
赤尾です。水曜午前大人クラス、石神さん2枚目の日本画も、遂に完成しました。めずらしい品種のロマネスコブロッコリーや紫色のカリフラワーをモチーフに選び、ごつごつした質感までよく観察して描き上げました。
一枚目の日本画からもお判りいただけるように、石神さんはとても几帳面な方です。作品の下絵もデッサンだけで作品になりそうな位しっかりと描き込み、転写、骨描き(墨入れ)、下地づくり、着彩に至るまでの工程を、ひとつずつ慎重に進められてきました。少し絵を進めては離れて客観的に作品を見つめ、また描く・・・といったように、一歩一歩作品を完成に持って行く姿が印象に残っています。
今回のブロッコリーのように無数の凹凸があり、描きどころだらけのモチーフは、どの程度描写するか、どこで絵を完成にするか悩み所だと思います。
絵は全体の見え方のバランスで決まると言ってもいいので、一部分を描くとまだ描いていない他の部分が気になり、そこに手を加えると今度は別の部分が気になって・・・という経験、みなさんにもありますよね?
石神さん曰く「掃除と同じでどこかを綺麗にすると他の細かい部分も気になっちゃったりするじゃないですか?これも一ヶ所仕上げるとこっちが気になって・・・、と筆の置き所がわからず苦労しました(笑)」と掃除に例えられており、ついこの例えには頷いてしまいますよね。
全体を同じくらい描きこんでしまうとせっかくの描写が散漫になったり平面的な絵に見えてしまいがちです。
何度も離れて絵を確認し、再度手を入れて・・・と繰り返したおかげで、メインである右側のロマネスコブロッコリーにパッと目線が行き、つづけて他のカリフラワーやまわりの空間に視点が動く、バランスの取れた作品に仕上がりました。
また大胆に空けた空間には砂子(箔を茶漉しなどで細かい砂状にしたもの)をふりかけ、絵に華やかさをプラスしています。
広い空間と野菜がうまく調和した心地良さを感じますね。食事をする部屋などに飾りたいです。
また石神さんの最終目標は水墨画を描くことなんだそうです。一発で線を決めなければならない水墨画は、日本画とはまた違う難しさがありますが、石神さんの絵に対する真摯さを見ているとぜひ挑戦していただきたいな・・・と思います。近々実現させましょう!