コキュートスの記憶

日々の出来事とか戦果(買い物)とか。
主にガンダムを中心にしています。

ヘルメス迷走 part18

2013年12月03日 | ゲームブック
前回、ハラムの死で記憶を取り戻し、ナオミのネックレスを
取りに向かいましたが、T・Tの襲撃でMADSが壊滅。
今回はその事情を聞くためにMADSの残党を捜します。

186:
キミは街を歩き回ってみたが、見知った顔はなかった。考えてみれば
キミが知っているMADSのメンバーはほんの3、4人だ。
─何せずっとナオミの部屋にいたもんな─
何か悲鳴のような声を聞いたような気がして、キミは通り過ぎかけた
路地を覗き込んだ。路地の奥で誰かが3人の男に絡まれていた。右目
の上に酷い痣をつけたその男が、キミを見つけて情けない声を上げる。
「あ、あんたか!」
幸いその顔には見覚えがあった。リエと一緒にいるのを見たことがあ
る。確かシュルツといった。
絡んでいた男のひとりが、キミを見てニヤリと笑った。
「丁度良い所に来たな。飛んで火に入る何とかってヤツだ。ついて来
て貰おうか」
肩に伸びて来たそいつの手を、キミは振り払った。
「人にモノを頼む時は、まず自分の名前を言いな。てめぇら何処のど
いつだ?」
「そいつらT・Tだ!」
シュルツが喚いた。
キミは記憶をまさぐった。確かMADSと縄張りの件で揉めていたグ
ループだ。
その一瞬の隙に、男が殴りかかって来た。大振りの左フックを、キミ
は身を屈めて躱し、男の脚を払った。男はもんどり打って倒れる。
「おい!こっちだ!」
シュルツの声に顔を上げると、彼がキミに向かって手招きしながら路
地の奥へと走って行くのが見えた。キミはT・Tの連中を突き飛ばし、
その跡を追った。
暫く走った所で、シュルツはあるビルの中に飛び込んだ。
「おい、下手すると袋のネズミだぜ」
「ダイジョーブ」
シュルツは、キミに片目を瞑って見せた。部屋の隅のスチールキャビ
ネットを開いて底板を弄ると、地下に降りる梯子があった。
「よくこんなモン作ったな」
梯子を降りながら、キミは苦笑した。
「万一の用心にな。まさか実際に使うとは思わなかったぜ」
意外に広い地下室には、20人ばかりの男たちがいた。頭や腕に包帯
を巻いている者もいる。
「一体どうしたんだ?あの倉庫、何があったんだ?」
キミが尋ねると、シュルツはギリッと奥歯を噛み締めた。
「昨日の夜、いきなりT・Tのヤツらが攻めて来やがったんだ。ヤツ
ら何処から手に入れたのか、自動小銃だのグレネードランチャーだの
持ってやがって、とても歯が立たない…路地を守ってたグエンの隊は
アッという間にバラバラよ。
それから、ヤツら倉庫に火をかけて…」
「ナオミは?リエは?」
「姐さんは捕まった。リエさんは…倉庫の中で殺されちまったよ」
─リエが、死んだ?─
暫く言葉が出て来なかった。
「畜生!T・Tの連中、あんな武器何処で手に入れやがったんだ!?」
シュルツが喚くと、床に座り込んでいたひとりの男がボソリと言った。
「どっかデカいのと組んだのさ」
キミはハッとした。自動小銃にグレネードランチャー、そして、さっ
きのT・Tはキミを捕まえようとした…。
T・Tと組んだのは、行政委員会ではないのか?
プロの工作員を持つアクシズなら、こんな真似はしない。実行部隊の
不足している行政委員会だからこそ、下町のチンピラグループに武器
を与え、キミと接触のあったグループを襲わせたりするのだ。
恐らく行政委員会は、キミの首に償金を賭けているんだろう。
「これからどうするんだ?」
キミは尋ねた。
「決まってるだろう。人数が集まるのを持ち、T・Tのアジトに殴り
込む。そして、姐さんを助け出すんだ」
─それ迄、敵さん待っててくれるかな?─
追っていたMADSがこの辺で消えたとなれば、当然T・Tは周辺を
シラミ潰しに捜索し始めるだろう。ここが発見されるのも時間の問題
という気がする。
と言って、うっかり外に出れば、さっきの二の舞だ。
・夜が更けるのを待ち、ひとりでT・Tのアジトに忍び込む:190
・MADSの残党と共に殴り込みをかける時を待つ:157

んで、こっからはMADS経由と同じ展開でございます。

022では名前が出て来ませんでしたが、アレもシュルツだったのかな?
次回はハラムにも関わらない選択肢を辿ってみたいと思います。
コメント
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