中山 左-色鉛筆 / 右-透明水彩
岩田です。今回は、中山さんの作品をご紹介します。
最初のデッサンを一通り終え、さて次から何をしましょうとなって、以前からやりたいと思っていた人物を描くことにチャレンジをし始めました。
初回は、左手の色鉛筆を使った作品。ファッションモデルをモチーフに、あっという間に描き上げました。
その前に描いていたデッサンを見ていても、躊躇なく手が進み、形の狂いなどもさほどなく、スイスイと描き進めるタイプの方と認識していましたが、色鉛筆になると、更に細部へのアプローチも見られ、鉛筆以外の描画材を柔軟に使いこなす器用さも持ち合わせていると感じます。
右手の透明水彩の作品に関しても同様、積極的に明度の低い色や鮮やかな色を置き、初めてながら実に楽しんで描いているのが見て取れます。
特にここ最近土曜日のクラスでは、人物を描けるようになりたいというニーズが多いような気がしています。確かに静物や風景と比べても、同じ人間として思い入れを感じやすく、描いていて面白いモチーフだと思いますが、それだけに、ちょっとした構造的なバランスの違いにすら、鑑賞者側に立つと気になってしまうものです。
人物や生き物に関してはもちろんのこと、モノを描く上では、目に見える外側だけでなく、目に見えない内部への意識、部分だけでなく、大きく全体を捉える意識といった、双方向への見方が大事になってきます。
中山さんも是非これから、構造、特に人物を作り上げる土台となっている「骨格」がどのようなものなのか、ということにアプローチしながら、更にリアリティのある人物画を描いていって欲しいです。