明美 中3 油彩
大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、明美の油彩作品です。森からの恵みのシャワーのような木洩れ日を、両の掌に受け止めています。題材や色の選び方に美的センスを感じますね。元はお母さんが撮ってくれた写真だそうです。
光を受ける掌以外は全て緑という思い切った色作りが目を見張ります。実は写真も手の影の部分まで緑でしたが、普通だったら肌の色(影なのでこげ茶など)で塗ってしまいそうな所を、森と同じ色で合わせているのでドキッとします。
一面の緑も見ていて飽きないほど様々な色合いを持っています。暗い色の中に瑞々しい葉っぱが生い茂り、光を受けた葉は青く輝いているようです。森の冷たい空気が画面からも感じられ、木漏れ日を受ける掌の暖かさと対比になっているのでしょう。光を受ける掌の透明感も美しいですね。
強いて言うなら、真ん中の葉っぱの形が少し単調であり、薄さも感じられ難くなっています。掌の形がすごく上手いので、葉っぱの光が透けるような薄さや、葉脈や捲れた形なども細かく追っていけると良いでしょう。
匂いや温度、湿度といった目に見えないものを絵で表す事は困難ですが、明美はそれらを捉えるセンスを持っていると思います。是非そのセンスを磨き研ぎ澄ましていきながら、キャンバスに向かっていって下さい。