カレンダーが届きました。
2014年 有元利夫カレンダーです。
毎年この時期になると注文している新潮社のカレンダーです。
以前のブログ記事でも取り上げましたが、有元利夫は画家としては10年程の活動でこの世を去り大変惜しまれた作家です。
もう随分前になりますが、豊橋市美術博物館で没後10年の回顧展が開かれていた時、私は当時の愛車 おんぼろスターレットを走らせ観に行きました。
会場では有元氏の好んだバロック音楽が流れ、チェンバロの心地よい音色に耳を傾けながら作品を観ました。
有元利夫作品のマチエールは独特で、洋画と言われながらも画材は日本画の岩絵の具などを使用されています。
画肌を引っ掻いたりして風化したような仕上がりになっています。
有元氏の奥様は陶芸家であり日本画家でもある有元容子さん。
夫人の影響も受けていたのかもしれません。
若き日の有元利夫が展覧会を開いている時に、当時の藝術新潮の編集長がギャラリーにふらりと立ち寄って目にとまり、藝術新潮の巻頭ページに掲載されて作家としての大きな一歩を踏み出した…と言われています。
やがて新潮社の小説のカバーを度々飾り、私も本の表紙絵が最初の出会いだったように記憶しています。
そして近年は、ずっとカレンダーで毎月変わる有元氏の絵を楽しんでいます。
来年もこの画家のカレンダー。
まだ早いですが 良い年になるといいな 、と思います。
ずっと変わらないスタイル。時代に媚びないスタンス。
僕が敬愛するジョットを彷彿させます。
良きイタリアを継承しつつ、画材にこだわらないところもグッド。
デザイン科出身の自分が、デザインや様式美から離れれば離れるほど有元さんも離れましたが、美しいものは美しい。
ね。
生きていたら自分の親より若いんだもんな。
有元氏は芸大時代にデザインだけでなく版画や彫刻も色々勉強し、音楽科の授業まで出てしまうという、好奇心旺盛な人だったそうですね。何でもやってみる、自分のものにしてみる。でも自分のやりたいことははっきりしている。私は学生時代そんな風ではなかったので、尊敬します。
もっと長く生きてたらたくさんの作品が観られたのになぁって思います^ ^
回顧展またやらないかなぁ。
久し振りに実物が観たい。。。