自治会が取り組む孤独死ゼロ作戦
講師:大嶋愛子(松戸市常盤平団地地区社会福祉協議会会長)
本来は、NPO法人孤独死ゼロ研究会理事長の中沢卓実(なかざわたくみ)さんが講師をしていただくようになっていましたが、この間脳梗塞になり、一度は他の講演に出かけるくらいまで回復したようですが、また良くなくなったということで、松戸市常盤平団地地区社会福祉協議会会長の大嶋愛子(おおしまあいこ)さんがピンチヒッターとして講演していただきました。
私は、恥ずかしながら知らなかったのですが、千葉県松戸市常盤平団地自治会は孤独死ゼロを目指して住民活動を行っているのが全国的にも有名なところです。
きっかけは、2001年に白骨化した男性の遺体が発見され、死後3年が経過していたという出来事だそうです。家賃や光熱費は口座から自動引き落としされていたため、残高がなくなるまで3年間、誰も気づくことがなかったのです。
また、翌年2002年には、こたつに入ったままで死後3カ月になる50歳代の男性が見つかりました。この痛ましい出来事を、たまたまの出来事と捉えることも出来たが、それとも大問題と捉えることで、「孤独死ゼロ作戦」と繋がることになったそうです。
2004年には年間20名の孤独死があったものが現在では10名以下の孤独死にとどまり、3日以内に発見されるようになったそうです。
三木市ではどのくらい孤独死があるのか気になったので聞いてみました。
残念ながら現在行政としては把握していないようです。
松戸市では常盤平団地自治会と社協の要望にこたえて平成15年から市内における孤独死の実態を公表しています。
孤独死があった場合には記者クラブで発表しているそうです。
平成22年に行った厚生労働省の陳情では孤独死の定義を定めることと孤独死の全国的な実態調査を求めています。孤独死が問題になってはいますが、定義さえなく、実態もつかもうとしていないことに疑問を感じます。
孤独死になりやすい、いわば「孤独死予備軍」ともいうべき方の特徴として“ないないづくし”であるということだそうです。1.料理をしない 2.ゴミ出しや整理整頓ができない 3.友だちがいない 4.隣近所にあいさつをしない 5.連絡をとれる親戚がいない 等が上げられます。これらの“ない”生活を“ある”生活に変える努力を住民がする必要があります。特に重視するのは挨拶だそうです。
行政(松戸市)は「孤独死ゼロ作戦」の4つの課題(①孤独死を発生させる社会的背景②孤独死の実態把握③8つの対策④いきいき人生への啓蒙、啓発)に挑戦していくとしています。
http://www.city.matsudo.chiba.jp/library/contents/7d63180931291c5/nanasyou.pdf
今回新たな認識をもったのは、孤独死が高齢者の問題ではないということです。今の社会情勢の中で今後若年層にもっと広がっていく可能性は大いにあることは認識しておく必要があると思いました。
また、孤独死の問題って何なんだろうかと考えてみました。
物質的には人間が虫のエサになることや、そのことにより建物の価値が下がったりすることが問題です。
しかし、本質的なことを考えると人間の尊厳なのかなと思います。孤
独死になる人は、生前はみんなの迷惑をかけないようにという思いもありながら、他人との交流を持とうとしないわけです。
それでも、結局死ぬときには多くの人がかかわるのです。
そのとき惨めな死に方をするのは、本人も回りの人間も本意ではないはずです。
では人間が死んだときに本人も周りの人間もお互いが感謝出来る関係があることがいい死に方ではないかなと今思います。
ここまで考えると、自殺の問題も同じなのかも知れません。
常盤平団地の取り組みは、一見、孤独死の人を救済する活動ですが、実際は自らが孤独死にならないようにする取組なんだと思います。
※講演の内容とまったく同じではないですが、頂いた資料の内容に近いものとして中沢さんが他の団体で講演されている内容をまとめた内容が書かれています。
http://aichi-hkn.jp/member/110119-102035.html
講師:大嶋愛子(松戸市常盤平団地地区社会福祉協議会会長)
本来は、NPO法人孤独死ゼロ研究会理事長の中沢卓実(なかざわたくみ)さんが講師をしていただくようになっていましたが、この間脳梗塞になり、一度は他の講演に出かけるくらいまで回復したようですが、また良くなくなったということで、松戸市常盤平団地地区社会福祉協議会会長の大嶋愛子(おおしまあいこ)さんがピンチヒッターとして講演していただきました。
私は、恥ずかしながら知らなかったのですが、千葉県松戸市常盤平団地自治会は孤独死ゼロを目指して住民活動を行っているのが全国的にも有名なところです。
きっかけは、2001年に白骨化した男性の遺体が発見され、死後3年が経過していたという出来事だそうです。家賃や光熱費は口座から自動引き落としされていたため、残高がなくなるまで3年間、誰も気づくことがなかったのです。
また、翌年2002年には、こたつに入ったままで死後3カ月になる50歳代の男性が見つかりました。この痛ましい出来事を、たまたまの出来事と捉えることも出来たが、それとも大問題と捉えることで、「孤独死ゼロ作戦」と繋がることになったそうです。
2004年には年間20名の孤独死があったものが現在では10名以下の孤独死にとどまり、3日以内に発見されるようになったそうです。
三木市ではどのくらい孤独死があるのか気になったので聞いてみました。
残念ながら現在行政としては把握していないようです。
松戸市では常盤平団地自治会と社協の要望にこたえて平成15年から市内における孤独死の実態を公表しています。
孤独死があった場合には記者クラブで発表しているそうです。
平成22年に行った厚生労働省の陳情では孤独死の定義を定めることと孤独死の全国的な実態調査を求めています。孤独死が問題になってはいますが、定義さえなく、実態もつかもうとしていないことに疑問を感じます。
孤独死になりやすい、いわば「孤独死予備軍」ともいうべき方の特徴として“ないないづくし”であるということだそうです。1.料理をしない 2.ゴミ出しや整理整頓ができない 3.友だちがいない 4.隣近所にあいさつをしない 5.連絡をとれる親戚がいない 等が上げられます。これらの“ない”生活を“ある”生活に変える努力を住民がする必要があります。特に重視するのは挨拶だそうです。
行政(松戸市)は「孤独死ゼロ作戦」の4つの課題(①孤独死を発生させる社会的背景②孤独死の実態把握③8つの対策④いきいき人生への啓蒙、啓発)に挑戦していくとしています。
http://www.city.matsudo.chiba.jp/library/contents/7d63180931291c5/nanasyou.pdf
今回新たな認識をもったのは、孤独死が高齢者の問題ではないということです。今の社会情勢の中で今後若年層にもっと広がっていく可能性は大いにあることは認識しておく必要があると思いました。
また、孤独死の問題って何なんだろうかと考えてみました。
物質的には人間が虫のエサになることや、そのことにより建物の価値が下がったりすることが問題です。
しかし、本質的なことを考えると人間の尊厳なのかなと思います。孤
独死になる人は、生前はみんなの迷惑をかけないようにという思いもありながら、他人との交流を持とうとしないわけです。
それでも、結局死ぬときには多くの人がかかわるのです。
そのとき惨めな死に方をするのは、本人も回りの人間も本意ではないはずです。
では人間が死んだときに本人も周りの人間もお互いが感謝出来る関係があることがいい死に方ではないかなと今思います。
ここまで考えると、自殺の問題も同じなのかも知れません。
常盤平団地の取り組みは、一見、孤独死の人を救済する活動ですが、実際は自らが孤独死にならないようにする取組なんだと思います。
※講演の内容とまったく同じではないですが、頂いた資料の内容に近いものとして中沢さんが他の団体で講演されている内容をまとめた内容が書かれています。
http://aichi-hkn.jp/member/110119-102035.html