☆史上最強の法則-海外支局☆

☆The Unrivaled Principle in History☆

優駿の法則3

2011-05-24 00:00:00 | ダービー馬を探せ!2011
かつて、時の英国首相ウィンストン・チャーチルはこう言った。
「ダービー馬のオーナーになるのは、一国の宰相になるより難しい」と―

真偽の程は定かではないが、競馬に携わる全ての者にとっての夢がダービー制覇であることは間違いない。
青葉賞で惜しくも優先出走権を逃し、連闘でプリンシパルSに臨み、出走権をもぎ取ったトーセンレーヴの陣営の執念には頭が下がる。
WIN5で2億円をゲットしようと思えば、WIN5を買わなければならないように、ダービー馬になるにはダービーに出走しなければならないのは当たり前。馬主サイドからのリクエストなのかどうかは分からないが、連闘後の中2週でダービーへ。まるで、馬が壊れるのも辞さない使い方。無理をしなくとも同馬主にはトーセンラーがいる。目指すのはその先の栄光であって、ダービー出走がゴールではないはずだ。そもそもダービーはそんなに甘くはない。馬場改修後の03年以降の8頭のダービー馬全てに、重賞勝利実績があるのだ。

■血統傾向~03年以降■

90年以降の過去21年を遡っても、重賞未勝利でダービーを制したのは、あの「音速の末脚」フサイチコンコルドただ一頭のみ。もっと言えば、過去8年で3着以内に入った24頭のうち重賞勝利実績がないのは、05年3着シックスセンス、08年3着ブラックシェルの2頭のみである。

ダービー馬への道のり―
それは並大抵の険しさではない。そこに辿り着くには、いくつもの難関を突破しなければならない。
まず第一に重賞連対実績があること。前出の重賞勝利実績のない2頭には重賞2着の実績がある。これが足切りライン。

<登録馬中の重賞連対実績のない馬>
×ギュスターヴクライ…青葉賞4着/弥生賞6着
×スーザングレート…スプリングS18着
×トーセンレーヴ…青葉賞3着/毎日杯3着
×リベルタス…皐月賞18着/スプリングS13着/朝日杯FS3着
×ロッカヴェラーノ…皐月賞6着

残念ながら、重賞連対実績のなりトーセンレーヴは、優勝どころか3着以内すらも危うい。
陣営の目論みとは裏腹に、目の前には乗り越えられない壁=重賞連対実績という厳然とした事実が立ちはだかっているのだ。トーセンレーヴーはフサイチコンコルドではない。大舞台を前にして、既に燃え尽きてしまった矢吹丈である。
ただただ、無事に完走することを願うのみ。

第一関門を突破したのは17頭。だからといって、この17頭全頭にダービー馬になる資格があるわけではない。スタートラインに立っただけである。
ダービー馬の条件、それは前述の重賞勝利実績の他に2つある。つまり、合計3つの難関をクリアしてこそ、はじめてダービー馬の栄冠を手にする資格を得ることができるのだ。

■ダービー馬の条件■
過去8年のダービー馬全てには、3つの共通項がある。

1.重賞勝利実績
03年ネオユニヴァース…皐月賞/スプリングS/きさらぎ賞
04年キングカメハメハ…NHK/毎日杯
05年ディープインパクト…皐月賞/弥生賞
06年メイショウサムソン…皐月賞/スプリングS
07年ウオッカ…チューリップ賞/阪神JF
08年ディープスカイ…NHK/毎日杯
09年ロジユニヴァース…弥生賞/ラジオNIKKEI杯/札幌2歳S
10年エイシンフラッシュ…京成杯

よって、重賞で2着が最高の馬には、3着以内に入れる資格はあってもダービー馬の資格はない。

<該当馬>
×エーシンジャッカル…NZT2着
×コティリオン…NHK2着/毎日杯2着
×デボネア…京成杯2着
×ベルシャザール…スプリングS2着
×マイネルラクリマ…新潟2歳S2着
×ユニバーサルバンク…京都新聞杯2着/共同通信杯2着

ここで6頭が脱落し、残ったのは11頭。だいぶ絞られてきたが、まだまだ険しい道のりは続く。

2.前走が皐月賞かNHKマイルに出走

<非該当馬>
×ウインバリアシオン…青葉賞1着
×クレスコグランド…京都新聞杯1着
×ショウナンパルフェ…青葉賞2着

ここで穴人気になりそうな3頭が脱落。残ったのは8頭だが、最終関門を潜り抜けられるのは果たして何頭いるのか?

3.上がり3F3位以内率が70%以上
これはかなり厳しい条件であるが、8頭のダービー馬は見事にクリアしている。
<上がり3F成績>
*左から【1位-2位-3位-4位以下/合計】3位以内率の順
03年ネオユニヴァース…【2-2-1-1/6】83.3%
04年キングカメハメハ…【4-1-1-0/6】100.0%
05年ディープインパクト…【4-0-0-0/4】100.0%
06年メイショウサムソン…【3-2-2-3/10】70.0%
07年ウオッカ…【5-1-0-0/6】100.0%
08年ディープスカイ…【4-4-1-1/10】90.0%
09年ロジユニヴァース…【1-1-2-1/5】80.0%
10年エイシンフラッシュ…【3-1-1-1/6】83.3%

残念ながら、皐月賞2着サダムパテック、同3着のダノンバラード、同12着フェイトフルウォー、そして同16着オールアズワンは、ここまで。

というわけで、この3つの難関を突破したのは…

<該当馬>
*左から重賞勝利/前走/【上がり3F成績】/同3位以内率の順
オルフェーブル…皐月賞・スプリングS/皐月賞1着【6-0-0-1/7】/85.7%
トーセンラー…きさらぎ賞/皐月賞7着/【0-3-1-1/5】/80.0%
ナカヤマナイト…共同通信杯/皐月賞5着/【4-1-1-2/8】/75.0%
ノーザンリバー…アーリントンC/皐月賞15着/【2-1-0-1/4】/75.0%(芝コース限定)

以上の4頭が今年のダービー馬の有力候補である。
この選ばれし馬4頭は、いわばエリート中のエリートである。だが、これで終りではない。ここから更に、ダービーの栄冠を賭けて、スパーエリート4頭の戦いが続くのだ。

4.芝1800m以上の重賞勝利実績
過去8年のダービー馬の重賞実績を見てみると、07年のウオッカを除く7頭は、芝1800m以上の重賞勝利実績がある。ここで、アーリントンC(京都芝1600m外)勝ちのノーザンリバーが脱落。

5.重賞2勝以上
昨年のエイシンフラッシュ以外の7頭は、重賞を2勝している。
となれば、自ずと一頭に絞られる。これで決まった。

今年のダービー有資格馬は、◎オルフェーヴルだ!!
味も素っ気もない、おそらく1番人気になるであろうオルフェになってしまったが、データの裏付けではこうなる。
ちなみに、実は4番目と5番目を持ち出さなくても、最後まで残った3頭を一発で篩いにかけるデータもある。

6.前走3着以内かつ上がり3F3位以内
09年のロジユニヴァース以外の7頭全てが、この条件を満たしているのだ。

<前走着順と上がり3F順位>
03年ネオユニヴァース…皐月賞1着/1位(34.3)
04年キングカメハメハ…NHK1着/1位(34.0)
05年ディープインパクト…皐月賞1着/1位(34.0)
06年メイショウサムソン…皐月賞1着/3位(35.1)
07年ウオッカ…桜花賞2着/2位(33.6)
08年ディープスカイ…NHK1着/1位(33.9)
09年ロジユニヴァース…皐月賞14着/13位(37.2)
10年エイシンフラッシュ…皐月賞3着/3位(35.2)

ちなみに、最後まで残ったオルフェ以外の2頭の成績は次のとおりである。
トーセンラー…皐月賞7着/4位(34.9)
ナカヤマナイト…皐月賞5着/6位(35.3)

ロジユニが勝った09年は、泥んこの不良馬場だったことを考えると、ダービー馬には確実に切れる終いの脚が求められるということ。もともとそれほど切れる脚があるわけではない(とは言っても上がり3F3位以内率は80%あるのだが)ロジユニにとって、当時の切れ味が封印される不良馬場は大歓迎であったはず。したがって、この条件もまた、ダービー馬の必須条件として十分に機能する。

ダービー馬の必須条件をまとめるとこうなる。
★史上最強のダービー馬の条件★
1.重賞勝利実績(芝1800m以上、2勝以上が望ましい)
2.前走G1で3着以内かつ上がり3F3位以内
3.上がり3F3位以内率が70%以上


◎オルフェーヴル…ステイゴールド×メジロマックイーン
重賞勝利実績:皐月賞・スプリングS
前走:皐月賞1着/上がり3F34.2(1位)
上がり3F3位以内率:6-0-0-1/85.7%

完全無欠のダービー有資格馬である。あくまでもデータ上では、ということで。




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