こぐまのらくがきファイル

日々の出来事、思ったことをつづります。

絵の名前

2018-03-23 10:36:08 | 気づき


今年度もあと少しで終わりですね。

毎年買っている有元利夫のカレンダー、三月は「覆われた時計」となっています。

この絵のタイトルには画面にはない時計という小道具が書かれています。
へぇ、どんな時計なんだろ?とか思う訳ですが、有元さんは実際に制作時には時計を描いていたそうです。
しかし、人物と時計の意味関係が強くあらわに出過ぎてしまう気がして赤い布で覆ってしまったのだとか。
でもその関係が全くなくなってしまうのも困るからタイトルで種明かしをしたそうです。

もともと有元作品はシンプルなタイトルが多いのですが、この作品に関してはそういう経緯で捻りを感じます。有元さん自身もタイトルは見る人を絵の奥へいざなうことが出来る入り口と言っています。

タイトルと言えば、私も学生の頃に絵を制作したあと、小さな公募展に出す為に題名をつけなくてはなりませんでした。
題名を考えて描いていなかったのでかなり悩んだことがあったのを思い出します。

絵は人物画で、自分の母が洗濯物をたたんでいる様子を描いたものでした。背景に青い空の窓があったので、天気のタイトルをつけようと考えつきました。
できたら長雨のあとの晴天がいいなとあれこれ考えて、梅雨の合間に晴れる日にしようと思いました。

そこで何か正式な気象用語でもあるかもと、気象台に問い合わせたのです。
今思うと笑えますが、気象台の方も「うーん、梅雨の晴れ間?とか梅雨晴れとか?特に呼び方はないのですけど…」
という回答。

まぁ、絵のタイトルなのでイメージでよいか、と「梅雨晴れ」にしました。

その後、ありがたくもその絵は小さな賞をいただいたのですが、大学の先生や公募展の関係の方が
「この絵はタイトルが良いね」(そこ?笑)
とか、
「どーんとお母さんを描いて梅雨晴れってのがいいね。」
と言われました。

捻りを効かせたつもりはないし、母を描いたのも、実は元は大学の課題でもあった「人物画」だったからなのです。
ただ、人物画とは言え背景に情景的なバックにしたせいもあり天気のタイトルになった。

単純な経緯ではあるけれど、タイトルは少なからず作品に影響する。
改めてそんなことを感じた経験でした。

有元利夫のカレンダーの月が変わるたび、近眼の目で小さなタイトルを除き込む。
そしてもう一度絵を観る。

そんな小さな愉しみも絵を観ることのひとつなのだなぁと思います。











パレットの整理

2015-08-04 09:55:22 | 気づき

水彩パレットの整理をしました。


最近 水彩絵の具の補充をした機会に、色のチェックもしました。
パレットにチューブの絵の具を固めてから 溶いて使っているのですが、だんだん汚れたり他の色がまざったりして何色だったのかわからなくなってきます。

パレットもいくつか持っているので、改めてチェックしました。

学生時代から使っているホーローのパレット、一部が錆びて絵の具にも影響しています。
これ、使うのはまずいかな?
あまり使わない色の部分ですが…。

最近買った、水彩絵の具の中ではびっくりする程 高値のシュミンケの絵の具。
ついに買ってしまいました(^^;
キナクリドンバイオレットとトランスルーセントオレンジの2色。
高くて2色しか買えませんでした。
水彩画家の永山裕子さんもイチオシの色です。

まぁ、日本画の岩絵の具に比べたら使い切るのに時間がかかりますから安いのかもしれませんが…。

色の名前がイマイチ頭に入らない私は、たくさんの色を使いこなせていない原因があります。
混色の経験不足もあると思います。
反省しきり。


こんな色あったんだ…


あれ、同じメーカーで同じ色買っちゃってる。


色の名前は違うけど そっくりな色!?


同じ名前なのにメーカーでかなり違う発色!


印字にカタカナがなくて読み方がわからない!


聞いたこともない名前の色…もしや廃番の色か?


これ どんな色だっけ、あ、出ない!


かちんこちんのチューブ。


パレットに出してあるのに使ってない色…



・・・そんなこんなと反省したりびっくりしたり。



でも楽しい。


これを機に混色実験して買わずに済む色が出てくるのではないでしょうか。
追加補充しないといけない色も
あるでしょう。

100均のパレットにちびちびと絵の具を出してみます。

すっかり絵の具で遊んでる感じ。




さてさて描きましょう。






目からウロコが落ちた本

2015-05-10 17:05:25 | 気づき


最近図書館で、何度も延長して借りている本が何冊かある。
そのうちの1冊がこれ。

雑草に関する本である。
悪者にされがちな雑草だけど、実際には雑草という名の草はなく、どれもきちんと名前があり、花言葉まである。

とても美しい響きの名もあれば、誰がつけたのだろうという酷い名もある。
写真もついていて、各雑草の性質や不思議さも解る。

とても可愛くて植えたいのもあるし、後々やっかいになりそうなものもある。

そして、驚いたのは雑草が何故生えるかとか、虫たちとの関係。
土との関係。

すべては生態系の一部。
何でも生やしておけばよいものでもないが、この本を読むと除草剤は使う気がしなくなる。

花や野菜との関係もあるので、どれを抜くか悩むところだけど、まだうちは引っ越してきたばかりだし、様子をみながら本で調べながら進めている。

読み物としても面白いのでお奨めの本である。
きっと目からウロコな真実にびっくりするはず。

その次はこれ。


家庭菜園のために参考にしようといくつか借りたうちの1冊。
別に自然農法をやる訳じゃないけど、知っておいてもいいかなぁと借りてみた。

またまたびっくり、目からウロコな内容。

土を耕さない農法なのである。

種をまくところだけ雑草を取り、なるべく土をさわらないようにそっと蒔き、取った雑草を傍らに置いて野原の中で育てるのである。

つまり、自然に任せてというか野菜の本来の力で根を出させて、他の植物に負けないように野菜自身に思わせて、たくましく成長させるというのだ。

当たり前になっている通常の農業が、過保護な作り方だということに驚く。
確かに昔は化学肥料や農薬なんてなかっただろうし、ビニールで覆ったりとかの資材も少なかったと思う。

野原に太い大根が生えたりってのは可能なはずなのだ。
植物は色々な種類が共存し、強いものが残っていく。
組み合わせでは助け合ったりもしている。

確かに、同じ種類の野菜が一列に並んでいるのは不自然なことかもしれないと思う。

草むらの中でたくましく育った野菜はきっとおいしくて、栄養もあるんだろうなぁ。

本当に目からウロコな感じで、当たり前なことが見えなくなっている現代の人に必要なことが書いてあったので、一部引用してみた。↓

雨は天から降ると普通思ってしまうが、ここでは
「雨は大地から降る」が正解。
「大地に緑があるから水分が蒸発して雨が降る。
緑がない砂漠には雨が降らない。」
それは草を敵とし、緑をおろそかにしている現代農業への警告である。

・・・・・・・・・・・


この世界はひとつたりとも、間違いのない世界だ。
しかし、人の手が入ると、そこには相対する矛盾が生まれる。
例えば、人間が物事を赤と白に分けた途端、赤がいい、白がいい、と対立が生まれる。
国を国境で分けるから戦争がおこるし、分別することで経済活動が生まれ対立が発生し、優越がつく。ばかばかしいことである。

動物も植物も、この世には何億という種類の生物がいるのに、人間だけが便利になって、他の生物は不便になっている。
モグラの通り道を塞いで道路を作るのも人間のエゴである。
自然界にはたくさんの動植物がいて、人間以外の生物はみな、その世界のなかで無心に食べているし、おなかがすかなければ食べない。
人間が、無限の欲望に支配され、地球から浮いた状態で暴走していることの愚かさを知らないといけない。

・・・・・・・・・・・・以上

…とまぁ、大きな話ではあるけれど本当のことであり大切なこと。

改めて環境問題から色々と考えさせられた。

目からウロコな本に出会えてよかった。


知らないより知ってるほうが、絶対にいいなと思う。

オススメ本ですー。