で青や紫を乗せたり差し色としてアクセントに黄色を入れることで色の重なりがより絶妙な加減になっていますね。曇天が多い冬ですが、この後雲が引いて青空に変わっていくのではないかという予感がします。
そして右は日没のサバンナ。先程の作品とは対照的に鮮やかな暖色を多く使い、太陽の光とシルエットのコントラストも強く描かれています。沈みゆく太陽により大地が明るくなっている部分を幾度も調節されていました。大地の色をただ明るくして塗れば良いというわけではなく、太陽の影響を受け、明るいながらも赤みがかった色になっている難しい箇所なのですが、試行錯誤を重ねられた末に色思わず目を細めてしまうほどの眩しさを感じさせる作品になりました。手前をほとんどシルエットで描いたため暮れていく空の色の変化が印象的です。
どちらも自然の雄大さやその場の雰囲気がひしひしと伝わってくる作品になりました。これだけの差があるので並べてみるとよりお互いの絵の良さが引き立って見えますね。植松さんは今までも各地の風景を描いて来られましたが、それらも一度並べて拝見してみたい!という興味が湧いてきます。