鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

初めてのWayne Shorter

2023年03月24日 | Jazz

 どんどんと亡くなっていきますね、あの頃活躍した世代が。

 初めて買ったWayne Shorter、何を根拠で買ったかは不明です、今から半世紀以上前、アメ横にあったレコード屋さんで。

 画像はCDですが このアルバムを聴くと購入したときの背景がまざまざと目の前に浮かび上がってきます。その時は朝方に東京に着いて夕方又夜行で地元へ戻りという強行軍。先に亡くなってしまった高校の同級生と東京へ行ってみようかということになり、夜行寝台急行鳥海で。寝台車は高いので垂直の背もたれの普通席で延々12時間。あの頃の夜行列車はトイレにまでおばばさんが座り込んで乗っているという状況。あの国鉄列車の独特の臭い匂い、これはJRの特急いなほに乗っても今もそれほど変わりありません。記憶が鼻腔を刺激して思い出させるのでしょうか。

 憧れのジャズ喫茶へ行くのは東京へ住むようになってからです。いまだに東京のジャズ喫茶といえば思い出すのが新宿二幸裏ロールキャベツのアカシアを過ぎ3階の扉を開けて入るDig、紀伊国屋裏を出て右へ、地下階段を下るDug、池袋埼玉銀行近くの角のビルの4階 Jazz Kiss、池袋演芸場の近くのJazz Bed、阿佐ヶ谷毘沙門、高円寺サン・ジェルマン、アルテックA7鳴り響いていたホットハウス。

 時間も感覚もそこで止まってしまっているようです。

 懐かしいジャズ喫茶のマッチについては猫仙人さんが一杯紹介しています。

Black Orpheus

 

 こちらは別のアルバム、ピアノがMcCoy Tyner とちょっと変わった取り合わせ。

The Big Push (Rudy Van Gelder Edition/Digital Remaster/2007)

 まだまだジャズを聴くのはやめられません。

 ※ 登録しておいたJazz関連のページを久しぶりにのぞいて見るとほとんどが閉鎖されています。この鳥海山とその他のページもいつまである事やら。多くの資料も灰さようなら、でしょう。


明治四十一年の蕨岡宿坊

2023年03月22日 | 鳥海山

 以前一部紹介したことがあるのですが原本入手しましたので絵葉書ともどもご覧ください。

 私ハ昨日十二頃出発ノトコロ安治君ハユカレジソレデ私一人昨日五時ニシュッパツシタ

 酒田ニツイタノハ九時デシタ

 途中ハ非常ニアツクルシイノデ氷水ヤアイシクリームナンゾハナニヨリ御馳走デシタ

 鳥海山ノ登口蕨岡ニ着イタノハ午後二時近クデアッタ

 阿部源靜トカ云フ家ニ宿ヲトリマシタ

 ソノ御馳走ト申シタラタマゲタモノデ仲チャンヤババ様ナンゾハタベタヿ(コトの合略仮名)ハアルマイシ又タベルコトモデキナイデシヨー、

 又オ膳ヤオ椀ナンゾモ三四五百年モコノカタツタワッテキタヨーナ古ワン古オゼンカケダラケデアッタ

 ネドコモソノトホリ実ニ閉口シタ

 ソレデ今日午前一時ニ山登ヲシタ

 山頂ニハ十時ニツキマシタ

 参詣シテ帰リ途ニ向ッタノハ十二時半吹浦ニツイタノハ四時半

 酒田ニツイタノハ八時五十分頃都合二十三里ヲ歩ンダ

 面白イ話ハ山々アルケレドオアイ申シテかラ


 太田宣賢「鳥海山登山案内記」大正二年にも阿部源靜が宿坊として紹介されていますが、明治の末で三四五百年も伝わってきたような古椀、古御前、しかも欠けだらけのものを使っていたとなると、この頃には蕨岡の宿坊はすでにかなり凋落していたとみてよいのではないでしょうか。

 こういった生々しい記録はどんな研究論文にも表れることは無いでしょう。

 船場町河岸の様子もよくわかります。先日別々の本に渡し船の同じ写真が、向きが違って掲載しており、どちらかが反転しているのですがどちらが正しいかと喧々諤々。船の艫の櫓の取り付け位置を見れば一目瞭然なのですが身近に見ていなければやはりわからないものなのでしょうね。


御田ヶ原

2023年03月20日 | 鳥海山

 表面の書式から大正7年4月〜昭和20年の間に発行されたものと思われます。注目は背景の八丁坂。既に道は幅広くなっていますがそれからの短い期間でどれほど荒れてしまったかわかると思います。ちなみに御田ヶ原は「おたがはら」で「おだがはら」ではありません。

 前にも載せましたが下の写真は昭和四十年代

 昭和六十年前後になると下の写真のように文字通り大幅に拡がります。多くの人が右端を歩いて登っていました。

 下は佐藤要さんが「鳥海山を登る 夏から秋の登山道ガイド」(2014年=平成26年発行)の最後に載せた写真です。

 鞍部の先、手前共に石畳が敷かれましたが一度荒れてしまった道はそう簡単に回復はしません。山を登る自由を奪うのかと吠えたてる人がかならずいるでしょうが既に入山制限、規制する時期に来ているのではないでしょうか。尾瀬の景鶴山は昭和41年(1966年)より登山禁止になっていますよね。


LPレコードをパソコンに取り込む

2023年03月19日 | Jazz

 PC、オーディオ用品のごちゃごちゃ入った箱の中からこんなものが。

 以前使ったことがあったのですが忘れていました。I-O DATAのフォノイコライザー搭載USB接続オーディオキャプチャー AD-USBという製品。レコードプレーヤーのRCAケーブルを端子に差し込み、USB端子をPCに差し込めばOK。でも肝心のソフトがどこへ行ったやら、I-O DATAのホームページでも既にダウンロードは出来なくなっています。でも探せばありました「Golden RecordsレコードからCD変換ソフト」というものが。

 早速開始です。

 レコードを回して録音開始です。録音開始前の設定は何度か試験して最適な、と思えるようにセットします。結構面倒。

 録音中の画面です。

 録音が終わると、

 A面、B面録音が終わるとこんな画面になります。これから曲間を探して分割していきます。自動で曲を分割してくれるソフトもあったのですが設定でうまく分割出来なかったのでこのソフトで実際の音を聴きながら分割。大給桜子の「羊からの伝言」無事デジタル化完了。結構面倒くさかったです。暇と気力がないとできませんね。

 

 ※itunesにファイルを取り込んでも.wavファイルのままだとアートワークが使えません。itunesのメニューの中から変換で音源を.mp3にすることでアートワークが使用できるようになります。

 


山靴の詩/続・山靴の詩

2023年03月18日 | 鳥海山

 国立国会図書館デジタルコレクションは全く持って便利。登録すればものによってはダウンロードして読むことも出来ます。

 国立国会図書館デジタルコレクションよりダウンロードした「山靴の詩」「続・山靴の詩」です。以前紹介した酒田の人です。
 ※転載に係る条件として「使用したコンテンツが国立国会図書館ウェブサイトから転載したものであることを明示すること」 となっていますのでこれを記載しないといけません。

 上下とも国立国会図書館デジタルコレクションよりダウンロードした画像です。

 上の画像ではPDF編集ソフトを使って削除してありますが下の画像を見ていただくとモザイクの部分、ダウンロードに係る記号とダウンロード者名、ダウンロード年月日が記載されます。ダウンロード者の名前は登録時身分証明が必要となるのでどこかの議員さんのような通名、ハンドルネームは使用できません。PDF編集ソフトでテキストと画像に変換して一部は削除できるのですが一部は画像と一緒になっていて削除できない部分がありますので完全には無理のようです。

 

 この本を読んでみて、河原宿小屋でホラをふいていたのはやはりこの人だったんだろうなと確信しました。書いてある内容、言い回し、考え方が相似していましたから。原付バイクで滝の小屋手前までの高原ラインを上ってくる方でした。

 本の内容ですが、面白いものではありません。手元に置くとしたら当時の時代を知る史料としてのみです。

 横堂(箸王子神社)に大沢神社も一緒に祀られていたことは山本坊さんからの聞き取りで確認していますがこの書の中では横堂が大沢神社であるとしています。もっともその頃には箸王子神社は河原宿へ遷っていたのですからそうなるかもしれません。