モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

絵を描いていく中で

2008-08-16 20:01:10 | スタッフ講師
お久しぶりです、赤尾です。
これが掲載される頃には私は上海に滞在している予定です。
また何かお土産を持って行くので楽しみにしていてくださいね。

今回は絵画教室のみなさんに伝えたいことがテーマです。
私自身まだまだ先生の勉強中で、もっとみなさんにうまく伝えられたらとモヤモヤすることばかりです。
ただ絵を描くのは好きでしたので、その勉強を通して私が学んだこと、みなさんにも感じてもらいたいことを書こうと思います。


私は美術の授業だけは小学校の頃から好きでしたが、それ以外の科目は退屈でテストの点数も余り良くありませんでした。
おそらく美大に通っている人は、私の様に勉強が嫌だから美術を選んだような人が結構な割合を占めていると思います。

ですが大学に入るとほとんどの学科の授業が美術と関係する内容だったので、美術史や哲学、心理学、宗教学など色々な授業が興味深い内容で、ワクワクしながら講義を受けることができました。(まあ、たまにはすぐに眠くなってしまう授業もありますが・・・)
そして美術とその他の分野との関わりを知って行く中で、もっと歴史を勉強すればよかった、理系の勉強も絵を描く上で必要だったんだ!とやっと気づくことができました。とても遅い発見でしたが、ぼちぼち興味ある分野の本を読んだりして勉強しています。
私の場合美術がきっかけで色々な学びに興味を持つことができましたが、ミオスの生徒さんはみんなそれぞれ得意な分野や好きなものがあると思います。
勉強に限らなくても、それぞれの経験で養ったもの、たとえば好きな本、映画、漫画、音楽・・・なんでも自分の好きなものを知っておくことは何かを表現する上で本当に役に立ちます。
自分の好きなものを表現することが、一番筆が進んでこだわりを持てるからです。

絵を描くとき、まず自分が見たいもの、描きたいものをどう表現するか考えますよね。
そしてどんな構図、技法でそれを表現するか悩んだり、今一番興味を持っていることは何なのか、自分を分析しながら絵を描くとき、今まで養った美術やそれ以外の知識について、また自分の好きなものについてよく知っておくことはとても重要です。

学生の皆さんは学校の勉強もしっかりしつつ、自分の好きな作品や広告など、なんでもファイルしたり、スクラップしてみてください。
とくに美術系の道を目指す子は受験中はもちろん、終わって進学してからもそれが凄く役立つでしょう。
大人クラスの方々はできている方が多いと思いますが、今まで積み上げてきたものを踏まえながら絵を描き、描きながら興味が出てきたものを貪欲に調べて糧にしほしい、と思います。
学生クラスの子にもおすすめした好きな作品のスクラップ帳を作ったり、今までの自分の作品をプリントしてファイルするのも新しい発見があって楽しいですよ。

とても長くなってしまいましたが、まとめると色々なことに興味を持って知識をつけることが、絵を描く上でとっても役に立つので色々趣味を見つけて勉強してみてくださいね!ということが言いたかったのです。
私の場合旅行はかなり娯楽もありますが、実際訪れることでその場所を好きになり、そこに由来する色々なものに興味がでてきます。
なので旅行もひとつの素晴らしい経験だと思いますよ。
帰国したらまたお話しましょうね!

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多くの作品を見ること

2008-08-15 19:08:57 | スタッフ講師
Photo
フルーツタルト 水彩 3h

みなさんこんにちは!今日は私、千野紗織が書かせていただきます。
載せてある作品は、最近描いたタルトの絵です。雑誌に載っていたのがとても美味しそうだったので衝動的に描きました♪(下の記事とは無関係ですが、絵がないと寂しいので載せてみました。)

私が伝えたいことは、多くのもの(作品や自然)を見て欲しい!!ということです。アトリエでも毎年春に遠足に行って、芸術作品を鑑賞しますが、それ以外でも、せっかくの夏休み、美術館でも様々なイベントがやっていますので、ぜひ行ってみて欲しいですね。(そして美術館は涼しくて快適ですよ♪)
「絵を描く、ものを作る」ということは、自分の感じたこと、思ったことを外に出すという作業。
この時、自分の中に伝えたい感情、こんな風にしたいというビジョンが無ければ、なかなかうまく描くことができません。つまり、自分の中に何も無ければ、外に出すものがない。=表現できない ということにつながってしまうんだと思います。大人でも子どもでも、沢山の作品を見て、感動したり、こんな風に描きたいなぁ!と感じたりすることは、作品をつくるにあたってとても大切なことです。
別に美術館でなくても、真っ赤な夕焼けを見たり、本を読んだり、美味しいものを食べたり、と感動することであれば、どんな経験でも良いのですが、「美術館」というと、堅苦しくて、なかなか近付き難い・・・・なんてイメ?ジがついてしまいがちなので、もっともっと美術館に行って、「美術館っておもしろい」ということを肌で感じて欲しいなぁと私は思っています!美術館といっても、様々な種類の美術館があるので調べてみるとまた面白いですよ。

秋にはミオスの生徒作品展もあります。他のクラスの生徒さんの作品を見れる大チャンスなのでぜひぜひ足を運んで見てください。私もミオスの作品展は初の参加なので、今からどのような作品が飾られてゆくのかとても楽しみにしています!

まだまだ暑い日が続きますが、体調に気をつけ、残りの夏も楽しみましょう!


ちのさおり

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こどもの絵はメッセージ

2008-08-14 20:31:46 | スタッフ講師
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今年になって幼児クラスでは、年齢の小さいお子さんが見学にいらしたり入会する事が多くなり、3歳くらいのお子さんのお母様方からよく心配そうな声を聞きます。「同じ色のクレヨンばかり使うのですが・・・」「なぐり描きでどんどん重ねて描いてしまうので汚くなってしまいます」「絵の具や糊を手につけて遊んでしまいます」「いつ頃になったら人の形が描けるようになりますか」などなど、大人の目から見て何かの形に見えるような作品ができるまでは不安がつきないようですね。

でも、このいわゆるなぐりがきの時期や丸や線で表現する時こそ、幼児期のスタートラインとしてとっても大事だと思っています。絵にも発達の段階があって、さらに個人差もあるので、この時期をゆっくりと受け止めてあげてほしいです。

たとえば、絵画とクレヨンを食事とスプーンに置き換えて考えて、こどもが一人で食事ができるようになるまでの過程を思い起こせば納得できるかもしれません。スプーンを持たせても、ごはんを手づかみでぐちゃぐちゃにしたり、お茶を指で机にこすりつけびしょびしょにしたり・・・。しかもとても夢中になって真剣にやってますよね。つい、大人は怒ってしまうようなこの行為こそこどもの楽しみであって、手に感じた感触や物の変化が面白いのです。
そんな過程を経て次第に上手にご飯が食べられるようになっていく。クレヨンや様々な素材の感触を楽しむことからスタートして、その後なぐり描きの中にもよく見るといくつか丸が描ける様になってきたり、きれいな丸が描ける様になると丸と丸を組み合わせたり、丸と線で人を表現したり・・・・と絵の表現方法が変わってくるのです。このプロセスを飛ばさずに、ひとつひとつを楽しんでこども自身が納得していくことが大切だと思います。

このゆっくりとした段階をあせらずにその子のペースで思う存分描かせてあげて、ご家庭でもたくさん褒めてあげましょう。思い切り描いた経験のある子は、きっと自分の描きたいものをしっかりと描けるようになります。私は幼児クラスでは、こども達が頑張った過程やこだわった事、面白いアイデアなどを見逃さないように、見つけたらたくさん声をかけるようにしています。こども一人ひとり違う心のメッセージが作品に現れた時、一緒に共感できることは私にとっても非常にうれしいことです。

心も体も成長して、こどもの言葉が豊富な時期になってくると、絵の表現も随分変わってきます。
自分が見た事、経験した事を自ら「描きたい!」と思うようになってきます。
画用紙いっぱいに丸ばかり描いて、「これはお母さん」「こっちはりんご!」などと、一見どれも同じに見えるけど描いた本人にとってはひとつひとつ違うようですね。もしかしたら、その都度思いついたものを言ってるだけかもしれないし、隣り合う物同士関係のないものだったりするかもしれない。この「描けたよ!」というこどもの喜びが受け止められると、次の描きたいという気持ちにつながりどんどん絵が好きな子になります。

ある女の子は、画面の同じ場所に重ねて違う絵を描く時期がありました。よく話を聞くと、重ねて描く絵がちゃんと物語になっていました。仕上がりは色が重なって少々濁ったようになってしまったけれど、そこには描いた子の気持ちがたくさん詰まっていました。そんな時期が懐かしく、今では自分が描きたいものをひとつひとつ描けるようになりました。

工作でボンドを使う時、まるで手にクリームを塗っているかのように手がボンドだらけでその感触をひたすら楽しんでいるお子さんがいますが、きっと工作好きになりますよ!そういえば先週絵の具でスタンプした時、誰よりも手や足に絵の具がべったりついていましたっけ?!今後の作品が楽しみですね。

今日はものづくりのスタートラインに立ったお子さんの話が中心となりましたが、年長さんくらいになると、自分や家族といった人物がしっかりと描けるようになったり、物と物の大きさ関係を理解したり、また自分をとりまく周囲の環境まで表現できるようになってきます。(この時期の話はまた別の機会に・・・。)
こども達の絵を見ていると不思議とその子の気持ちを感じる事があります。絵を描きながら自分の世界をつくり、そこからイメージをどんどん広げていく力を持っています。工作だって同じです。このパワーが存分に発揮できるように、ものづくりの楽しさを知る第一歩を大事にしていきましょう!  伊藤



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教える仕事に教わること

2008-08-13 03:11:00 | スタッフ講師
08814_4みなさまこんにちは。
お盆リレーブログ、今日はいしやまが書かせていただきます。

私がミオスでお仕事させていただくようになり、半年以上が過ぎました。
それまでは、自分の鍛錬や制作をする意識の中に、その知識・技術を教えるという概念は全くありませんでした。このご縁がなければ、今後も私はひとに何かを教えるという職業を経験することはなかったかもしれません。

当初の小学生クラスを始めたころ、やっていたカリキュラムは鉛筆で下書きする自画像でした。まず驚き感動したことは、そこには大学時代や、作家として制作をはじめたまわりの友人や自分の中には長いこと目にできなかった、「作意しては決してできない線」がたくさんうまれていたことです。
以前のブログで幼児の能力の等価交換の話が出ていましたが、本当にその通りで、空間を認識できるようになり、対象を言葉で置き換えてしまえるようになり、そしてデッサンを身につけ。大人になった私たちが描けなくなった線でした。(さらにそれを超えて、今度は幼児期の無意識さえ再び自分のものとして作品にしたのがミロの線やピカソの世界ではないでしょうか)

しかしさらに現在。そういった生徒さんたちの作品に新しく見いだせる発見とは別に、ささやかでも嬉しく感じていることがあります。

担当している小学生の高学年の生徒が、さりげなく低学年の子に順番を譲っていたり。自分の世界に入っていても、隣の忘れものをしてしまった子に自然に自分の絵の具を渡してあげたり。
とてもささやかなことですが、それでもあたたかい気持ちになり、その子たちと一緒に多少なりとも時間を過ごしてこれたことに感謝したくなる瞬間となっています。(そしてそれを垣間みることができるのも、たくさんの保護者の方や先生方のお陰です)

こうしてアトリエでたくさんのことを発見させていただける分も、お返し以上に、さらにみなさんの作品が良いものになっていくよう、また素敵な発見をしていただけるようなお手伝いをしていきたいと思っております。そして一緒にまだ見た事のないご自分の表現や感覚を見つけていただければ、これ幸いです!!

いしやま

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わたしの思うこと。

2008-08-12 18:41:21 | スタッフ講師
Sa2a00132Sa2a0012(←写真は私が中学1年の時に初めて描いたセザンヌの模写と、当時マイブームだった浮世絵から葛飾北斎の富嶽三十六景に影響されてできあがった文化祭のポスターです。作品がこんなものしかなくてスミマセンっ。)

私もアトリエスタッフとして日々"思うこと"をお話したいと思います…
アトリエのスタッフとして働かせていただく様になってからもうかなりの年月がたちました。
今まで作家活動の合間にいろいろな仕事をしてきた私ですが、アトリエの仕事は他の仕事と違って何年勤めたからと言ってキャリアが上がる訳でもなく、また100%満足できる仕事でもありません。
毎年生徒も少しずつ変わり、作る作品や描く絵も毎回違うのでその都度いろいろ考えさせられます。だからこそ、辞められないのかもしれません。
今は小学生、中学生、高校生を中心に指導していますが、生徒に教えながら、私自身も生徒から学ぶことが多い様に思います。
特に小学生の作品にはハッとさせられたり、関心させられたりします。無意識で描いた絵が、きれいな配色だったり、洗練された構図だったり、私には思いつかない発想力だったり…子供たちの感性の良さには、ときおり嫉妬したりします。今いる生徒がこのまま大人になった時にアーティストになったらスゴイ作品ができあがるのになぁ!と思ったり。まぁ全員が美術系に進む訳ではないのですが、一人でもそうなったら嬉しいですね。
絵を描くことはとても根気がいる作業です。集中力がないと描けなかったり、思う様に仕上がらなかったりすることも多々あります。そのなかで、私たちスタッフが手助けできればと思います。
生徒さんたちには、大人も子供も関係なく『絵を描くことの楽しさ』を感じてもらいたいと思い日々指導をしています。
楽しみながら描いた作品は、やっぱりいい作品になると思います。10月の生徒作品展での生徒さんの作品を私もとても楽しみにしています。これからもいい作品づくりの手助けをいたします!よろしくお願い致します!!

しまだひろみ






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ストップ&ヘルプ

2008-08-11 22:30:55 | スタッフ講師
Hselp_2田中幸介(高校2年当時/油画50号)

こんばんは、もしくはこんにちは。幸介です。

今日は小原先生よりいただいたお題「思うこと」について書かせていただきます。

普段僕は子供に絵を教えていますが、「教える」というより「子供の力になって一緒に制作する」というスタンスで小学生クラスを担当しています。

僕自身が子供のとき、色々な習い事を始め学校などで多くの「先生達」を見てきましたが、そのどれもが心を開いて信頼できるような先生ではなかったような気がします。

例えば気さくで熱血で絵に描いた理想の教師(子供は外で遊んでこーい!!みたいな)でも、僕は「一人で絵が描きたいのになんでそんなこと言うの?」と感じていました。他にも、クラスに泣き虫の子がいて、その子に「男の子なら泣かない強い子にならなきゃ」と優しく言う先生にも「強い泣き虫じゃダメなの?」と疑問を感じていました。

これは天の邪鬼でもなんでもなくて、ただ純粋に先生がなんでそんなこと言うのか分からなかったから感じたことです。

子供に「教えなきゃ」と思うと、どうしても僕の我が出てしまう。上からの目線になってしまう。だからいくら先生と呼ばれようと、教えるんではなく「力を引き出す」ことや「待つ」こと、それに「立ち止まって助けになる」ことを絶対に怠らないようにしようと思っています。教える僕の個性はどうでもよくて、そんなことよりも静かな女の子もワガママな男の子も優等生も泣き虫も、それぞれの個性を受け入れ、理解したいと思っています。

生意気なことを言っていますが、日々初心を忘れず精進して行きます。子供も大人も皆さんも、今後ともよろしくお願いいたします!!

ちなみに本日載せている画像は、高校のときに始めて信頼できる先生に指導してもらうことで描けた油絵です。ひたすら僕の気持ちが向かうのを待ってくれた先生です。きっとこういう教師も必要ですよね。アンチ熱血先生!!

以上、幸介でした!!

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思うこと

2008-08-10 18:39:05 | スタッフ講師
来週12日(火)から16日(土)まで、アトリエはお盆休みとなります。
皆様お間違えのないよう気を付けて下さい。
授業がお休みなので、明日よりスタッフが順番に“アトリエのできごと”“美術について”“最近考えていること”“教育について”など徒然に綴っていきますので、お楽しみに!

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挑戦にリミットなし

2008-08-09 01:24:00 | スタッフ講師
1珠乃 6年 鉛筆デッサン

今日は小学6年生の静物デッサンの紹介です。
ここで「あれ?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。モチーフにひまわりが続くわ、夏だし!・・ではなく、先日一挙に紹介した小学生クラスの油絵ではないのです。

そうです、彼女はカリキュラムのある当クラスではなく、あえて自分で描きたいものを描くことができる学生・大人クラスに通っているのです!デッサンをはじめてまだ枚数は少ないといっても、(彼女の場合「だからこそ」かもしれません)いつも正面から向かいあえる描きごたえあるモテーフを選んでいます。形をとることなどはもう一押しですが、しかしひときわ鮮やかに咲くひまわりを中心に、とても気持ちのいいデッサンになっているのではないでしょうか。(余談になりますが昨日の話に出た受験生にこれを見せて何を思うか聞きたいものです)

静かに。そして楽しみながらモチーフに相対することで、視線が新鮮で見ているこちらがみずみずしくなれるような素敵な作品がうまれました!

いしやま

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サリバン先生の名に懸けて

2008-08-08 23:52:54 | スタッフ講師
オバラです。
10年前、幼児クラスは4才の男の子一人しか生徒がいませんでした。彼はまだ幼稚園に行っておらず、優しいお母さんの愛情を独り占めして我がままいっぱいに育てられた子でした。うまくいかないと泣き叫びお母さんに癇癪をぶつけ、お母さんもお母さんで「ごめんね。ママが悪かったね。」と叱ることも呆れることもなく、先生一人+生徒一人+保護者一人の奇妙な授業が続いていましたが、ある日虫の居所が悪かった彼がお母さんの腕を血が出るまで噛み続けました。
カッとなった私は思わずスパーンとぶん殴り、泣きわめく彼を羽交い絞めにして「私に任せてお母さんは出て行って下さい!」
・・・

授業後、心配そうに迎えに来たお母さんに「さっきはごめんね。僕が作ったこの飛行機あげるね。来週から一人でも大丈夫だよ。」と言った息子を見たお母さんがボロボロ泣きながら、「のり先生はサリバン先生のようです!」と言われました。
その時は(えーっと、サリバン先生って誰だっけ?)と曖昧な苦笑いでしたが、後で思い出したらヘレンケラーに言葉の存在を教えた人でしたね。つまり奇跡を起こした人。大袈裟だな・・・

さて現在。アトリエにきて2年も立つのに、どうやって教えても響かない美大受験生がいます。どのくらい物分りが悪いかというと『漢字の花という文字を使い、花や花の美しさを感じさせるデザインをしなさい』という課題に対して、こんな作品を堂々と提出してしまう位です。(本人の名誉の為小さく載せています)Hana_3小学校低学年が描く様なお花に、また太陽が稚拙、幼稚!「私にはどこが美しいかわからないのでコンセプトを言って下さい。」の問いかけに「えっとぉ、普段、花が美しいと感じるような余裕のある生活してないんでぇ。」の言い訳。
*美しいと思えないものは描けないのか
*万人が美しいと感じるものに美しさを感じられずに美を目指せるのか
*この作品を恥ずかしいと思わず、これから審美眼が身に付くのか
*そもそもやる気があるのか
「もし私がこの絵を描いてしまったら自殺するね。そのくらいセンスがないってことをそろそろ自覚して、なぜもっと勉強しようと思わないんだ?」と言っても、ヘラヘラするばかり。
私はもう一度奇跡を起こせるのでしょうか・・・。


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太陽の花

2008-08-07 23:29:57 | スタッフ講師
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幼児クラス

かおり(年中)

昨日のブログの作品に続き、幼児クラスからもヒマワリの絵のご紹介をします。

太陽をかたどったような黄色の花は、真夏の青い空にとてもよく映えますよね。そんな暑い夏の空のイメージで画用紙はブルーです。ぐんぐんと太陽に向かって伸びていきそうな勢いのあるヒマワリの絵に仕上がりました。

花の中心を描く時は、一本の指に絵の具をつけて小さな丸から大きな丸へゆっくりと。その上に綿棒を使って小さな点で種の部分を表現し、花びらは筆で中心から放射状に大胆に元気よく!葉っぱは、本物の葉に絵の具をつけてスタンプをしました。指・筆・綿棒・スタンプと、この一本のヒマワリを描くのにいろいろな技法にチャレンジしました。中でもこども達を夢中にさせたのが、綿棒と葉っぱのスタンプです。筆以外のものを使って表現方法を変えると新鮮でまた水彩画も楽しくなりますね。  伊藤

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欠陥商品(人間)

2008-08-06 00:01:00 | スタッフ講師
Saitouhimawari_2斉藤  水彩色鉛筆

水彩色鉛筆という画材は、ここ15年くらいの間に急速に普及した画材です。手軽で簡単に本格的な水彩画が描けるという触れ込みで、主に初心者の方を中心に売り上げを伸ばしました。
が、色を作るのが難しく、また水をつけても伸び(溶け)がイマイチで意外と思い通りの作品にならないとう欠点が・・・
しかし根気があって努力家の斉藤さんはそんなことを微塵も感じさせずにコツコツ色を重ね、色数の少ない風景に深みのある色合いを重ねて遠近感もきれいに出すことができました。山の重なりを空気遠近法(ダビンチが考案した、“遠いものほど空気の層が厚くなるので青くなる”)を意識し、またピントの合わせ方で、ひまわり畑の大きさが伝わり、小さな作品の中から、大きな世界を表現できました。次回作が楽しみです!

水彩色鉛筆、私も当時購入し試してみましたが、実はお手軽単純すぎてすぐに飽きてしまいました。この欠陥が画材によるものなのか、私の性格によるものなのかは、斉藤さんが長続きするかで判断できそうで、こちらも密かに楽しみです!   オバラ

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フィレンツェの人混み

2008-08-05 00:10:00 | スタッフ講師
080805_20410001_2愛美 高2 『フィレンツェの人混み』 透明水彩

学生クラスの愛美ちゃんの作品です。まずは彼女の感想です....「海外研修で撮った写真を元に描きました。こういうごちゃごちゃした風景が好きで、似たような写真を何枚も撮ってしまいました。透明水彩を使ったのは初めてですが、不透明水彩とはいろいろと違っておもしろがったです。」との事。
愛美ちゃんの優しいタッチに透明水彩が合うかなと思い今回この画材を勧めてみましたが、とても初めてとは思えない出来映えです。
全体の色合いもセピア調でとてもオシャレな風景画に仕上がりました。建物と人物が入り混じった難しい風景をこんなに素敵な風景画に仕上げてしまうなんて、大人顔負けです。写真では一色の石畳も、愛美ちゃんが描くとこんなにきれいな石畳になります。石畳一枚一枚をいろいろな色彩で塗り分けています。
実際に目で見てきた風景だからこそ、素敵な作品に仕上げる事ができたのかもしれませんね。
しまだひろみ



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第一印象から決めてました

2008-08-04 00:06:00 | スタッフ講師
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伊藤(高2) 静物デッサン

こんばんは、もしくはこんにちは。幸介です。

本日は最近アトリエに通い出した学生の作品を紹介します。
普段、アトリエミオスで最初に描くモチーフは「コップとレンガと卵の殻」のデッサンですが、彼女は体験授業に来た日に「鏡の上にある、水の入ったボールと果物」という、難しいモチーフからのスタートでした。スパルタですね!!

いきなりで難しいモチーフをなんとか描ききり、続く2枚目の作品が今回紹介するデッサンです。全体の描き込みや質感など、少々粗いところもありますが、彼女はモチーフの捉え方が素晴らしい。ロープがとても良く描けています。

デッサンを描くとき、モチーフの形を性格に取る事ばかりに頭が行ってしまい、時間をかけて形にこだわっているといつの間にかモチーフの「第一印象」を忘れ、キレイに形をとった線の中を塗るだけの「塗り絵」になってしまいます。とくに学生などは、この「塗り絵」と「デッサン」の違いに気付くのが難しいようです。

モチーフのアウトラインばかり見ていては、立体感や空間は出ません。そこでこの彼女の絵の図1(右の画像)をご覧下さい!!

不自然なアウトラインなどなく、「光と影」によって立体感が描けています。カッチリとしたアウトラインなど無くても、ロープの形や立体感はしっかり描けています!!

さらに図2をご覧下さい。ロープなど描くとき、編み込みや模様をひとつひとつ描く方もいらっしゃいますが、なにもそんなに細かく描かなくても大丈夫です。ロープ自身に当たる些細な光と影を描けば、このように自然な存在感になります。並べられたモチーフ全体を眺めたとき、ロープの細かいほつれや模様だけに目がいくわけではありません。逆に細かく描きすぎる事がおかしい場合もあります。

彼女はとても良い「目」を持っています。モチーフをとらえる目が良いんです。どうかこの初心を忘れずに突き進んで欲しいです!!!!

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油絵月曜クラス他

2008-08-03 18:56:51 | スタッフ講師
まだ完成していない子もいますが・・・とりあえず。
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夏と言えば 海

2008-08-02 01:25:00 | スタッフ講師
St330047「人魚のうた」 壇

こんにちは。千野紗織です。今日は土曜クラスの檀さんの作品をご紹介します!まずは檀さんからのコメントです。
「人魚と魚が歌い合っているシーンです。自由に泳いでいる雰囲気を出すために魚を反らせました。」

縦の構図の面白さを生かした作品で、人魚と魚がゆったりと泳いでいる感じがとてもよく表れていますよね。人魚から魚へと続く一つの流れは、まるで音楽のリズムのようです。
また、海の青の絶妙なグラデーション、水彩独自のにじみが美しく、尾びれの所の透けた感じが、透明感と同時に涼しさを感じさせてくれる作品です。
何だか見ていると、爽やかな気分になってきませんか?

まだまだ暑い日が続きますが、展覧会に向けて、共に制作頑張りましょう!






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