渥美 油彩
大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、渥美さんの油彩作品です。
親戚のお嬢さんの写真を元に描かれています。沈んでいく太陽へ跳ねるように駆けていく背中がとても可愛らしいですね。その姿からは、微笑ましさと共にこの写真を撮った親御さんの愛情と、それらを描いた渥美さんの暖かさを感じます。彼女を見守る人々の眼差しに、この作品を通じて我々鑑賞者の眼が重なるのでしょう。
子供の頃の夕暮れとは1日の終わり、遊ぶ時間は終わり家に帰らなくてはいけないという淋しさを感じさせるものでした。この子も恐らく海で楽しい時間を過ごしたのでしょう。その楽しい時間の終わりを惜しみ、待って待ってと太陽を追いかけている様にも見えてきます。
冬の夕陽に照らされた海の煌めきは、ダンマル樹脂という艶の強いオイルを使用しています。冷たい冬の海らしい表情が、夕焼けの暖色との対比にもなっているようです。陽が沈みかけた薄暗い砂浜の色味も美しいですね。黄土色と緑を上手く使い、湿った柔らかい砂の質感を見事に表現されています。空の色も同様の色を使う事で、主役の夕陽とお嬢さんがより引き立つ様にしているのでしょう。
こちらはプレゼントされるそうで、その為にF4号(333×242mm)サイズで描かれました。油絵の場合、額に入れると大きくなるので、飾る場所を考えるとこの位のサイズが丁度良さそうですが、もっと大きなサイズで見てみたい…という欲も出てきてしまいますね。笑