こんな女将の独り言(神戸福原ぼっかけ「あーちゃん」お店blog)

神戸は福原で細々と営んでいる「ぼっかけうどん」のお店「あーちゃん」の女将がうだうだと日々のあれこれを語ります(笑)

お見送りの時。。(今回も長文で🙏💦)

2023年06月08日 | Weblog
旅行に行く前の日曜日の夜、

うちの常連さんでもあり、

お友達でもあった方

亡くなったと知らせがありました。

享年61才でした。


過去のブログでも

その方の病気(ALS)について

お話しさせていただいたことが

ありましたが。。

あまりにも速すぎる死に

病の恐ろしさも然ることながら、

令和のこの世でも未だに

何の治療の術も無い現実に

強い憤りを感じます🥺



Sさんが

ALSを発症したのは三年前。

それから亡くなるまでの日々を

Sさんの我が儘につきあってきた

Sさんの彼女さん。。

その彼女さん自身も大腿骨の病気があり、

年末から新年にかけて
入院をしなければならなかった、

そんな身体にも関わらず、

Sさんのことを最後まで

献身的に看病してこられてました。

そして、

身内より身近な親友だったMさん夫婦も、

Sさんのためにスナック貸しきりで

親しい友人(この中に大将と私も入れていただけたことは今でも光栄に思っています)を招待して

Sさんを励ます会を開いたり、

常にSさんに寄り添い

少しでもSさんに

生きる気力を

持ってもらいたいと願っていました。。

Sさんは

医師からALSの宣告を受けた時から、

病の進行がどういう過程を辿るかを思うと、

最終的には延命は望まないこと、

最後は安らかに逝きたい。。

という希望を選択していたとのことで、

亡くなる前には

呼吸も困難になってきた為に

喉を切開して人工呼吸器を使用すれば

延命もできたのだろうけれど、

Sさん自身の、

周りの人に迷惑をかけたくない。。

という思いから、

延命は希望しない

と伝えていたそうで。。

でも、亡くなる数日前は、

身体が痛く、呼吸も辛そうで

Sさんの彼女が、

痛み止(モルヒネ)投与を始めるか、

と聞いたら、

まだいい、、、と、

口を動かしたとのこと。。

その話を

Sさんが亡くなる数日前に聞かされた時は、

Sさんは

周りにいる彼女さんやMさん夫婦と

まだまだ一緒にいたいのだと感じました。

というのも、

最後の選択の、

そのモルヒネを投与し始めると、

痛みもなく眠ったままの状態になり、

一週間か二週間後には

そのままの状態で

亡くなってしまうのだそう。。

殆ど安楽死に近い処置方法でも、

自分の命が終わってしまうことに

躊躇いがあったのは、

Sさんにはまだまだこの世に

未練があったからでしょうね。。

けれど、

その未練を持つことも許されないまま、、、

それから直ぐにSさんはあっけなく

天に召されてしまいました。。

枕元にいた人達にありがとう

ゆっくり、ゆっくり、、

口を動かしてお礼を言い終えると

動けない体から抜け出して、

天国の階段を

上っていくかのように。。



葬儀の当日、

棺の中に眠るSさんの顔は、

何時ものはにかんだような笑顔で、

この世に

何の悔いもなく旅立った様に

私には思えました。


Sさんの祭壇の前に置かれた

カセットデッキから流れる音楽は

Sさんが生前好きだった歌が流され、

SさんがMさん夫婦のスナックで

マイクを握りしめて

歌っていた姿が目に浮かびました。。

なによりも

ALSを発症してから、

僅か三年足らずで

この世を去ったSさん。。

明日に希望を持つことも

許されなかった日々を

どのような思いで過ごされただろうか、、、

元気な時は、

昔ヤンチャしてた頃の友達が困っていると

自分の事のように

親身になって助けていたSさん。。

そんな友達が一人一人と亡くなり、

自分が大病を患った時は、

何故自分が、、と苦悩したと思う。。

けれど、

動けなくなり、言葉も失い、

ただ生きているだけの身に

なってしまった時、

Sさんの友達がSさんに

真心を与えてもらった時と同じく、

Sさんも回りの人達の真心に

感謝したと思います。。

そんなSさんの生前の

色んな事を思い出しながら。。

やがてお見送りの時が来て、

いよいよ読経が始まった時、

その読経があまりにも

Sさんのお見送りに相応しすぎる、

そんな感じがしたのは

私だけでしたが😅

その読経は、

まるで美輪明宏さんそのもの💦

三輪さんのショーでシャンソン

を聴いているみたいな、

不謹慎だけど😅

お経には聴こえなくて、

心に響くご住職の声に感動して

涙がでなかったという。。😅

それから出棺の時がきて

玉置浩二の歌が流れる中、

皆に見送られて

Sさんは黄泉の国へと旅立たれました。。

私は棺の中のSさんを拝見した時、

Sさんにかけた言葉は

Sさん、お疲れさまでした。。
来世で又もし出会えたら、また自慢の歌を聴かせてくださいね

でした。。

今頃は、

あの世で先立ったヤンチャ仲間と

再会して昔の武勇伝に

華を咲かせているでしょうか(笑)



奇しくも、今月の新聞に、

ALSの治療薬が日本で承認される前に患者に投与を試みる。。

という記事が載っていました。

もっと早くにこのような治療薬があれば

Sさんも

もう少し希望が持てたのかな、、

世の中のALSの患者さんに

希望が持てる治療薬が

一日も早くできますことを

お願いしたいです。
































































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