ギャンブルスタート

2019年01月27日 05時44分00秒 | 少年野球

以前、盗塁の種類で説明したギャンブルスタートを、今回深堀します。

ギャンブルスタート=悪いプレーと思われ(私だけ?)がちですが、時と場合によっては用いてもいいのでは?と思う作戦です。

まず、ギャンブルスタートってなんぞや?から。
ギャンブルスタートとは、読んで字の如く、ピッチャーや野手の(投球・送球)動作でスタートを切るのでなく、ある程度のタイミングで走塁スタート(盗塁)をする事です。言わば見切り発車です。
よって一歩間違えば、ハイリスクしかないと思われがちなプレーです。
しかし、これば成功すればワンベースだけでなく、ツーベース以上が狙え、尚且つ相手ベンチに与えるプレッシャーは計り知れないです。
では、どのような状況で行われるのでしょうか?色々な状況があり、一概に言えないのですが、大きく分類すると

①左ピッチャーの1塁牽制時。
②ランナー3,1塁での、1塁ランナー盗塁時の3塁ランナー
③ランナー3塁で、バットに当たった瞬間の3塁ランナー

細かく分けたらきりがないですが、だいたいこの状況ではないでしょうか?

ギャンブルスタートをチームとしてやると決めた場合は、しっかりとした練習が必要です。
では、その状況での注意点を

①の場合には、やはりピッチャーの牽制の速さ(バリエーション)がキーになります。
よく、左ピッチャーでの盗塁は難しいと言われます。その理由は足をあげた際に、どちら(牽制か?ホームか?)か判らないからです。
ゆっくり足をあげ、牽制するかと思いきやホームに投げたり逆のパターンもあり、ギリギリまでスタートが切れない事が原因です。
ですので、そのようなピッチャーにお勧めなのが「右足が上がった(動いた)瞬間にスタートを切る」です。
これは、ピッチャーの1塁牽制が遅い場合です。クイックを行うピッチャーには不向きです。
だから、暫く牽制の癖を見て「大丈夫」と判断した場合にベンチからギャンブルスタートの指示があります。
近年は左ピッチャーもこの事を判っているので、あまり活用する事はないですね。

②の場合ですが、ギャンブルというよりダブルスチールの方が強いでしょうか。
要は、1塁ランナーが走って、キャッチャーが2塁に送球すると同時に、3塁ランナーはホームに突っ込みます。
その場合にも、予めこの相手チーム連携(特にセカンドの動き)をしっかり観察しておくことです。
セカンド・ピッチャーがカットプレーをしたり、するとチャンスが一気に0になります。
これも、だいたい学童野球であれば、3,1塁は必然的に3,2塁になるので、あまり実用性が無いですね。

最後に③です。これはここ最近プロ野球でも良く使われる作戦です。
スクイズのバンドでなくスイングするパターンです。
とにかくバッターはバットに当て、尚且つバウンドさせればOKです。
この場合にも2種類あり、完全に投げたらGOのパターンと、バットに当たればGOのパターンです。
前者は非常にリスキーですが、バットに当たればほぼ1点です。後者でも大丈夫ですが。
学童野球でも、この3塁ランナーパターンのエンドランをちらほら見かけます。
最初は「サイン間違い?」と思いましたが、実は3塁のエンドランです。
これはさすがに三振の多いバッターには不向きですね。

以上の3パターンが主たるギャンブルスタートだと思います。

軟式ボールであれば、バウンドが高く跳ねやすいので、ゴロスピードがどうしても遅くなるため、このギャンブルスタートは軟式野球では特に有効です。
打者心理的にもスクイズよりは緊張感が無いので楽に打席に立つことができ、成功確率はこちらの方が高いのでは無いかと、個人的には思います。

ギャンブルスタートはあくまで+αの作戦です。
しっかり基礎ができた時点でのステップアップの作戦です。

よって基礎練習を何度も行う事が一番ですね。



足を上げる

2019年01月20日 05時44分00秒 | 少年野球

タイミングを取る時、または体重を軸足にのせる時に足を大きく上げる選手が多くいます。

これに関しては私自身もいろいろな監督・コーチの方と議論したことがあます。

この足を上げるという動作、気にしている選手も多いと思います。

今回は私が今までいろいろな方と話して感じた事、ネットで気になった事を紹介させて頂きます。

 

では、話の前提でこの「足をあげる」事が良い事か悪い事かですが…結論から言うと、どちらでも構わないと思います。

な~んだ と思わないで下さいね。ここから、その解説をしたいと思います。

 

なぜバッティングの際に足をあげたり、すり足に(右バッターであれば左足を軸足に近づける動作)するのでしょうか?

答えは、軸足に体重を乗せるからです。それを踏まえて…

 

では、足を大きく上げるメリットなんでしょうか?

足を大きく上げたほうが体重移動を感じやすいので、体重移動がスムーズにできるしスイングにスムーズに入りやすいからですかね。

また、体重移動の反動(幅)が大きくなり、ヘッドスピードも上がるからでしょうか。

 

しかし、やはりデメリットもあります。

タイミングがあえば、上記でのパターンの相乗効果でボールを遠くに飛ばす事が出来ます。

しかし、たいていの場合には態勢を崩されたバティングになったり、手打ち(泳がされる)のバッティングになったりします。

 

プロ野球選手で有名なのが、ヤクルトの山田選手やジャイアンツの坂本選手です。



山田選手、坂本選手は、自分のスイングをしっかりする事を意識しているというような事を言っていました。

足を高く上げるのは力強いスイングを生みます。

プロ野球選手は、基本や基礎がしっかり出来ているので、あのような力強いスイングをすることができます。

足を上げることで自分のスイングをしっかりできるが、それはあくまで自分のタイミングでの話であることです。

プロ野球選手は、毎日のトレーニングと高い技術があるから打率を残せているわけですが、基本的には難しいです。

というのも足を上げる事は良いのですが、ピッチャーの投げるタイミングは自分では決めることは出来ません。

(勿論、ピッチャーもタイミングをずらそうと色々やっています。)

ピッチャーとタイミングが合えば良いのですが、ピッチャーとのタイミングが合わなかった若しくは自分の始動が遅れた時はほとんど打てません。

アウトコースは始動が遅れても、ある程度技術があればなんとか当てる(対応する)事はできますが、普通のプロ野球選手ですら難しい事ですので、学童野球では更に厳しくなると思います。

 

その点、足を上げない(すり足)場合、スイングの力は多少落ちるかもしれませんが、対応力は足を上げるのに比べて各段的に上がります。

軽く上げる程度ならそこまで影響はないので問題ないのですが、高く上げるのはあまりよくないのかなと思います。

 

ただ一つだけ言えることは、足を上げない方が、この基本的な部分を簡単にできるし意識することが減るということです。

間違いなく、基本的な部分は足を上げないほうが簡単に出来ます。

もし足を上げることで特別打ちやすいと感じることがないのであれば、足は上げないほうがいいと私は思います。

しかし、私は足を上げることはデメリットが多い気がします。

勿論、そのデメリットを ものともせずにうまく振ることができるなら、足を上げることは全然いいと思っています。

なので私は足を上げないのをおすすめしますが、上げたほうが打ちやすいという人もいます。

 

ですので、基本・基礎ができていればどちらでもOKと言う事ですかね。


塁の占有権

2019年01月12日 06時13分00秒 | 少年野球

これまた、新米審判からルールついて…。

 

今回は前に『ラウンダウンプレー』で少し触れました『塁の占有権』についてです。

この塁の占有権、響きは難しそうですが至ってシンプルです。

では塁にランナーが2人いた場合、あなたが塁審をしていたらどの様にジャッジしますか?

レギュラー(6,5年生)クラスではこの状況はあまりないですが、ジュニア(4年生以下)クラスでは、結構な頻度で発生します。

また審判でなく、監督コーチの目線から、この状況になった場合の対処法も含めて説明します。

では、この塁の占有権を簡単に説明します。

 

ルールには、

「2人の走者が同時に同一の塁を占めてはならない」

と規定されており、そのような事態が生じたときの塁の占有権について、次のように定めています。

つの塁を2人の走者が占めたときは、

「最初に正しくその塁を占めた前位の走者に占有権があり、後位の走者は触球されればアウトになる。」

とされ、「フォースの場合だけ、後位の走者に占有権がある。」

と表記されています。…難しいですよね~。

では判り易く、実例で説明します。


塁走者A君が塁を離れて3,2塁間に挟まれている間に、1塁走者B君が2塁に達しまた。

しかし、A君がタッグをくぐり抜けて2塁へ戻ってきたので、2塁上にA君とB君の2走者がいることになりました。

野手はどうすればよいか。また、監督コーチはどのように選手に指示すれば良いでしょうか?


では模範解答から。

A君に触球してもアウトになりません。

これはA君に塁の占有権があるからで、単独で塁に融れているときにタッグされてもアウトにならないのと同じ理由です。

B君にタッグしてはじめてB君がアウトになります。

塁に触れてはいるが、占有する権利のない塁に触れているので、塁を離れているときに触球されればアウトになるのと同じ理由です。

ここまで大丈夫ですか~。

 

かなり前に見たことのある試合で、上記のように、2塁に2人の走者ができたことがありました。

このとき選手はどちらにタッグしたらよいか分からず、A君とB君(確かベンチから「両方タッグしろ」って言っていたような気がします…)

両方にタッグしたので、審判がアウトを宣告したところ、2塁の走者A君もアウトと勘違いしてベースから離れたところをタッグされダブルプレーになった事を思い出しました。

 

だから、監督コーチはこの"塁の占有権"を多少難しくても選手に教えてなくてはいけません。

 

また、審判目線から解説させて頂くと、この審判は間違いでは無いが、正しくはアウトになった走者だけを指先「He is out!」を言えば良かったと思います。

あと最後に、ベンチも審判から「あなたはアウトだからベンチに帰りなさい」と促されるまで、ベースから離れるな!と指導しておけば、もっとよかったかもしれませんね。

 

いずれにせよ守備側の指導としては、塁上に2人の走者が占めたときは、後位の走者がアウトとなるが、

「両方の走者に球をつけて、前位の走者の動きに注意し、うっかり塁を離れた瞬間を見逃すな」

と教えた方がベストだと思います。

相手も錯覚して離れてくれる可能性もありますから。