YOSHIMI 2025年/合格再現作品
神奈川県立白山高等学校美術科に合格したYOSHIMI、昨年11月を過ぎてから駆け込みで当校に入会しました。神奈川の公立高校の入試は2月14日「お、遅すぎる…」という言葉がつい出てしまいました。それまで他の教室でデッサンを描いていた人ならいざ知らず(美術部はあまり意味がないです。絵画教室や絵の予備校がない地方の中学にたまにいる、プライベートを犠牲にして美術教育に身を捧げている教師に指導してもらっているなら別)、3ヶ月しか準備期間がないのは普通に考えて厳しいのが現実。「美術なめんなよ!」です。
それでも冬休みもミオスの講習に通い、彼女なりに一生懸命頑張ってきましたが、1月23日最後の志望校登録で『川総デザイン科』からランクを落とし、『白山美術科』に変更しました。
しかしその時の言葉が素晴らしく「自分の学習面と精神面を考えた結果の結論です。ここまでデッサンを通した生き方や心構えなど、大切な事を熱心に教えて頂いたのに、不甲斐なく申し訳ない気持ちです。でも気持ちを切り替えて、最後まであきらめず白山合格を目指します。」というものでした。
元々真面目で『言われたアドバイスは1つも聞き逃すノートに書き留める』という姿勢で授業を受けていましたが、最後の方には「なぜその構図にしたのか?」という質問にも的確に答えられるような、考える力がつきました。
一番上の合格再現作品は、合否発表前に描いてもらいましたが、「問題に『箱を細部まで良く観察した後、構成せよ』と書かれていました。よく見たら箱の構造が『地獄底』だったんです。これは底を描けという意味だと思い、見えるように配置しました。最後に絵を回収される前、周りを見回したら誰も底を描いていなかったので『みんな分かっていないな』と思いました。」なんて生意気なことを言うではありませんか!
時々辛くてポロっと涙をこぼすこともあったYOSHIMIが、よくここまで自分に自信を持てるようになったなと感動しました。合格を頂いた後は「私の絵は90点だったんですが、何が10点足りなかったんでしょうか?」と、聞いてくるほどたくましく!「YOSHIMIいつも四角が逆パースになっちゃうんだよ。箱はいいけど、台紙の形がおかしいじゃん!しかもこれ再現作品で気持ちに余裕がある時描いても狂ってるってことは、本番はもっと狂ってた可能性もあるよ?紙コップの楕円もいびつだしね。」と言うと、「まだまだ未熟でした。」としょんぼり。
いいんだよ、まだ成長できることが残っている方が、楽しみが多いんだから。
話は全く変わりますが、子どもの頃、家族旅行で泊まる旅館を決める時「高級旅館の一番安い部屋しか空いてなければ、ランク落とした旅館で最上級のコースを予約しろ。その方が良いサービスを受けられるし、泊まっている最中に惨めな気持ちにならない。」とよく父が言っていました。色々な考え方がありますが、ようは何が自分らしく幸せを感じられるか、が大事ですよね。それを考え一人で結論を出したこと、それが一番素晴らしいと思います。これからの成長が楽しみです。