170606 AIの活用 <アダルト画像や不審者を見逃さない、深層学習が次に見抜くもの>などを読みながら
今朝窓から眼下を見下ろすと、先日植えられた稲苗が緑の点みたいだったのがすぐに緑のしっかりした線になっています。水入れしたとき土色が反映していたのが、今は全体が薄緑です。すぐに株分けされ、大きく育っていくのは毎年身近で見てきましたが、高い位置から見下ろすのもなかなかいいものです。そういえばたとえば東北にむかったとき、機上から眼下に広がる田んぼを見ると、まるでイギリスの湖水地帯にでもいるような気持ちにさせられます(実際はいったことがありませんが)。日本が誇る広大なウェットランドですね。
そういう軽やかな気分はわずかの間だけで、ここのところ、体が重く、頭もぼっとしていて、このブログを書くのも少々しんどさを感じることがあります。とはいえ仕事よりはまだましかもと思って、今日も一時間くらいぼっとした状態で書いてみようかと思います。
新聞やニュースになかなか関心が向けらなかったので、メール便で、日経ビジネスの<アダルト画像や不審者を見逃さない、深層学習が次に見抜くもの>をざっと見て、少し連想が働いたので、これをテーマに取り上げました。
インフラ維持管理市場はいまAI技術の狙い所のようで、日々というかしょっちゅう話題提供があります。今日のもその一つ。
<AI(人工知能)を武器に、道路の「舗装点検市場」に参入を試みる多様なプレーヤー。ディープラーニング(深層学習)を生かしてインターネット上にあふれるアダルト画像などのフィルタリング技術を実用化したNTTコムウェアも、名乗りを上げた1社だ。>ということのようです。
アダルト画像のフィルタリング機能とはまた異次元の世界に参画するわけではないかと思うのですが、意外と共通するものがあるのかもしれません。
記事では<同社が開発したのは、舗装のひび割れとポットホール(舗装表面にできた穴)をAIで見つけるシステムだ。4Kのビデオカメラを車のフロントガラスに吸盤で取り付け、時速30~60kmで走行しながら路面を撮影。動画を一定距離ごとに静止画に分割し、技術者が目視で損傷を確認した結果と合わせてAIに学習させる。>
AIが技術者の目(ここでは認識・解析などを含むのでしょう)をディープランニングで習得していくというわけでしょうか。
学習したAIがを児童検出し、<異状があった箇所の位置情報をGPS(全地球測位システム)で記録し、地図上で静止画や動画を確認できる。開発したシステムを道路台帳と関連付ければ、異状を示す情報を補修履歴などと合わせて確認したり、補修計画の作成に用いたりしやすくなる。>ということで、ま、AI囲碁プログラムに比べれば楽なものでしょうか。
これも国交省の次のような指示に各自治体が対応を迫られていることを踏まえて開発されているようですね。
<道路行政を担う国土交通省は2016年10月に「舗装点検要領」を作成。大型車の通行量が多く損傷の進行が速い道路の場合、点検頻度の目安を5年に1回以上とするなど、舗装点検の考え方を新たに示した。>
千葉市とか一部の自治体が取り組みを開始したようですが、果たして地方の自治体でどこまで対応できるか懸念されますね。私が居住する橋本市のような田舎の自治体では、だいたい市道といっても道路台帳もなかなか整備できませんし、農山村が多くを占めますが、その道路管理は地元の地区で担っているのが主ではないかと思います。ですから凸凹があったり亀裂があったりというのは広範囲ですし、それでも各地域の人が努力して少しずつ補修していますね。それよりも法面が石垣だったりしてそれがかなり膨らんでいる状態でもなかなか補修となるか行き届きません。で、この開発プログラム今のところ都会的な道路を予定していて、平坦な道路の表面を識別するようですが、山岳地系のわが国では傾斜があり法面がとても多いですね。その安全性の確保が一番優先されるべきではと思うのですが、まだそこまでの認識プログラムはないようでしょうか。
で、ここまでは一応、前置きでして、少し頭の重しがとれてきた感覚ですが、本論は道路台帳をAIを使ってより活用できないかという点です。
この点、ちょっとウェブ情報を探ってみると、<株式会社ナカノアイシステム 道路台帳>や<株式会社大輝道路管理システム>などを見ると、AI機能で道路台帳をPCでの電磁的記録化して多様な機能を付加できるかように思えます。ウェブ情報の一部だけではなんともいえませんが、私はすでに一部では活用されているのではないかと推測しています。しかし、ウェブ上には見当たりません。
ようやく見つけたのが<横浜市行政地図情報提供システム 道路台帳>です。これで私が以前、よく通った横浜地裁前の日本大通りの道路台帳一部を見てみましたが、これはこれで便利ですが、ただ道路台帳をスキャンしただけでそれをさらに電子情報として活用することができませんね。
道路台帳の活用は多々あると思います。たとえばすぐ思いつくのは、交通事故の現場検証に活用することです。電子情報であれば、縮小・拡大し、そして自動車を組み入れたりして、捜査機関が作成する現場見取り図を簡単に作成することができるようになるかと思います。自動車同士の事故などでは、双方の車両の進行形態と最初の発見、その対応、衝突、その後といった一連の動きを道路台帳上にPC上に組み込むことが容易です。そのことにより、過失相殺の割合なども現実に即した算出が可能になるかと思いますし、無理難題というか一方的な主張が通りにくくなるかと思っています。
損保会社にとっても、事故状況の調査において作成することがありますが、道路台帳自体が正確性を欠いていたり、自動車の規模・形態・走行方向なども手書きではあまり正確性がないですし、それより時間がかかりすぎますね。ただ、道路台帳がきちんと整備され更新されている箇所がどの程度あるかも問題です。そういう意味で、道路台帳整備、そしてAI活用を念頭に置いて、開発事業を保険会社や大学、そして自治体などの連携で推し進めてもらえると、期待しているところです。
これで一時間ですので、今日はおしまいです。