毎日お店にいると、淡々とした日常の中に
ふと、思わぬ「物語」を見ることがあるんです
例えば、お店に入ってきたいちげんさんが席につき、
ふと、隣り合わせになった横の人と目が合った瞬間、
その人が何十年ぶりかに再会した友人だったり、、。
先日も、そんな感じの再会を果たした方がおられました
Mさん夫婦は毎晩来てくれる常連さんで、うちのお店のファミリー的存在
お二人は、再婚同士なのだそうだけど、ホントに仲が良くて羨ましいぐらい。
そんなMさんには、奥さんも心配している一つの心残りがありました。
Mさんには一人息子さんがいたのだけれど、2年前に、あることから喧嘩をしてしまい、
そのことがきっかけで息子さんが音信不通になってしまったのだそうで、
もう2年、どこで何をしているのかも分からないといっていました。
そのことを知るきっかけになったのは、
うちのお店にMさんがいた時にたまたま入ってきた一組のお客さんが
これまた、たまたまMさんの元奥さんの知り合いで、
その人の息子さんとMさんの息子さんが同級生だったことから、
Mさんの横に座ったその女性がMさんの息子さんのことを話し出し・・・
他人から、良い話を聞かされるのならば気持ちよく酒も飲めただろうに、
その時の話は、耳から聞こえてくるどの言葉も不快なもので
当然Mさんも顔色を失って、今にも拳を振り上げそうな形相でしたが
Mさんの奥さんや私たちのことを気遣い、ぐっとこらえておられるようでした
そのことがきっかけで、閉店後にMさん夫婦が私と大将に息子さんの話をしてくれたのでした。
Mさんは、息子さんと音信不通になってしまった後も、心のどこかで息子さんのことをすごく心配していたのでしょう・・・、
だから、心もとない、突然聞かされた息子さんの悪評に心を痛め、
それからというもの、お店でお酒を飲みながらも時々息子さんのことをふと思い出すのか、
「どこで何をしとるのやら・・・ほんまに・・・」と、ため息交じりに呟くことがあり、
私達も、Mさんの息子さんの消息が気になり始めていました。。
そんなある日のこと、
いつものようにMさん夫婦がご来店。。
うちの店で知り合った他の常連さんとお喋りしていると、2人組の母娘がご来店。
「もう一人後から来ます」と言われ、席を一つ確保して満席状態になりました。
暫くすると、母娘が待っていた「一人」がご来店。
すると、店にいたMさんがその「一人」を見てびっくり、「一人」さんもびっくり・・・
後から入ってきた方は、な、なんと、Mさんが心配していた「息子」さんだったのです
そして、店で待っていた母娘は、Ⅿさんの息子さんの彼女とその母親で・・・
Mさんの息子さんは、車の免許もちゃんと取得して仕事も頑張り、近々彼女とは挙式を上げるとのこと。。
息子さんはMさんの側に座り、Mさんにこれまでの音信不通を詫び、きちんと父親に今までの経緯を話されていたようで
Mさんもホッとした様子でした。。
お商売をしていると、、思わぬ再会があったり、出会いがあったり、いろんな輪が広がり
おかげで沢山のお友達に恵まれたり、また、不思議な「えにし」を感じることもあったりします。。
これって、うちのお店だけなのでしょうか・・・?
たまたま入ってきた人が、これまたたまたま入ってきた人と知り合いだったり、
しかも、うちのお店って、場所が場所なので、「出会う」ことってめったにというか、殆ど無いように思うのに
うちに来られるお客さんって、お客さん同士が妙に繋がってたりして、
そんな繋がりを誰かが手繰り寄せるのか否か
私たちの目の前で「いやぁ~!なんでこんなところで会うの?!」みたいな、再会劇が見られるのって
ホントに奇遇なのか奇跡なのか、なんなのか。。。
今夜もどこかの誰かが思わぬ出会いや再会ができますように・・・、
そんな思いでお仕事頑張りまーーーす