出町 木版画(一版多色刷り)
今、父方の祖父母の家に来ている一平です!
本日は日曜日クラスの出町さんの木版画をご紹介します。
般若の青白く恐ろしい形相が、背景の鮮やかな色合いと面白いマッチングを見せてくれています。全体的にくすんだ感じが逆に絵の雰囲気をより強く醸し出していて怖いけれどもっと見たくなる、とても面白い作品です。
原版となるものは同じなので一見同じ絵が並んでいるように見えますが、こちらは膨大なトライ&エラーの繰り返し!よくみると色が鮮やかなものや、顔のほりが深いもの、背景が鮮やかなものなど様々なパターンがあります。
「正直、どれも似たようなものじゃないの…?」と思った方、違うんです。一回刷って「なんか違う…もしかしてこうか?」と考えていく事がとても重要なのです。たとえ1番最初に刷ったものと100枚目にようやく出せたこだわりの1枚が最初のものと全く一緒だったとしても色々試した98枚は全く無駄ではありません。それは自分の答えに近づくための98枚であり、これからの自分の作品へのどこで筆を止めるべきか、ここにどんな色を使えば映えるのか、など判断基準を作ってくれます。そういう意味で出町さんのこの様々なパターンは今回だけでなく、これからも活かされていくでしょう!
なので頭で考え過ぎるのではなく、ある程度のところでとりあえず手を動かしてみる、という事はとても必要だと思います。
絵を描く人にとっては手の方が脳みそに近いでしょうしね!