今回はMADSにもハラムにもあまし関わらないルートです。
047から『パブ・チャイカ』には行かずに155へ進みます。
155:
「悪いけど、気分じゃないんでね」
・キミはニコニコ笑っている男に手を振り、人混みに紛れた:026
026:
どこへ行くという訳でもなく、ブラブラと歩いていると、不意に肩を
叩かれた。振り向くとチリチリ頭をした男が上目遣いにキミを見て、
唇を歪めている。その人を喰ったような笑いにムッときて、思わず声
が荒くなった。
「何か用かい」
「いやね」
男はキミの肩から手を放し、クスンと鼻を鳴らした。
「さっきからアンタに目をつけていたんだ。仕事、無いんだろ?」
キミはムスッとした顔で黙ったまま立っていた。
「判るんだよ、オレにはね。そのなり、その歩き方…いかにも、ここ
は初めてって感じだ」
くだらない自慢をしてから、男はキミの耳に口を寄せて囁いた。
「割の良い仕事があるんだ。ちょっと1日ツブしてくれれば、普通の
仕事の1週間分は保障するぜ」
キミは人差し指で男の胸をツンと突いた。
「他を当たりな。話が巧過ぎるぜ」
歩き出そうとするキミの腕を男は慌てて掴んだ。
「待ってくれよ!最初に言わなかったのは悪かった、ヤバい仕事なん
だ。煩いヤツらにバレたら、コッテリと絞られる。だけどな…」
男の声が熱を帯びてきた。少なくとも洒落や酔狂ではないようだ。
「それを承知しているから、金を出そうって言うんだ。引き合う仕事
だと思うぜ。それにアンタ、この仕事を断れる程潤っちゃいないんだ
ろ?」
・断る:131
・引き受けてみる:010
遠回りしたいので、引き受けてみましょう。
ちなみにチリチリ頭の男はグラサンに黒いスーツで怪しさ満点です。
010:
「まっ、懐が寒いのは事実だからな。やってやるよ」
「じゃ、ついてきてくれ」
男は先に立ち、小型艇の発着場の方向に歩き出した。
「宇宙に出るのか?」
「声がデカいよ」
男は前を向いたまま、キミだけに聞こえるような小声で言った。
「外でアクシズの艦が待ってるんだ。オレたちはそこに補給物資を運
んでやるワケ」
「─確かにヤバい仕事だな。思いっ切りヤバい」
「後悔したってもう遅いぜ」
発着場の小型艇の中には、他にも数人の男がいた。トロンとした目を
宙に浮かせ、キミたちが乗り込んでも目もくれない。
「時間だ、出るぞ」
チリチリ頭はコクピットに消えた。キミはシートに座ってベルトを締
めたが、どうにも居心地が悪い。キミは隣の男に話しかけてみた。
「アンタはどこで引っかかったんだ?」
男は黙ったままだ。ブン殴ってやりたくなったが、止める。
気がつくと、艇は宇宙に出ていた。チリチリ頭がコクピットから戻っ
てきた。
「艦までかなりあるからな。寝る時間位はあるぞ」
キミは素直に目を閉じた。タップリ眠れるだろう。コロニーから2、
3時間の空域でアクシズの艦が遊んでいられる程、世の中平和ではな
い。
目を覚ました時には、もう巡洋艦らしい艦と接触してしまっていた。
チリチリ頭が呆れたようにキミを見ている。
「お目覚めかい?良い度胸だね」
キミはベルトを外して立ち上がった。
「船倉へ行ってくれ。もう始まっている」
「はいはい」
狭い船倉には、小さなコンテナが天上まで積み上げられていた。男た
ちが黙々とコンテナを担いで出て行く。
キミもコンテナを担ぎ、男たちの後ろについてアクシズの艦に入った。
通路の要所要所にアクシズの兵が小銃を下げて立っている。
コンテナを船倉に置いたキミは、来た道を戻る。あの量だともう20
回程繰り返さねばならない。
半分程のコンテナが片づいたところで、休憩になった。配られた折詰
弁当を持ち、キミはチリチリ頭の隣に座った。
「これ、アンタの艇かい?」
「まーな。密輸から湾内観光まで何でもやるぜ」
「しかし、こんな仕事、どこで拾ったんだ?」
「オレは顔が広いからな」
チリチリ頭はウインクした。
「これで、この仕事も2回目だ」
「え?」
妙だった。1回の補給がこの艇の大きさからして2週間分─サイド6
を目の前にして、アクシズは2週間も何をやっているんだ?
「何で直ぐに攻撃しない?」
「オレもそれが判らんのよ」
チリチリ頭が箸を置いた。
・『パンドラ』という言葉を聞いたことがある:014
・ない:200
あってもなくても余し変わらないのですが、聞いてるので014へ。
ちゅーとこで、来週に続きます。
047から『パブ・チャイカ』には行かずに155へ進みます。
155:
「悪いけど、気分じゃないんでね」
・キミはニコニコ笑っている男に手を振り、人混みに紛れた:026
026:
どこへ行くという訳でもなく、ブラブラと歩いていると、不意に肩を
叩かれた。振り向くとチリチリ頭をした男が上目遣いにキミを見て、
唇を歪めている。その人を喰ったような笑いにムッときて、思わず声
が荒くなった。
「何か用かい」
「いやね」
男はキミの肩から手を放し、クスンと鼻を鳴らした。
「さっきからアンタに目をつけていたんだ。仕事、無いんだろ?」
キミはムスッとした顔で黙ったまま立っていた。
「判るんだよ、オレにはね。そのなり、その歩き方…いかにも、ここ
は初めてって感じだ」
くだらない自慢をしてから、男はキミの耳に口を寄せて囁いた。
「割の良い仕事があるんだ。ちょっと1日ツブしてくれれば、普通の
仕事の1週間分は保障するぜ」
キミは人差し指で男の胸をツンと突いた。
「他を当たりな。話が巧過ぎるぜ」
歩き出そうとするキミの腕を男は慌てて掴んだ。
「待ってくれよ!最初に言わなかったのは悪かった、ヤバい仕事なん
だ。煩いヤツらにバレたら、コッテリと絞られる。だけどな…」
男の声が熱を帯びてきた。少なくとも洒落や酔狂ではないようだ。
「それを承知しているから、金を出そうって言うんだ。引き合う仕事
だと思うぜ。それにアンタ、この仕事を断れる程潤っちゃいないんだ
ろ?」
・断る:131
・引き受けてみる:010
遠回りしたいので、引き受けてみましょう。
ちなみにチリチリ頭の男はグラサンに黒いスーツで怪しさ満点です。
010:
「まっ、懐が寒いのは事実だからな。やってやるよ」
「じゃ、ついてきてくれ」
男は先に立ち、小型艇の発着場の方向に歩き出した。
「宇宙に出るのか?」
「声がデカいよ」
男は前を向いたまま、キミだけに聞こえるような小声で言った。
「外でアクシズの艦が待ってるんだ。オレたちはそこに補給物資を運
んでやるワケ」
「─確かにヤバい仕事だな。思いっ切りヤバい」
「後悔したってもう遅いぜ」
発着場の小型艇の中には、他にも数人の男がいた。トロンとした目を
宙に浮かせ、キミたちが乗り込んでも目もくれない。
「時間だ、出るぞ」
チリチリ頭はコクピットに消えた。キミはシートに座ってベルトを締
めたが、どうにも居心地が悪い。キミは隣の男に話しかけてみた。
「アンタはどこで引っかかったんだ?」
男は黙ったままだ。ブン殴ってやりたくなったが、止める。
気がつくと、艇は宇宙に出ていた。チリチリ頭がコクピットから戻っ
てきた。
「艦までかなりあるからな。寝る時間位はあるぞ」
キミは素直に目を閉じた。タップリ眠れるだろう。コロニーから2、
3時間の空域でアクシズの艦が遊んでいられる程、世の中平和ではな
い。
目を覚ました時には、もう巡洋艦らしい艦と接触してしまっていた。
チリチリ頭が呆れたようにキミを見ている。
「お目覚めかい?良い度胸だね」
キミはベルトを外して立ち上がった。
「船倉へ行ってくれ。もう始まっている」
「はいはい」
狭い船倉には、小さなコンテナが天上まで積み上げられていた。男た
ちが黙々とコンテナを担いで出て行く。
キミもコンテナを担ぎ、男たちの後ろについてアクシズの艦に入った。
通路の要所要所にアクシズの兵が小銃を下げて立っている。
コンテナを船倉に置いたキミは、来た道を戻る。あの量だともう20
回程繰り返さねばならない。
半分程のコンテナが片づいたところで、休憩になった。配られた折詰
弁当を持ち、キミはチリチリ頭の隣に座った。
「これ、アンタの艇かい?」
「まーな。密輸から湾内観光まで何でもやるぜ」
「しかし、こんな仕事、どこで拾ったんだ?」
「オレは顔が広いからな」
チリチリ頭はウインクした。
「これで、この仕事も2回目だ」
「え?」
妙だった。1回の補給がこの艇の大きさからして2週間分─サイド6
を目の前にして、アクシズは2週間も何をやっているんだ?
「何で直ぐに攻撃しない?」
「オレもそれが判らんのよ」
チリチリ頭が箸を置いた。
・『パンドラ』という言葉を聞いたことがある:014
・ない:200
あってもなくても余し変わらないのですが、聞いてるので014へ。
ちゅーとこで、来週に続きます。