今回はパース画のはなし。 (南澤)
建築をほとんどの生業としている自分でありますが、実は建築なんて習った事もなければ、今だによく解っておりません。高校では数学なんて零点ばかりでしたし、なんと図面すらマトモに引けません。ただ、絵だけは昔から好きでした。こんなカンジのモノや世界があったらナーなどと、妄想しながら絵を描くのが大好きでした。気がつけばそれが現在の仕事になっているワケですが、やっている内容といえば、相も変わらず絵を描いているワケです。その絵というのが、今回の授業である、パース画といわれる絵であります。
パース画には、どうやら1点から3点までの透視図法という画法があるのですが、図法に正確な絵というものが、自分には妙に気持ちの悪い絵に見えて、いつも途中で歪ませたり誇張したりし始めてしまうのでありますから、「先生、今回はお得意の透視図法の授業ですから、張切ってお願いしますよ」などと期待された日には、後ろめたいことこの上ないのであります。

とは言うものの、東アジア屈指のアカデミックな美術教養指導をうたう、我がアトリエミオスでありますから、正確な2点透視図法のひとつも教えない訳にはいきません。澄ました顔で生徒の間違いを正してゆきますが、夢中になって描きこむ子供たちの絵には、僕が長い時間をかけて辿りついた奥義である、感情の噴出による形の歪みや誇張が、いつのまにやら表現されているではありませんか!ああ、もう、サンタマリア!
(タイトルと内容は関係ありません)