19日(日)の午後、東京国際フォーラムで幸福な時間を過ごすことができた。
佐野元春30周年アニバーサリーツアー:『ALL FLOWERS IN TIME 東京』
3月13日の55歳の誕生日に行われるライブだったのですが、この日に振り替え。
この日は、80~90年代の「元春クラッシック」の中でも、特にロックンロールが熱い夜だった。
セットリストは下記の通り。
彼の楽曲は、中学生の時から今でも聴き続けている。
中学の同級生から、「はるさんって、皆が、たのきんとかシブガキ隊とか言ってる頃に、佐野元春とか稲垣潤一とか聴いてたよね~」
その通り・・・
当時、FMラジオから聞こえてきた、ビートのきいたメロディラインにめちゃくちゃ高速(早口)で歌詞を乗っけて疾走感たっぷりに歌い上げた「アンジェリーナ」から始まり
歌詞にあるニューヨークとか、ダウンタウンとか、マンハッタンとかどんなとこなんだろうといったな中学生的関心も手伝って30年。
この日のステージは、これまでとは違う本当に「特別の夜」だった。
声の調子も良く、ロックンロールもバラードも、本当に魂を揺さぶる雄々しいシャウト、切れのあるビートダンス、ホールの一体感、そして忘れてはいけないホーボー・キング・バンドの圧巻の成熟した演奏、演出のライトワークなど、本当に、本当に完成度の高い記念のステージだったと思う。
ホーボー・キング・バンドの演奏も毎回楽しみにしている。
特にこの日は、長田進・佐橋佳幸のツインギターで、いつも以上に華やかだった。
この日は、お祝いの日。
そして、何度も繰り返される感謝の言葉。
この日、震災について触れられることはなかった。
チャリティ的な要素も何もなかった。
たった1度、東北地方から参加された方からの「思い切り楽しみたい」と書かれたメールが紹介され、「みんなもそうだろ?」と問いかけられた。
ひときわ大きな拍手がいつまでも鳴りやまなかった。
この人のスゴイところは、特別なお見舞いの言葉は使わずに、歌詞の中で傷ついたファン・被災地の方々にもメッセージしている。
葛藤や苦悩を乗り越えて、何かを信じ、肯定しながら、希望を歌い上げるそんな楽曲がそもそも多いのである。
そうやって楽曲に励まされて私も大人になった。
アンコールの「アンジェリーナ」の時、それまで暗かった客席にもライトが灯った。
白髪混じりや後頭部が薄くなったファンが多い。
ファンも同じように年を取った。
しかし、昔を懐かしむだけのステージではなかった。
『月と専制君主』というアルバムは、セルフカバーされた楽曲を集めたアルバムであるが、その楽曲の美しさにも魅了された。
若き頃の疾走感は影を潜めた分、無理がなく、優しく、穏やかで、何とも癒される。
『ヤングブラッズ』『レインガール』がジャズやワルツのように心地よい。
変化を続けている、そんな素敵な55歳と30年の年月を積み重ねてきた。
そのことが何よりもうれしい夜だったのです。
「Motoharu Radio Show」を聴きながらの更新です。
お読みいただきありがとうございます。
↓
佐野元春30周年アニバーサリーツアー:『ALL FLOWERS IN TIME 東京』
3月13日の55歳の誕生日に行われるライブだったのですが、この日に振り替え。
この日は、80~90年代の「元春クラッシック」の中でも、特にロックンロールが熱い夜だった。
セットリストは下記の通り。
彼の楽曲は、中学生の時から今でも聴き続けている。
中学の同級生から、「はるさんって、皆が、たのきんとかシブガキ隊とか言ってる頃に、佐野元春とか稲垣潤一とか聴いてたよね~」
その通り・・・
当時、FMラジオから聞こえてきた、ビートのきいたメロディラインにめちゃくちゃ高速(早口)で歌詞を乗っけて疾走感たっぷりに歌い上げた「アンジェリーナ」から始まり
歌詞にあるニューヨークとか、ダウンタウンとか、マンハッタンとかどんなとこなんだろうといったな中学生的関心も手伝って30年。
この日のステージは、これまでとは違う本当に「特別の夜」だった。
声の調子も良く、ロックンロールもバラードも、本当に魂を揺さぶる雄々しいシャウト、切れのあるビートダンス、ホールの一体感、そして忘れてはいけないホーボー・キング・バンドの圧巻の成熟した演奏、演出のライトワークなど、本当に、本当に完成度の高い記念のステージだったと思う。
ホーボー・キング・バンドの演奏も毎回楽しみにしている。
特にこの日は、長田進・佐橋佳幸のツインギターで、いつも以上に華やかだった。
この日は、お祝いの日。
そして、何度も繰り返される感謝の言葉。
この日、震災について触れられることはなかった。
チャリティ的な要素も何もなかった。
たった1度、東北地方から参加された方からの「思い切り楽しみたい」と書かれたメールが紹介され、「みんなもそうだろ?」と問いかけられた。
ひときわ大きな拍手がいつまでも鳴りやまなかった。
この人のスゴイところは、特別なお見舞いの言葉は使わずに、歌詞の中で傷ついたファン・被災地の方々にもメッセージしている。
葛藤や苦悩を乗り越えて、何かを信じ、肯定しながら、希望を歌い上げるそんな楽曲がそもそも多いのである。
そうやって楽曲に励まされて私も大人になった。
アンコールの「アンジェリーナ」の時、それまで暗かった客席にもライトが灯った。
白髪混じりや後頭部が薄くなったファンが多い。
ファンも同じように年を取った。
しかし、昔を懐かしむだけのステージではなかった。
月と専制君主(CD+DVD) | |
クリエーター情報なし | |
DaisyMusic |
『月と専制君主』というアルバムは、セルフカバーされた楽曲を集めたアルバムであるが、その楽曲の美しさにも魅了された。
若き頃の疾走感は影を潜めた分、無理がなく、優しく、穏やかで、何とも癒される。
『ヤングブラッズ』『レインガール』がジャズやワルツのように心地よい。
変化を続けている、そんな素敵な55歳と30年の年月を積み重ねてきた。
そのことが何よりもうれしい夜だったのです。
「Motoharu Radio Show」を聴きながらの更新です。
お読みいただきありがとうございます。
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私も中学生の頃から大好きで土曜にライブに行ってきました。
感じたことも一緒です。ただこんなに上手に表現できませんが。
共感できる文章に出会えてよかったです。
コメントありがとうございます。
同じ気持ちで同じ時間を過ごせたことをうれしく思います。
以前のライブで、「僕も年を取ったけど、皆も大人になったよね」
ってMCがあった時に、妙にウケたことがありました。
そして、その時の「約束の橋」で、本当に自分の過去も未来も改めて肯定できるようになったと思います。
「つまらない大人になりたくない」
あの頃から見て、自分はどんな大人になっただろうか・・・
今となってみれば「つまらなくても、つまらなくなくても」どっちでもよいように思うのですが、
いつか自分自身に「長い手紙を書くだろう」かも・・・
そんな思いで「ガラスのジェネレーション」や「ヤングフォエバー」を聴いていました。
これからも楽しみにしています。
ハンドルネーム素敵ですね。
エピックソニーのモニターで聞いたアンジェリーナは鳥肌が立った。言葉がなかった。
つまらない大人にはなりたくない。
そう思いながら僕は自分なりにやってきたけど、50を目前に自問自答です。
佐野元春はつまらない大人じゃない。
うーん、ああいう歳の取り方をしたいな。
これからの10年を頑張らないと・・・
コロニーアイランドに行って、レコードジャケットと同じ場所に立った84年の夏。
あの頃の自分と今の自分の融合が出来るといいなと思ってしまいます。佐野さんの歌を聴いてると出来そうな気分になるから不思議です。
コメントありがとうございます。
shigeさんのコメントで当時のことがまた蘇ってきました。
私は、中学校1年生だったと思います。
まだまだ同年代がアイドルに夢中になっている頃。
「アンジェリーナ」衝撃的で、そこからの吸引力はすごかった・・・
しかし、90年代に入り、約束の橋以降、理由があって邦楽から離れ、
元春さんの曲から疎遠になりました。
2000年代になり「The sun」で、いつも前から導かれていたように感じていた楽曲が、
隣にいてくれるような寄り添い感で溢れ、個人的につらい時期に痛みを
洗い流してくれるようでした。
「Coyote」の時は、仕事で転換期にあり、
方向性を模索している時に、背中を押してもらったように思います。
もしかして女性的な受け取り方なのかもしれませんが、そんなこんなで私は大人になりました。
それにしても
>すごい曲を書くんだよと佐橋に紹介された。
佐橋さん直々に、ってスゴイですね。
いずれにしても、あんな風に年をとりたいって気持ちはわかります。
アンジェリーナの頃には、今の元春さんの姿は予想もできませんでしたが、
こんなステキな大人を追いかけられる幸せはまだ感じていたいですね。