多くの住宅の設計と検査をしてきて最近になって思う事があります。
若いころは気が付かないかあまり気にしていなかったことですけど、高齢になってみると最後まで過ごしたいと思う家の間取りや構造。
我が家は先輩事務所がやった建売の売れ残りを買ったのですが、建売と言うのはだれが住んでも一応住める間取りをしていました。
広くなく、一般的な間取りでとりあえず家事の動線にも問題なく、何よりいいのは買い物や病院、銀行、駅が近いことです。
最近の住宅を検査して沢山の住宅を見ていますが、使いやすさを無視した奇抜に思う間取りや外観はすぐ飽きます。
高齢期まで使える住宅とは、
生活に便利な場所にある事。
車などに乗らなくなった時、電車やバスの移動になります。
駅や停留所に近いのは助かります。
無駄に広くない事。
使う場所は決まってきます。
無駄に広くても物を雑然と増やしたり掃除をしたりするのが面倒になるだけです。
ダウンフロアとか畳スペースなど不必要な段差が無いこと。
先日リビングの一部が広い範囲でダウンフロアになっていて落ちました。
幸い倒れないで部屋の端までふらつきながらも行って体を支えることが出来ましたが転倒したら骨折になりかねません。
うっかり落ちたりするような段差は避けるべきです。
家事の動線に無理がないこと。
2階の奥に台所があるような住宅は買い物やゴミ出しにも不便で、炊事をしている時誰か来たら出て行くのにも時間がかかります。
足腰が弱って慌てて階段を下りたりするのも危険です。
これは高齢期でなくても明らかに不便だと思います。
最近は各階にトイレがあるのが普通になっていますが、高齢期に使用する部屋が1階だと(1階がおすすめ)1階だけで良いのではないかと思います。
どうせ高齢期は夫婦か独居になるのですから使用する部屋から使い勝手の良い場所に1個あれば良いのではないかと思うのです。
トイレも便器の正面が入口ですと介助されるとしてもやりにくいです。
入口が便器の前、側面だと介助も自分で使うにも使い勝手が良いと思います。
まだまだ書きたいことがあるのでちゃんとまとめて続きは明日以降に。


