この歳になり、そして昨今の災害を見て、長年一級建築士事務所として独立していますが、気が付くことがあります。
都市部でも大雪、台風、地震などの被害が出るようになっています。
また、老化した時の事を考えていない住宅が多いことを実感しています。
階段や段差、間取りのまずさで高齢化した時苦労するだろうなと思う住宅も多く見られます。
住宅も昔のように住み手の変化に合わせて増改築で対処する時代では無く、車のようにどの会社のその車種にするかと言う完成した商品を選ぶ時代になっています。
でも一般の商品と違うのは、敷地に条件があり、住み手に条件があるところです。
大抵の住宅は30代、40代で建築され、夫婦と小さな子供、それに親世代同居 あたりの条件になります。
この年齢では高齢化した時の事は考えられません。
敷地は崖の下とか河川のそばで水害も考えられる所、明らかに風当たりが強いなと思われるところなど様々です。
沢山の住宅を設計したり検査してきて明らかに老化した時不便だな言う間取りも多く見ます。
災害も老化も経験しなければ解かりません。
今回台風被害、雪害を受けて都市部でも災害対策は必要です。
東京の家には雪止めがあまり付いていません。
雪止めが無いと落雪による被害、樋の被害が起こります。
屋根も風に対する強度が無いと周辺にも被害を及ぼす事態になりかねません。
風に飛ばされるものも考えなければなりません。
これからの住宅は今の性能に加えて老化(バリアフリーは今でもありますけど経験から考えたものでは無く机上で考えた条件が多いなと思われ、完璧とは言えません)防災(耐震性能などはありますが周辺に被害を及ぼしたり雪害、風害などはありません)を重視したほうが良いと思います。
これらは高齢者等や災被災者から広くデータを集め、設計者の教育が必要だと思います。
これらは経験しなければ解からないことも多いので、高齢化した設計者、災害経験者などの活用も考えたほうが良いなと思っています。