松下 油彩
暑すぎて布団をかけずに寝ています、ナツメです。今でこの始末では8月が思いやられます。さて、今回は日曜大人クラスの松下さんの油絵をご紹介します!松下さんは、小学生クラスに息子さん(左のしゃがんでいる男の子)も通わせてくれています。
ご兄妹が仲良く窓ガラスを掃除する様子を描かれました。日差しの強さや情景から、雨具を干したり掃除をするには絶好の日和だったことがわかりますね。雨によって大気中のちりやごみが落とされ、思わず深呼吸したくなる清々しい空気感までもが伝わってきます。まだ日も高く、室内の電気をつけずに太陽光だけで過ごしているという描写には、朝から昼にかけての掃除した時間の経過が想起されますね。外から差し込む光によって2人のシルエットが際立ち作品のシチュエーションがよりリアルに感じられ、その瞬間に立ち会っているような錯覚を覚えます。
前後の関係にも奥行きを持たせるために、室内、ベランダ、道路、そして向かいにある奥の家との対比に明暗の差を巧みに活用しています。手前の彩度を抑え、雨具から黄色い壁、空には補色対比を使用するなど、色彩の使い方も素晴らしい!ほとんどパースのついていない構図だったので距離感を表すことに試行錯誤されていましたが、色彩によって奥へと目線を誘導することに成功しました。
家族の絵画では主に人物に焦点を当てる傾向がありますが、松下さんは子どもたちにフォーカスを当てつつも、画面全体の雰囲気を意識を意識されていました。周囲の環境や背景にも繊細な配慮がなされており、絵の前に立つ鑑賞者も同じ室内にいるかのように感じます。以前の油絵でもご家族を描かれていましたが、全く違ったアプローチによって作風の幅が大きく広がりましたね。次の作品にも期待が高まります!