木附 油彩
岩田です。今回は、木附さんの作品をご紹介します。
こちら、おうちの大切なワンちゃんを描きました。もうぱっと見、その愛情がストレートに伝わってくるというものです。
こちらは、ウエストハイランドホワイトテリアという真っ白で毛足が長い犬種ですが、そのフワッとした質感を丁寧に追って、見事に描いています。
といっても木附さんは、今回が油彩を描くのが初めて。
時間はそれなりにかかったものの、最初からここまで描き切るのは、大変なことだったと思います。本当に頑張りました。白い毛が幾重にも重なって奥行をなしていて、内側が陰になり、表層に近づくに従って光を受けて明るくなる。陰の色も微妙な差異を作りながら、暗くなり過ぎず、実に丁度良い色を置いたものだと感心してしまいます。
ここまで描く力があれば、これからは、主役と背景の関係に主眼を置いてみると良いでしょう。
芝生を見ると、こちらも緻密に描写がなされています。やもすると主役のワンちゃんを脇役が食ってしまうほど、丁寧に描いてるのですが、彩度という面でも、写真を参考にしつつ、でもその通りではなく、脇役が立ちすぎてしまわないように配慮できると更に絵が見やすくなっていきます。とは言え、日本画家の田中一村の絵を見た時に、縦長の画面の一番下にある砂浜を画面中央にある主役の棕櫚の葉より、びっしり緻密に描いていたのには、驚きました!
そんな感じで、確かに絵には決まったルールなんてものは、無いといって良いのですが、前述したような所謂アカデミックな描き方が出来れば、それが土台となり、様々に応用が利くと思って頂くと気楽ですね。