鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

花の名前はわすれにけりな

2021年06月15日 | 鳥海山

 鳥海山の楽しみの一つは様々な植物。ところがどっこい、あれだけ覚えていた花の名前が出てきません。たずねられると、「あっ、それは深山ピンク草」「知らねえ草」「鳥海白花」などと言ってごまかします。(本気にする人はいませんから大丈夫です。)

 大平口の登山道にまだ二か所咲いていました。

 白山一華は結構遅くまで咲いている花ですね。扇子森の先の斜面の大群落は見事です。

 雛桜も御浜から愛宕坂へ向かう途中にちょびっと。これから雪渓の解けたところで見るのが楽しみです。

 これはえ~と、

 深山螺子頭、ではありません。


久しぶりに御浜まで

2021年06月14日 | 鳥海山

 砂利をセメントで固めた崩れつつある蔦石坂の登山道は十数年ぶりに登る運動不足の体には超応えます。しかもこの季節はこのルート、清水、とよ、河原宿から長坂道出会いまでの間と雪渓が続きます。長坂出会いの白山一華が見たい一心で最後の雪渓を歩き始めますがきいた~、せめて軽アイゼンがあれば少しは歩きやすい。

 鉾立から登った方がよほど楽ですね。通常のコースタイムの倍かかってしまいました。写真は笙ヶ岳への登り口。

 何分歩くとこの景色、というものは大体頭の中に在るのですがそれ=頭の中も壊れかかっているようです。

 

 長坂出会いから御浜へ少し登ったところ。この辺の写真は誰がとっても同じであまり面白くないです。花の字の雪渓とは言いますが自分には怪鳥が翼を広げているように見えます。

 白山一華も大群落というにはもう少し、でもこの後一気に日光黄萓の季節がやってきます。長坂出会いのお花畑は最高の場所です。

 鳥海湖までの下りは立派な木道が敷かれています。途中残雪で覆われた急斜面なのでまだ歩かない方がいいでしょう。

 御浜の拝所も忘れずにワンカップを奉納する方がいたようです。後ろにあるのが弥三郎岩。特大の熔岩塊です。

 帰路岩鏡のやや大きい群生を見ました。雛桜、稚児車もそろそろ咲き始めています。

 大平口は歩く人も少ないせいか、標識も傷み放題です。

 

 登山靴を広げるコロニルのシューストレッチャー、結果は最上です。新しい登山靴を買う必要はなくなりました。首の負担がZEROフックは確かに楽ですが着脱がちょいと大変、体が硬くなってしまっている身には後ろの方にストラップをひっかけるのがちょっと難しいです。でも久しぶりの山歩きにNikon D200 ではちょっと重すぎたようです。次回はミラーレスの軽いやつにしましょう。

 下山は最後がきついもので、ああ、まだ駐車場につかない、早く着きたいと思いますし、帰ればぐったり。ところが一晩経ってみると、次はいつ行こう、悪事を働いたものがもうしませんと言いながら、ついまた悪事を働く心境と変わるところがないようです。煙草はやめることが出来ましたが、鳥海山はまともに歩けない身とわかってもやめられそうにありません。でももう山頂は踏めないだろうなあ。泊りがけで行くにしたってあの小屋で7,000円は高いなあ。

 

※蔦石坂で採った根曲がり竹は今朝の味噌汁に、美味でした。


橋本賢助 鳥海登山案内のデジタル修復

2021年06月11日 | 鳥海山

 橋本賢助 鳥海登山案内、先日ご紹介しましたがその全体をコピーしたものを貸していただきましたので現在スキャンしてPDF化、編集作業中です。

 原本は140頁ほどの小雑誌ですがそれをコピーして製本したものを貸していただきました。見開きでスキャンします。なのでもともと傾いてコピーなっていたものがより一層見づらくなっています。右頁と左頁も微妙に傾き度合いが違います。

 最初はうっかりカラーモードでスキャンしてしまいましたがデータがかなり大きくなってしまいます。モノクロでやり直し。ただしモノクロ2階調のままでは編集作業ができません。そこでグレースケールに変換。スキャンしたもののコピーも作成しておきます。

 左頁の傾きを直します。次にコピーの方で右頁の傾きを直切り抜きます。右頁の傾きを補正したものを左頁の傾きを補正したデータの右半分に移動。レイヤーを統合します。後は全体の汚れを消しゴムツールできれいにすれば出来上がり。

 随分と読みやすくなりました。

 まだしばらく時間がかかりますが、すべて完了したらOCRで活字に変換したデータも作成します。オンラインでOCRもできますので原本と比較しながら文字の変換間違いを直していきます。

 最後にPDFデータを統合して容量小さくするために圧縮。この作業あまりに面白すぎてやめられません。


Jag Vet En Dejlig Rosa

2021年06月09日 | Jazz

 映画も見ましたけれど、Monica Zetterlund「ストックホルムでワルツを」邦題のなんとお粗末なことか。

 のこのアルバム、この一曲は最高の出来です。1:33辺りでのピアノの盛り上がりは最高。ほんとMonicaが歌う必要は全くありません。

Jag Vet En Dejlig Rosa

 休日は厨師兼板さん兼Chef、和洋中メニューを考えるのも大変。朝は買い出しから始まります。午後は仕込み、夜は一杯飲みながら最終仕上げ。その頃にはもう食べる気は失せています。食べる人が喜んでくれればそれで良し。部屋に戻ってからはCD面倒、itunesを開いてとっかえひっかえアルバムを選びながら手あたり次第、今日は本田竹曠Native SonのLive in USA よりWind Jammer

Native Son ‎– Coast To Coast Live In USA (1980)

 


斎藤重一著「鳥海山」"鳥海山の自然をまもるとりくみ"より

2021年06月09日 | 鳥海山

  かつて鳥海山にはゴンドラを設置して多くのスキーヤーを呼び込み金を落としてもらおうという計画がありました。

 斎藤重一さんは「ブナ林を守る」「鳥海山」の中でもその経緯についてふれています。以下はその著書「鳥海山」の中の一章、”鳥海山の自然をまもるとりくみ”からの抜粋です。抜粋はどうしても恣意的になり公平ではない、という意見はあるかとも思いますがまずは読んでみてください。

 なんといっても絶版で入手はほぼ不可能でしょうからあえて載せてみます。以下、

 

 「会の満場の賛成で矢島町と秋田県企業が中心になり昨年から花立高原牧場をベースキャンプに した鳥海山北東斜面の開発構がなされておりますの開発について昨今ある団体の一部会員を中心にした反 対意見が魁新聞や地方雑誌地元機関紙に報道されたりしていることもご存知のことと思いますこれらの記事 は事を解しない推測想像によるエゴイスト的感情論をアルピニストとして或いは反対ための反対として自然保護の美名を盾にしあたかもすべてが真実のように書かれておりまれを読まれたその話にした人たちの中にそのがほんとうのとのように思われることは遺憾であります」 

鳥海山岳家のためにあるのではなくスキーヤーのためにのみあるものでもありませんわたしたち 鳥海山はみんなのための鳥海のです老若男女を問わずよりくの人々に親しんでもらうことをととも本人に欠けてい公園道徳の高揚を図鳥海山北東斜面の開発によって得られる新しい利用のし かたが他の模範になれるよう町民こぞって努めていかなければなりません」 

 矢町のTAの考え方を憂うとの文章を二 にわたその内容、①アルピニストは自分勝手だスキーヤーは山を荒らさな③開発反対の資料はウソが多誇大だ④自分のほうがはるかに地元の鳥海山を知愛していマナーの高揚よって汚染は防止できるというものでそれはゴンドラ設置の開発派の人々の考えかたを代表するものだろう なと思わせた

 

 とここまで読んで、なんだか最近も読んだようなという気がしてきませんか。そう、ゴンドラがスノーモービルに形を変えて現れてきているのです。しかも言葉巧みに、まことしやかに新しい自然との共生、だとか方向性などと言って過去の過ちを繰り返そうとしています。

 我々は山の売店でラーメン食べたりコーヒー飲むために山へ行くのではありません。鳥海山の山頂には美術館もあるようですが、そんな人工物を見に行くために山に行くのではありません。