オバラです。昨日の田中先生に引き続き、油絵紹介です。(私のこのブログは日曜日に書いて下書きに保存していたのですが、昨日の田中先生の文章というか書きどころが似ていて苦笑。)
火曜クラスは見事に低学年と高学年に半分ずつ分かれているので、油絵は私が低学年担当、南澤先生が高学年担当とカッチリ分かれて見ていました。え?「低学年の方がどう考えても大変でしょう?」って?油絵の場合そうとも限らないところが不思議な授業なんです。
高学年は今までの油絵経験値が高い為、完璧・最高の完成度を求められますので、指導も個人に寄り添ったテクニカルなものになります。それに比べるとどう描いても味が出てしまう低学年は、デッサン・構図・混色など、あまり細かく言わなくても勝手に良い作品になってしまうから不思議。気を付けるべきは、集中力が切れ制作に飽きてしまった時の小競り合いの末に起きるボディーペインティング攻撃をいかにかわすか、と言ったところでしょうか?いえ、ボディーペインティングなら洗えば落ちるのですが、自分自身の絵に勢い余ったエネルギーをてんこ盛りにする(積み上げたものを無に戻す)ので、未然に防ぐのに注意が必要…ですかね。そんな彼らの作品をご紹介していきましょう。
左上から 波那 2年 / 凛音 2年 / 唯香 2年
和樹 2年 / 碧海 3年
月咲 2年 / 憲伸 年長 / 七海 2年
波那: ミオスを愛し過ぎて、学校を休んでもアトリエは行くのが当然と思っています。感情表現が豊かで思ったことは全て口に出すので、時に友達と喧嘩になることもありますが、自分が悪かったと認めた時は誠実に謝る事ができますし、はしゃいでもきちんとやるべきことはこなします。寒色の海と空の中心で生き生きと泳ぐ暖色のイルカは、どんな場所でも自由に振る舞い伸び伸び自分らしさを出せる彼女の強さが表れているのでしょう。
凛音: 幼稚園児の頃はあまりに素直に他人を信じるので逆に心配になったりしていましたが、小学校でもまれてからは小悪魔全開、隙あればイタズラ意地悪をしてきて私好みの女の子に育ってくれています。この油絵は、ピュアだった頃の優しい女の子が垣間見える、やわらかい絵に仕上がっていますね。蝶や花に対する愛情が伝わってきます。絵の中心にスポットを当てたような黄緑の明るさが魅力的。サインの色のチョイスもとってもお洒落でセンスがいいです!
唯香: 人の言う事を聞いていないようでちゃんと聞いている、賢いようでドジもする、ギャップ萌え代表の不思議な魅力のある女の子。(意外にも将来の夢は医者ですが、間違った薬を調合しても笑って許してもらえそう!?)この作品も自然なのか人工物なのかさっぱり分からない、シュールで摩訶不思議な絵です。答えを書かないと気になって眠れない人が出そうなので教えましょう。「カンボジアの寺院」です!モチーフ選びの渋さもギャップ萌え要素ですね!
和樹: 弾け過ぎて女の子達から厳しいツッコミをもらいますが、めげずに(むしろ嬉しそうに)次のネタを繰り出します。低学年のムードメーカー兼、立体工作のプチ先生。そう彼は絵よりも立体が大得意なのです。何を言いたいのかと言うと…苦手な油絵は完成に近付く度に破壊してしまい、何度泣かされたことか。てんこ盛りの黄色の油絵具がイチョウの落ち葉を豊かに表現していますね。私の我慢力を鍛えてくれて感謝しているよ!
碧海: いつものんびりマイペース、焦ったり走ったり怒ったりしたことを一度も見たことがありません。この油絵も堅実な仕事で着々と仕上げてくれました。色盲検査のごとく沢山の色を使い細かい点描で描いているのに、のどかでナチュラル。色彩感覚が良くないと、こういうタイプの作品は描けません。カメラマンになるのが夢の碧海は、魂を揺さぶる情熱的な写真より、静かに人の心に残る写真を撮ることでしょう。
月咲: 元気で賢くて自慢話をせず周りを良く見て気が付き思いやりがある(まだまだ書けるぞ!)ので、幼稚園時代からいつもたくさんの友達に囲まれています。小さい時から権力を振りかざしパシリを使って武力行使を振るう私にはあまりに眩しくて彼女を直視できません。伸びやかで堂々とした風車と誇らしげに咲くチューリップ・吹き抜ける風を描いたこの作品を前にすると私の眼頭が熱くなるのは当然でしょう。もはや拝みたい気持ちです。
憲伸: 5月までいた水曜幼児クラスに通えなくなり、それでも絵を描き続けたくて小学生クラスに通う年長さん。幼児クラスでは1時間弱で一つの作品を仕上げていたのに、小学生クラスに変ったとたんいきなり7週間も掛けて完成させる油絵(憲伸君はさすがに水彩画ですが)の授業に突入してしまい、さぞや大変だったことでしょう。水彩絵具だって初めてに等しい経験値なのに、よくぞこんなに立派な大阪城を描き上げました。自画像も堂々としていますね!
七海: 制作中はそこにいないかのように気配がなく無言で集中し過ぎ心配になる程ですが、ちょっと話し掛けると思い出したようにしゃべり続け止まらなくなるのは普通の2年生。この集中力を勉強に活かせたらとんでもない天才になりそうですが、多分美術だけなんだろうな。(笑)お人形のように可愛い彼女(実際も)の魅力が溢れている自画像と穏やかにカーブした道の先にあるのんびり回る風車の対比が微笑ましいですね。